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済州島を走る市外バス(1)~大型車編

2014-12-29 | バス[大韓民国]

MAKIKYUが6月に初訪問した大韓民国(韓国)最大の島・済州(Jeju)島は、韓国本土とは架橋などによる陸続きではない「離島」という事もあり、島外との間を結ぶ陸路交通は存在しておらず、本土との移動は必然的に海を越える事になります。
(MAKIKYUが乗船した旅客航路に関しては既に取り上げましたが、済州へ足を運ぶ際には全羅南道各地、或いは釜山(Busan)から出航するフェリーなどの旅客航路を利用するか、さもなければ済州国際空港発着の航空便を利用する事になります)

そのため済州島を運行する陸上交通は、専ら島内移動で用いられる状況で、島内には旅客鉄道や高速道路もありませんので、公共交通は専ら一般道路を運行する路線バスと言う事になります。

済州島内の路線バスは、大きく分けると済州島の2大都市・済州市と西帰浦(Seogwipo)市の市内を運行する「市内バス」と、両都市間をはじめ島内各地と済州市の間などを運行する「市外バス」の2種類に分けられ、この他に済州国際空港~西帰浦市中文(Chungmun)地区の観光団地などを結ぶ「空港リムジンバス」が存在します。

MAKIKYUは韓国本土~済州島を移動する際、往復共に済州国際空港は利用していませんので、6月の済州島訪問時には空港リムジンバスには乗車しておらず、済州・西帰浦の両市内バスと市外バスのみの乗車でした。

その中でも市外バスは島内各地を多数運行していますので、観光で済州島を訪問した場合、団体旅行で専用車による移動が手配されているか、レンタカーを借りるのでなければ、韓国在住者がフェリーに自家用車を載せてこない限り、済州市外へ足を運ぶ場合に必須の交通手段となっています。

韓国の市外バスと言うと、概ね高速・観光用車種、そして時々市内バス車両ベースのトップドア・リクライニングシート車で運行しており、各都市内ではバスターミナルと他に1~2箇所程度に停車し、都市間を直結するバスという事になります。

しかしながら済州島では、済州市や西帰浦市の中心部やその周辺以外では市内バスが運行していない事もあり、それ以外の地域における市内バス的な役割も果たしています。

市内バス運行区域内でも、停車停留所数こそ市内バスよりは少ないものの、多数の停留所に停車するなど、韓国本土の「広域急行バス」「座席バス」に相当する役割も担っており、運賃も事前乗車券購入ではなく車内精算であるなど、他地域の「市外バス」とは随分様相が異なるものになっています。

日本に例えるならば、済州島の「市内バス」と「市外バス」は、沖縄本島那覇市の「市内線」と「郊外線」の差異にも似ている部分があり、市外バスで充当される車両は概ね市内バスタイプの車種ながらも、トップドアで2列の座席がズラリと並ぶ「着席重視仕様」となっています。
(沖縄本島の郊外線も、近年は大都市圏中古車の流入が多くなっていますが、元々郊外線様に導入された車両はトップドアの着席重視仕様車です)

ただ市内バス並行区間では、韓国本土を走る市内バスの「一般バス」と「座席バス」の如く、同一区間乗車でも市外バスではやや割高な運賃が適用されると共に、5段階の区間制となっている運賃は前払い(信用方式:乗車時に行先を申告して該当運賃を支払い)になっている辺りは、沖縄本島の郊外線などとは大きく異なる点で、韓国語会話ができない外国人にとっては、少々使い難い面もあります。
(済州島は外国人観光客も多い事から、言葉は通じなくても外国人慣れしている部分もあり、会話ができない場合は行先を記した紙片を提示するか、地図を指差しするなどすれば、何とかなると思います)

市外バス車両は市内バス様車種ベースと言うだけでなく、座席にリクライニング機能の備わっていない車両も含まれており、離島故に乗車距離や時間が限られる事も影響していると感じますが、他地域の市外バスに乗り慣れた方が済州の市外バスを見ると、車両面での見劣りは否めないかもしれません。

路線によって車両サイズが異なり、島内の海岸線沿いを1周する道路を東回りと西回りそれぞれの経路で半周し、済州~西帰浦を結ぶ「700番」や、済州市外バスターミナルを起終点として、西帰浦市の旧市街地や中文地区などを循環運行する「780番」などでは、専ら大型車が用いられています。

済州の市外バスは、路線によって事業者が別れているのではなく、各路線を幾つかのバス事業者が共同で運行する形態となっており、この点も1つの系統を複数事業者で共同運行する事も多い、沖縄本島の郊外線バスと類似しています。

よく見かける事業者・塗装が4通りと言うのも、何となく沖縄本島を連想する面があるのですが、車両使用年数が短い事もあり、極端に古い車両などは見かけず、当然ながら中扉付き車両の中扉封鎖→座席設置と言った車両などは存在しません。


ちなみに韓国の国産2大メーカー(現代・大宇)の車種を使用していながらも、日本の三菱エアロスターに良く似た雰囲気の現代製古参車が市外バスで活躍する姿も目撃しておらず、台数が多い割に車種のバリエーションは…とも感じたものでした。
(市内バスではエアロスターに良く似た雰囲気のエアロシティが活躍する姿も目撃しているのですが…)

  
ただ大宇の方は、最新鋭から比較的古い車種まで、大きく分けて3タイプに分類できる現行車種全てが揃っています。

稼動数も大宇の方が多い様に感じたもので、事業者によっては大宇ばかりを見かける状況でしたが、現代ばかりと言う所はなく、緑色の大宇車もそこそこ見かけたものでした。

また車長が短めの車種も、済州では市外バスで多数活躍しており、MAKIKYUはこちらも乗車機会がありましたが、このバスに関しては近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。



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