prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「血と骨」

2004年12月08日 | 映画
原作の金俊平は巨体と怪力の持ち主であり本当は若い時の三國連太郎でも難しい役なので、たけしではどうかなと思っていたのは必ずしも杞憂に終わっていなかった。若くて図体の大きい相手と真っ向から取っ組み合いして勝つのがどうしても不自然に見える。炭火を顔に押し付けたりするヒキョウな真似をするあたりは似合っていたが。
全編緊張感が途切れることはないが、息子の正雄が父親に対して弱すぎるのでドラマチックにはなりにくく、とにかく重苦しい。

在日が住んでいる地域の大がかりなオープンセットが、真っ昼間の場面ではわずかに古色不足なのを除いてよくできている。エンドタイトルだと大道具係の名前が数え違いでなければ76人ずらりと並んだ。市電のレールが彼方にまで伸びている画はデジタル技術を使ったものだろうが、(外の世界との接点)のような一種象徴的なニュアンスが出た。

これくらいボカシが入る映画も近頃珍しい。前貼りつけてないってことか。いいかげんすっぱり解禁したらどうです。役人はあくまで既得権を手放さないってことね。
(☆☆☆★)


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