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ムン山~富川間を走る座席バス5000番~中扉付きのUNIVERSEも…

2009-11-20 | バス[大韓民国]

  
(お断り:汶山の「汶」はgooブログの仕様上、タイトルとして使用できず文字化けするため、タイトルではカタカナで代用しています)

先月MAKIKYUが韓国を訪問し、7月に運行を開始したばかりの京義電鉄線に乗車した後は、終点の汶山(Munsan)からそのまま来た道を返すのも…という事で、5000番の座席バスに乗車する機会がありましたので、今日はこの座席バスに関して取り上げたいと思います。
(余談ながら京義電鉄線に乗車した後は、そのまま座席バスに乗車した訳ではなく、また汶山の駅とターミナルも少々離れているのですが…)

5000番の座席バスは坡州(Paju)市の汶山ターミナルを起点に、高陽(Goyang)市内を経て金浦大橋(Gimpo-Daekyo)を通り、富川(Bujeon)市内の富川ターミナルへ至る路線で、概ね毎時2本程度(韓国の路線バスにしては、運行頻度は少ない部類に入ります)が運行されています。

この路線の経路は、Seoul郊外にある衛星都市の北部と西部を、都心を通らずに運行する形態となっており、坡州市内~高陽市内では部分的に鉄道とも並行するものの、日本ほど郊外の都市間を結ぶ鉄軌道系の交通機関が発達していない韓国においては、この様なバスが郊外の都市間を結ぶ公共交通機関として重要な役割を果たしており、同種の路線は首都圏(Seoul都市圏)においては多数存在します。

途中の高陽市内では3号線の馬頭(Madu)駅なども経由し、この日は夜に高陽市内で知人との待ち合わせがあったMAKIKYUとしては、この路線に乗車すると汶山~高陽市内の移動で京義電鉄線とは異なったルートが楽しめ、丁度良い事もあって乗車したものでした。

運賃は運行距離が比較的長く、所要時間も全区間乗り通すと片道約2時間程度を要するだけに、市内バスでお馴染みの均一制ではなく、区間制の前払い(信用方式)となっており、車内には区間毎の運賃を表示した三角表も貼られていました。

そのため乗車時に行き先を申告する必要があるのですが、乗車時に行き先を申告せず、ICカード(彼の地では普及率が極めて高く、MAKIKYUもこのバスにはT-moneyを利用して乗車したのですが、カード利用率は8割を超えている様に感じたものです)をそのまま読取機にタッチする乗客の姿も多く、その都度乗務員氏が行き先を訪ねる光景が印象的でした。

ICカードでの運賃収受も日本の信用方式を導入している一部路線の様に、降車停留所無申告でICカードをタッチすると最大運賃が引き落とされる(MAKIKYUが住んでいる横浜市内では、東戸塚駅~緑園都市駅間の神奈中バスなどが代表例で、日本の首都圏で均一運賃区間~対キロ運賃区間に跨る路線では同種の路線が多数存在しますが、210円区間の利用にも関わらず乗客が行先を申告せずにカードをタッチし、終点までの220円を引き落とされ、過収受分を乗車券などで返金している姿を良く見かけます)のではなく、エラーメッセージ(韓国語なのでMAKIKYUの語学力では殆ど聞き取れないのですが…)が流れ、金額を設定しないと運賃がカードから引き落とせない仕組みとなっている点は評価できるもので、この点は日本の信用方式を導入しているICカード導入路線も見習って欲しいものです。

ちなみにMAKIKYUが乗車した汶山ターミナル~馬頭駅間では2800Wとなり、電車利用の約2倍となりますので、現地の物価を考えると決して安いとは言い難い(それでも日本の路線バスなどに比べれば割安です)ですが、電車利用では乗換えが必要な区間(汶山~馬頭駅間では大谷(Daegok)駅で乗り換え)を乗り換えなしで移動できます。

それに座席バスだけあって、リクライニングシートに腰掛けてゆったりと移動できるのもメリットで、それも汶山ターミナルで見かけた5000番の充当車両が、MAKIKYUがまだ乗車した事がなかった現代の新型高速・観光用車両UNIVERSEだった事も、この路線に乗車した動機の一つだったのですが、UNIVERSEに限らず首都圏の座席バス・広域急行バスでは観光タイプの車両に中扉を装備したタイプの車両が結構良く使われており、こんな車両は日本ではなかなか乗車する機会がありませんので、中扉付きの観光タイプ車両に乗車できる事(この手の車両が用いられている場合、当然ながら降車口は中扉です)も魅力的です。

またMAKIKYUが5000番の座席バスに乗車した際は、乗車時間が夕方だけあって途中で日が暮れてしまったのですが、汶山ターミナルを出発してから暫く坡州市内を走る間は車窓も楽しめ、その途中では北朝鮮に近いエリアを走行しているだけあり、コンクリート製のバリケード(タイヤの広告が付いており、今すぐ使う機会はなさそうな雰囲気ですが…)が設けられている箇所も見受けられました。

右側通行である事に加えてバリケードの姿も、如何にも異国のバスに乗車していると感じ、UNIVERSE(それも中扉付き)に初めて乗車できた事もあって、電車に比べて割高な運賃を支払った甲斐も充分あったと感じたものです。

座席バスは他の路線バスと同様に、案内も殆ど韓国語だけに電車に比べると外国人の利用はやや難しいですが、Seoul周辺の移動では電車や一般市内バスを利用する事が多いMAKIKYUとしても、たまに乗車してみるのも面白いのでは…と感じたもので、今回取り上げた5000番に限らず、興味のある方は機会がありましたら、是非座席バスにも乗車してみては如何でしょうか?

写真は5000番に充当されている現代UNIVERSE(中扉付き)と車内のリクライニングシート、車中から眺めた道路上に設置されたバリケードの様子です。