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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私.
日々の出来事、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

「真珠とダイヤモンド」~~読書感想文です~~♪

2023-08-31 | 本と雑誌
「バブル」と呼ばれ,ギラギラした時代のお話~~~(なつかしい=苦笑)。
あんなことも、こなことも~~~すべてが既視感みたいでグングン引き込まれました!

   「真珠とダイヤモンド」  桐野 夏生  著
     

1986年の春、あまり知られていない地方の私大卒の男性「望月」と、同じように地方の短大卒の女性「佳那」、高卒の女性(水矢子」の三人が証券会社の福岡支店に「同期入社」します。
三人は「三年後に東京に行く」という共通の夢を持っていました。

とにかくがむしゃらにお金を稼ぎ、本社の国際部に移動し、いずれは外国で暮したい。そのためにはなりふり構わずに仕事をする証券マンの「望月」。
セールスレデーとして入社した美貌の「佳那」。
事務職員として入社した「水矢子」。

三人の若者は、バブルという時代に翻弄され、思いもよらない流転の人生を歩み始めるのです。

予想外の狂った運命の末に、手を取り合って銀座のマンションから飛び降りて命を落とした望月と佳那夫婦。
地味に暮らしていたはずの水矢子も、バブルの波に身をまかせることになり、中年を迎えた頃にはホームレスとなって、都会の公園で行き倒れになります。

「証券界」にいたこともある私は、いろいろ「さもありなん」と思う部分もありました。
「中国ファンド」「NTT株上場」「投信」「仕手株」・・・etc,
OLと呼ばれた時代を思い出しました(苦笑)


タイトルの「真珠とダイヤモンド」は、主人公の二人の女性のことです。

「望月」は、結婚相手に選んだ「佳那」のことを「掌中の珠」と思い、彼女を幸せにしたいと専業主婦にさせます。
が、男性に負けないように働くことを望んでいた佳那は不満。
(証券会社は「男の世界」だったし、とにかく「手数料」を上げないと小さくなっていなければならない世界ですから、夫としてはそうはさせたくなかったんでしょう
 
彼女は不満のはけ口に、高価なものを購入しホストと付き合うなど、夫をうらぎり、浪費を繰り返し「つまらないただの珠」になってしまうのです。

水矢子に関しては、
ある占い師が「貴女はダイヤモンドだけど、磨かなければただの石」と、水矢子に言ったことがあるのですが、彼女は自分に自信が持てずバブルの波に流されて・・・とうとう自分磨きができなかった・・・。
最後はホームレスになって、公園で死を迎えます。

お金・・・いつの世も、人々を夢中にさせて、人生を狂わす人もいますね・・・。大金は無くても、なんとか食べて行けるだけの日々で満足することが一番かな?(笑)。