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今日開業したKTX京江線~運行車両はKTX 平昌?

2017-12-22 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

来年2月には韓国・江原道の平昌(Pyongchang)とその周辺で冬季オリンピックが開催、翌3月にはパラリンピックが開催される事が決定しており、ご存知の方も多いと思います。

韓国の中でも江原道は余り交通利便性が芳しくない街が多い地域で、オリンピック開催の中心都市となる平昌も首都・ソウルからの足は高速道路利用の都市間バスや自家用車でのアクセスが一般的な街でしたが、冬季オリンピック・パラリンピックの関係者や観客輸送対策も兼ねて高速鉄道整備が進められ、晴れて今日開業を迎えています。

新たに開業した高速鉄道は京江線と呼ばれる路線、同名路線は既に京畿道内でも一部区間が開通しており、こちらは広域電鉄の通勤電車が運行中ですが、今日開業したのはこの区間とは少々離れた江原道内の西原州(Seo-Weonju)~江陵(Gangneung)間です。
(正式には江陵駅周辺は既存の嶺東線との共用区間ですが、同線は江陵~正東津間が営業休止となっており新線切替も行われていますので、実質的にはこの区間も含め新規開業といっても過言ではないと思います)

起点の西原州では中央線と接続、KTX(高速列車)は全て同駅通過となっており、北海道新幹線開業前のJR津軽海峡線中小国駅を連想させる状況となっており、KTXも西原州以西(ソウル方)は既存の中央線(近年大改良されて複線化されていますが…)などを運行しています。

 
MAKIKYUは江陵→ソウルの片道で乗車しましたが、終点駅となっている江陵駅は立地場所こそ営業休止前と同様で、韓国ではよくある新線移設で不便な寂しい場所に…という状況ではないものの、既存駅舎を解体して新駅舎を建設しています。


以前は地上駅だったものの半地下式に改められており、以前の江陵駅を知る身としては随分変わったな…と感じさせられ、ホームは既存路線(嶺東線)と今日新規開業した京江線(KTX)でそれぞれ島式1面2線、両者併せて2面4線となっています。
(嶺東線の江陵~正東津(Cheongdongjin)間運転再開はオリンピック輸送終了後となる事もあり、今日は嶺東線ホームにKTXの予備車両1編成が待機していました)


駅舎内では京江線の新線区間に関する案内展示やパンフ配布もあり、開業初日らしいと感じたものでしたが、日本に比べると鉄道に対する関心が低い国柄も影響してか、100km以上の新線開業にしては静かなスタートとも感じたものでした。

 
KTX京江線で運行する車両は、既に実績のあるKTX-山川(Sancheon)を小改良した車両で、旅客案内上も「KTX-山川」と案内しているものの、車両表記はKTX-平昌となっており、車両運用も既存の京釜線や湖南線などのKTX-山川とは別になっている事も考慮すると、正式名称をKTX-平昌にしても良かったのでは…と感じたものでした。

KTX-平昌はKTX-山川を小改良した車両ですので、紫色のKTX-山川(現在はSRTとして運行)と既存KTX-山川の要素を融合した車両という雰囲気が強く、 運行距離が比較的短い事もあってか、SRTと同様に車内に売店が見当たらなかったのも特徴と感じたものでした。

 
LCDモニターによる案内も見慣れた雰囲気、MAKIKYUが乗車した一般室車は、既存KTX-山川とはカラースキームなどは類似しているものの、 車両自体は余り新鮮味を感じるものではない気もしたものでした。

 
ただモケットの柄や座席下の足元空間などは差異があり、足元空間が広くなった事は大いに評価できる事と感じ、個人的な座席評価(一般室)はSRT>KTX-平昌>KTX-山川>>KTX(論外)という印象です。


ちなみに特室座席は2+1列配置、シートピッチも広く確保されるなど一般室との差別化が図られていますが、一部で競合する優等高速バスに比べると、見劣りが否めない印象でした。


また江陵駅を出発すると、江陵駅周辺は単線区間となっており、名鉄岐阜駅(名鉄本線)や西武本川越駅の周辺を連想させる雰囲気とも感じたものです。

地上に出て嶺東線と分岐してからも暫くは単線区間が続く状況、走行時間で6~7分程度は単線区間を走る状況でしたので、高速鉄道にしてはかなり簡素な設備で運行する路線とも感じたものでした。


東海に面する街・江陵では降雪も日陰などに僅か…という程度だったものの、山間部に入り平昌辺りになると地面も真っ白という状況で、冬季オリンピック開催地らしいとも感じたものでしたが、既存の中央線と合流するまでが1時間強、停車駅の少ない列車なら1時間足らずなのでは…という状況で、新線区間は江陵~ソウル間の移動時間短縮にも大きく貢献していると感じたものでした。

ただ既存の中央線に入ってからは、広域電鉄や貨物列車なども運行する区間を共用する事もあり、時折徐行運転を強いられるなど、新線区間に比べると列車の走りも随分異なるもので、既存路線との直通運転も容易なKTXの特徴を実感するには絶好とも感じたものです。

ソウル市内にある清凉里(Cheongnyangni)では乗客の過半数が下車、その後は漢江沿いをゆっくりと走り、高速鉄道という印象とは程遠い雰囲気のラストスパートとなりソウル駅到着、江陵からは2時間弱の道程は、最後が勿体無い印象を受けたものでした。

ソウル市内~江陵方面のアクセス向上だけなら清凉里発着でも充分な反面、不慣れな外国人旅行者の移動利便性向上や既存高速列車との乗継などを考慮すると、ソウル駅や仁川国際空港(ソウル駅から更に西へ運行)などを発着する列車の設定も必須と感じたものでした。

今後五輪開催時には観客や関係者輸送などに大きく貢献し、その後も江陵など江原道の街とソウルを結ぶ路線として大きな役割を果たす事が期待される路線ですが、KTX-平昌はオリンピック・パラリンピック終了までの期間限定なのか、それともその後もこの名称を使い続ける事になるのかも気になると感じたものでした。



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