今日はいきなり暖かく、すっかり春気分です。朝から、植木鉢やプランターの位置を変えてみたり、
クロッカスの伸び具合を入念に観察したり、「みどりいじりたいごころ」が騒ぎます。
特別なことも、素敵な予定がなくっても、こんな日はただそれだけで、いいことがありそうな
気持ちになるから不思議だなあと思っていたら・・・この本のことを思い出しました。
![とってもいいこと](http://images-jp.amazon.com/images/P/4861010411.01._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg)
『とってもいいこと』
内田麟太郎・著 荒井良二・絵
「なんかいいこと」どころではなく、題名が『とってもいいこと』です。
そんなタイトルの本が、家にあるだけで、まるでお守り効果(?)のように、
「とってもいいこと」がすぐ近くにあるような、「とってもいいこと」だらけの中心のいるような、
そんな気持ちになってきます。(なってきませんか?)
内田・荒井コンビの絵本に『うそつきのつき』 という、ことばあそびの本があります。
だいぶ前から欲しいなあと思っていながら、その日書店で初めて見たこちらの本を
買ってしまいました。なんでかなあ?と思ったけれど、やはり題名のせいでしょう。
それと、最後の方に、とても魅力的な、お月様が描かれていたせいかもしれません。
ストーリーは、大きくて、漠然としています。捉えどころがないというか、捕まえきれないほど、
大きいというか。そんなふうに私は思いました。
始まりはこんな感じなんですが。
すやゃーん すやゃーん。
タコの 8ちゃんが ひるねをしていると、
どこかのだれかが いいました。
「ひるねばかりしていないで、でかけた、でかけた」
「どうして、でかけなきゃ いけないの?」
8ちゃんは、ねぼけごえで ききました。
「いいことがあるからさ」
「・・・・・いいことが?」
「そう、いいことが」
その声に促されて、はまべへ出かけた8ちゃんは、カニに勧められるまま
「ちからくらべたいかい」に出ることになります。クロネコ、人間の男の子、ゴリラ、クジラ。
どんどん力持ちが登場し、クジラより力持ちは、クジラを浮かべることができるうみ(=海)、
だったりするのです。
それでは、うみより力持ちはなんでしょう? うみに勝ったそれよりも、もっと「力持ち」も
存在します。
たくさんの「力持ち」と、それに比べてわが身の非力さを知っただけで、何にも
いいことなんかなかった、でかけてきた甲斐がない、と8ちゃんは落ち込みます。
でも、最後には・・・
でかけると いいことがあるといった
どこのだれかが わかったのです。
そして そのひとが ほねなんか 1ぽんもないのに、
このよで いちばんのちからもちなのも。
8ちゃんは、気が着きました。不思議な力で、自分を「外へ」誘ったものの正体が。
私も、なんだかわかったような気がしています。だから、あったかくなってきた、
というただそれだけで「なにかいいことがありそう」と思ったり、芽吹きや、花が開くのが
待ち遠しくなったりするのだと思うのです。
クロッカスの伸び具合を入念に観察したり、「みどりいじりたいごころ」が騒ぎます。
特別なことも、素敵な予定がなくっても、こんな日はただそれだけで、いいことがありそうな
気持ちになるから不思議だなあと思っていたら・・・この本のことを思い出しました。
![とってもいいこと](http://images-jp.amazon.com/images/P/4861010411.01._OU09_PE0_SCMZZZZZZZ_.jpg)
『とってもいいこと』
内田麟太郎・著 荒井良二・絵
「なんかいいこと」どころではなく、題名が『とってもいいこと』です。
そんなタイトルの本が、家にあるだけで、まるでお守り効果(?)のように、
「とってもいいこと」がすぐ近くにあるような、「とってもいいこと」だらけの中心のいるような、
そんな気持ちになってきます。(なってきませんか?)
内田・荒井コンビの絵本に『うそつきのつき』 という、ことばあそびの本があります。
だいぶ前から欲しいなあと思っていながら、その日書店で初めて見たこちらの本を
買ってしまいました。なんでかなあ?と思ったけれど、やはり題名のせいでしょう。
それと、最後の方に、とても魅力的な、お月様が描かれていたせいかもしれません。
ストーリーは、大きくて、漠然としています。捉えどころがないというか、捕まえきれないほど、
大きいというか。そんなふうに私は思いました。
始まりはこんな感じなんですが。
すやゃーん すやゃーん。
タコの 8ちゃんが ひるねをしていると、
どこかのだれかが いいました。
「ひるねばかりしていないで、でかけた、でかけた」
「どうして、でかけなきゃ いけないの?」
8ちゃんは、ねぼけごえで ききました。
「いいことがあるからさ」
「・・・・・いいことが?」
「そう、いいことが」
その声に促されて、はまべへ出かけた8ちゃんは、カニに勧められるまま
「ちからくらべたいかい」に出ることになります。クロネコ、人間の男の子、ゴリラ、クジラ。
どんどん力持ちが登場し、クジラより力持ちは、クジラを浮かべることができるうみ(=海)、
だったりするのです。
それでは、うみより力持ちはなんでしょう? うみに勝ったそれよりも、もっと「力持ち」も
存在します。
たくさんの「力持ち」と、それに比べてわが身の非力さを知っただけで、何にも
いいことなんかなかった、でかけてきた甲斐がない、と8ちゃんは落ち込みます。
でも、最後には・・・
でかけると いいことがあるといった
どこのだれかが わかったのです。
そして そのひとが ほねなんか 1ぽんもないのに、
このよで いちばんのちからもちなのも。
8ちゃんは、気が着きました。不思議な力で、自分を「外へ」誘ったものの正体が。
私も、なんだかわかったような気がしています。だから、あったかくなってきた、
というただそれだけで「なにかいいことがありそう」と思ったり、芽吹きや、花が開くのが
待ち遠しくなったりするのだと思うのです。