先日「MAKIKYUのページ」では、シーワールド高速フェリーが韓国・木浦(Mokpo)~済州(Jeju)間で運行している双胴型高速船「ピンクドルフィン」に関して取り上げましたが、同船が途中で寄港する楸子(Chuja)は、行政上は「済州道」に属しており、上楸子島と下楸子島という比較的大きな2つの有人島と、周囲に多数点在する無人島で構成されています。
非常にメジャーな観光地としても知られる済州島とは異なり、韓国在住者でも足を運んだ事がない人物の方が多数なのでは…と感じる離島で、外国人旅行者の訪問などはほぼ皆無に等しく、それどころか存在自体を知らない方の方が多いかと思います。
楸子群島の中でも、上楸子島と下楸子島の2島間は架橋によって実質的に陸続きとなっており、人口2000人台の離島ながらも、島内路線バスの運行もあります。
ピンクドルフィンの(上)楸子島寄港時には、楸子島停泊中や着岸直前などに、楸子交通とハングルで記された建物や、現代製市内バス車両の姿なども目撃する事ができました。
ネット上の情報(韓国語)を調べると、島内バスは7時~21時頃まで概ね1時間間隔程度で運行している様で、人口2000人台の離島でこの運行頻度と使用車両であれば、日本の同規模離島に比べ、島内公共交通の充実度は遥かに高いのでは…と感じたものです。
(バス交通の充実度は島内におけるスクールバス運行や著名な観光地の有無、本土との距離や往来頻度など、島の人口規模や大きさ以外の要因によっても変わりますので、一概には言えない部分もあるのですが…)
島内で営業しているコンビニの姿も見られるなど、日本国内にある同規模の大きさや人口の離島に比べると、比較的拓けた島と言う印象を受けたものでしたが、さすがに韓国では地方都市でも当り前の様に見られるアパート(鉄筋コンクリートの高層住宅)の姿は見られず、楸子停泊中などに船内から島の様子を眺めていても、如何にも「離島」という雰囲気を感じたものでした。
(一応離島ながらも済州島は人口50万人を超えており、高速道路や公共交通として旅客営業を行っている鉄道などは存在しないものの、済州市内でアパートなどは嫌と言う程視界に入り、生活利便性も日本の沖縄本島などと大差ないと思います)
またMAKIKYUが済州から乗船した「ピンクドルフィン」は楸子出航後、木浦到着までの間に珍島(Chindo)にも寄港していますが、こちらは街外れの非常に辺鄙な所で、着岸設備以外は「何もない」と言っても過言ではない有様でした。
「ピンクドルフィン」到着に合わせて接続バスも運行している様で、韓国では近年流行している単色塗装の市内バス車両が1台停車している姿も目撃したものでした。
楸子島内バスなどは、外国人旅行者の利用はまず想定していない乗り物かと思いますし、それ以前に外国人旅行者が単独で楸子島を訪問する事自体が限られると思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中で、楸子島内バスに乗車された方が居られましたら、是非その際の感想などをコメント頂けると幸いです。
日本では楸子島の存在自体が余り知られておらず、上陸した事がある人物自体が極少数だと思いますので、楸子島を訪問しバスにも乗車と言うのは、非常に希少な経験かと思います。
またバス大国の韓国では小さな部類に入るとはいえ、日本の地方路線バスに比べれば立派な車両を用いている様にも見受けられます。
便数は少ないとはいえ観光客で超満員と言うのは、高過ぎる運賃などが災いして空気輸送が常態化している日本の地方路線バスとは大違いで、小さな離島でもバス利用が活発と言うのは頼もしい限りと感じます。
こちらも機会があれば一度乗車してみたい気もしますが、今後楸子島を通る機会すら今後あるのかどうか怪しい状況ですので…