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大山観光電鉄・大山鋼索線~車内には小田急線電車との共通項も…

2009-11-21 | 小田急グループ

  
  

昨日MAKIKYUは所用で平塚市郊外の某所へ出向く用事があったのですが、所用は午後からだったものの直ぐに済んだ事もあり、その足でお隣の伊勢原市内にある大山へ出向いていました。

大山へ出向いたのは、今が見ごろの紅葉見物や眼下に望む相模湾などの景色を楽しむ事も勿論ですが、意外と近場でありながらまだ乗車した事がなかった大山観光電鉄(大山ケーブル)への乗車も目的の一つでした。

大山観光電鉄は小田急グループに属する事業者で、大山鋼索線と呼ばれる路線は伊勢原駅からの神奈中バスが発着する大山ケーブルバス停から、約10分程土産物屋などが連なる坂道を上がった大山ケーブル駅を起点としています。

約10分とはいえ結構な坂道ですので、足の不自由な方などは結構難儀するのでは?と感じたものでしたが、この大山ケーブル駅からは、阿夫利神社下社近くの阿夫利神社駅まで約800m程の短い道程を、片道約6分で運行しています。

戦前に開業した路線ながら、戦時中の金属供出などで長期運休を余儀なくされた過去もありますが、1965年の運行再開以降は、今日に至るまで同じ車両を40年以上使い続けています。

そのため同じ神奈川県内を運行する小田急グループのケーブルカーでも、箱根登山鉄道の新鋭車両などとは趣きが大きく異なりますが、「おおやま号」「たんざわ号」と名づけられた2両のケーブルカーは更新工事や近年の塗装変更を経ており、英文字のロゴや近年制定された小田急グループのブランドマークを付けた姿は、古参車両ながら今風の雰囲気を感じる一面もあります。

2両のケーブルカーは外観だけでなく、車内のモケットなども敢えて異なるものを用いており、往復で異なる車両に乗車したMAKIKYUは、両者を乗り比べる事が出来ましたが、これに加えて途中駅(大山寺駅)降車時用に比較的新しいタイプのバス用降車ブザーが取り付けられている点も、他のケーブルカーでは余り見られない特徴と言えます。

車内には「小田急車両 平成5年」という更新年を示すプレートが見受けられ、車内の化粧板も小田急線の電車と同種のものが用いられているなど、初めて乗車する路線にも関わらず、月に数回程度利用機会のある小田急線との共通項が、幾つも見受けられた点も興味深いものでした。

また800mを僅か片道6分といえども、278mもの高低差があるのはケーブルカーならではで、あっという間に高度を上げるケーブルカーの車中から日頃の生活圏を一望するのは、遠方へ出向いた際に乗車するケーブルカーなどとは別の面白さも感じたものです。

この大山ケーブルは伊勢原市内だけあって、東京都心からも比較的近くアクセスも容易な上に、小田急線・神奈中バスとセットで割引されたフリーパスの設定(MAKIKYUは今回平塚市内へ出向く所用などもあって、ケーブルカー往復のみの乗車券を購入したのですが…)などもありますので、興味のある方は是非一度大山ケーブルに乗車してみては如何でしょうか?

写真は「たんざわ号」外観と車内の様子、今日を感じさせる側面の標記(上段)と、「おおやま号」外観と車内の様子、車内の製造・更新年を示すプレート(下段)です。