先日「MAKIKYUのページ」では、鹿児島~沖縄航路に就航しているマリックスラインの「クイーンコーラル8」に関して取り上げましたが、MAKIKYUが4月に同船に乗船した際には、途中下船制度を利用して徳之島(亀徳)で途中下船し、翌日の同航路に再乗船して最終寄港地・鹿児島新港を目指したものでした。
鹿児島~沖縄航路はマルエーフェリーとマリックスラインのフェリー各2艘が共同運航を行っており、それぞれ隔日運航、両者を合わせて毎日運航が確保されています。
そのためマリックスラインのフェリーを途中下船し、翌日のフェリーに再乗船するとなれば、ドッグ時などの変則ダイヤでもない限りは、マルエーフェリー運航便に当たる事になります。
マルエーフェリーでは現在、鹿児島~沖縄航路では「フェリーあけぼの」「フェリー波之上」の2艘が就航しており、後者は「三菱空気潤滑システム(MALS)」を採用した最新鋭の船ですので、できればこちらの方に…と感じたものでしたが、MAKIKYUの乗船日は残念ながら「フェリーあけぼの」の就航日でした。
しかしながら「フェリーあけぼの」も2008年就航開始の比較的新しいバリアフリー対応船、それも離島航路にしては破格の大型船です。
鹿児島~沖縄間を乗り通すと丸1日を要する事もあり、食堂やシャワー室も備えているなど、設備的にはかなり充実した部類に入りますが、鹿児島~沖縄航路で就航する4艘の中で唯一、2等寝台の設備がないのも特徴です。
徳之島(亀徳)からこの「フェリーあけぼの」に乗り込むと、まず案内所や売店などがあるエントランスホールにたどり着き、その後各等級の客室へ至る造りは、共同運航を行っているマリックスラインの「クイーンコーラル8」などと同様ですが、同航路に就航しているマリックスライン運航の「クイーンコーラル8」に比べると、やや地味な印象を受けたものです。
2等乗船券の途中下船後に再乗船する場合は、基本的には2等客室を利用する事になるのですが、この客室は長距離フェリーでは一般的なカーペットの大部屋ながらも、1人ずつ区画が区分された簡易パーティションが設けられている辺りは、新しいフェリーならではと感じます。
また途中下船後の再乗船でも、空席がある場合は差額精算で上級客室へのランクアップも可能で、案内所で2等洋室の空席を訪ねたら「有」との事でしたので、MAKIKYUは+2000円で2等洋室を利用したものでしたが、その際にはカーボン複写式の「船内発売乗船券」による差額料金券も発券されます。
(残念ながら下船時に回収となり、手元には乗船券の写真しかないのですが…)
2等洋室は窓なしながらも、JR寝台特急の開放室B寝台レベルの設備を+2000円で利用できますので、個人的には夜行利用で空席があるならば、多少の差額を払っても是非利用したいと感じたものですが、途中下船制度利用の場合は事前予約不可、当日の空席次第と言うのは少々惜しい限りです。
差額精算でランクアップした2等洋室に荷物を置いた後は、外がまだ明るい事もあり、しばらくはデッキなどに出て船旅ならではのゆったりとした一時を過ごしますが、乗船時は丁度雨上がりだった事もあり、虹が見られたものでした。
デッキの一部が木床となっている辺りも、南国を就航するフェリーらしくて好印象ですが、上部デッキは柵で仕切られて一般乗船客の立入不可となっている区画が多く、この点はマリックスラインの「クイーンコーラル8」に軍配が上がります。
そして日が暮れる頃には食堂の営業時間となり、それ以外の時間はフリースペースとして開放されている辺りは、マリックスラインと同様ですが、食堂のメニュー(マルエーフェリーはHPなどでの公開なし)は、マリックスラインに比べると品数の点で見劣りが否めません。
