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北陸鉄道 8000系電車~浅野川線で活躍する元京王車

2009-11-07 | 鉄道[北陸]

  

MAKIKYUが9月に北陸を訪問し、北陸鉄道に乗車した際には、鉄道2路線(石川線・浅野川線)双方で共通利用可能(両線間は直接連絡しておらず、別運賃が必要なJRか北鉄グループのバスを介しての連絡となります)な一日乗車券を利用した事もあり、先月末で末端区間(鶴来~加賀一の宮)が廃線となった石川線だけでなく、金沢駅を基点に海岸近くの内灘へ至る浅野川線にも乗車したものでした。

浅野川線は車両近代化こそ石川線より遅かったものの、金沢駅地下化と関連して90年代に車両取替えが行われ、浅野川線では同時に直流600V→1500Vへの昇圧も行われています。

この車両取替えの際に導入された車両が8000系と呼ばれる車両で、元京王井の頭線の3000系電車を短編成ワンマン化など、北陸鉄道向けに改造した車両で、車内はリニューアル前の京王3000系の雰囲気が色濃く残っていますが、一部のつり革を撤去した跡などを見ると、古巣とは大きく異なる環境に移った車両という事を強く感じたものです。

2両1編成で構成される8000系は5編成が在籍しており、この5編成が浅野川線で現在活躍する旅客車両の全てになりますが、8800番台と8900番台の2つの番号区分に分けられており、前者が2編成、後者が3編成の陣容となっています。

MAKIKYUが9月に浅野川線を利用した日には、8900番台が2編成稼動し、金沢駅にも1編成が停車している状態でしたので、乗車した車両は当然8900番台の方になりますが、この車両の導入時期には3000系の地方譲渡が次々と行われていた事もあり、ほぼ同種の車両は幾つかの地方私鉄でも姿を見る事が出来ます。

また北陸鉄道ではこの車両の導入から10年程のブランクを経て、更に1編成だけ京王3000系を追加導入(北鉄での形式は7700系)していますが、こちらは石川線用に導入された車両だけあって、京王時代に用いていた直流1500Vの下回りはそのまま使えず、他の石川線車両と同様に西武鉄道などで発生した廃車発生品に取り替えています。

そのため7700系の見た目は、浅野川線車両に良く似ているものの、下回りが別物(浅野川線車両は京王時代の下回りを使用)だけに乗り心地は大きく異なり、導入時期が異なるだけあって車内にも違いが見られる点などは興味深いものです。
(興味のある方は、この記事と7700系の記事の写真を比較してみて下さい)

あとMAKIKYUが9月に訪問した際には、残念ながら2編成とも内灘の車庫で休んでいた8800番台の車両は、数多くが製造されて一部は井の頭線で最後の活躍をしており、地方でも多数が走り回っている京王3000系の中でも、最初期に製造された片開き扉車です。

こちらは現在北鉄のみにしか存在しない希少な車両で、MAKIKYUも一度だけ浅野川線で乗車した事がありますが、稼動している姿を見かけたならば、是非乗車しておきたいものです。

写真は8900番台車とその車内の様子、内灘の車庫で休む8800番台車です。