オープニングのさかさまになった自由の女神像(このアイロニー!)から斜めに構えたエンドタイトルデザインに至るまでデザイン感覚で全編が貫徹している。
実在の人物の伝記かと思ったら、架空のキャラクターでしかも伝記的リアリズムというよりデザイン的センスで統一されている感がある。
フェリシティー・ジョーンズの妻の登場がかなり遅くてナラティブな構成だったらこうはしなかったろう。
大金持ち役がガイ・ピアースで最初に傲慢で嫌な感じで出てきたと思ったら案外寛容なのかなと思わせて、という展開が意外性狙いにとどまらない飛躍を見せる。