冷凍食品の自販機なども含め、随所に「米は、国産米 を 使 用」という標記が見られるのは、沖縄への往路に乗船したフェリーきかいや琉球エキスプレスなどと同様ですが、食堂に関してはもう少し健闘して欲しいと感じたものです。
しかしながらマルエーフェリーでは、HPでも最近になって船内食堂で沖縄そば(500円)の取り扱いを開始した旨が発表されており、マリックスラインの鶏飯などと同様に、手頃に堪能できるご当地メニューをもう少し早くから取り扱っていれば…と感じたものです。
また食堂の品揃えと言う点では、マリックスラインに比べると見劣りが否めないものの、食堂の空間自体は軽食コーナーと言った印象が否めなかったマリックスラインの「クイーンコーラル8」に比べると広くゆとりある空間と感じたものです。
食堂営業終了後に持参の弁当等で夕食を済ませた後は、外も真っ暗となり、景色を堪能するのも…という状況で、奄美大島・名瀬港の入出港時以外は船室で体を休め、翌朝の鹿児島到着を待つ事になります。
そして翌日目が覚めると既に船は錦江湾に差し掛かっており、まだ首都圏とは程遠い地に居ながらも、既に「帰ってきた」という心境になるのは、韓国旅行帰りの高速船から博多湾や福岡の街並みを眺めるのと似た気分で、奄美諸島や沖縄は「遠い」事を改めて実感させられます。
(鹿児島市内からは、同一県内の奄美大島・名瀬までの約380kmでもフェリーで丸半日、移動距離数4桁kmになる東京でも新幹線乗り継ぎで7時間程度、まして沖縄ともなれば奄美大島の倍程度の距離と時間を要しますので、その道程は海外旅行に匹敵するレベルです)
既に何度も足を運んだ事がある鹿児島市内に到着した後は、当日中に新幹線で博多、そして首都圏へと移動して無事帰還、記念すべき日本国内47都道府県訪問達成を果たした初の奄美・沖縄訪問は幕を閉じたものでした。
4月の奄美・沖縄旅行では雨天の日などもあり、まだ春先でも…と感じる程の南国特有の湿度や、陽射しのきつさを実感させられる事もありましたが、海況は安定しており、フェリーの欠航や大幅な遅延がなかっただけでなく、どの航海も快適な船旅を堪能できたのは、非常に良かったと感じています。
鹿児島~沖縄航路の途中下船制度も、途中の奄美諸島の島々に立ち寄れるだけでなく、旅程次第ではマルエー・マリックス2社のフェリーを乗り比べる事ができるのも魅力的と感じたもので、共同運航を行っている関係で基本的なスペックは類似しているものの、両者で色々差異が見受けられる点も興味深いと感じたものでした。
MAKIKYUの周囲では、MAKIKYUが奄美・沖縄から帰還した後に、千葉県内某所から某スターとやらで沖縄へ足を運んだという話も聞いているのですが、話を聞くと「安かろう悪かろう」の極みと感じ、いくら激安価格でも不要不急の旅行ではとても…と感じたものです。
私用で再び奄美・沖縄へ足を運ぶ機会があるならば、首都圏~鹿児島間のJR利用と組み合わせ、基本的に毎日就航しており、使用船舶の設備も充実している鹿児島~沖縄航路に再び乗船できる機会が…と感じたものです。
その様な機会が巡ってくるならば、今度はフェリー波之上かクイーンコーラルプラスのいずれか、もしくは両者の乗り比べができれば尚の事と感じますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も奄美・沖縄方面へ足を運ぶ機会がありましたら、是非マルエーフェリーかマリックスラインの利用を検討してみては如何でしょうか?
(追記)MAKIKYUの乗船時点では存在していた途中下船制度は2015年に廃止され、現在は途中の島々で一旦下船する際は乗船区間毎の乗船券購入が必要となっています。
我孫子の伊東です!
マルエーさんトコの船は板張りウッドデッキが客船
みたいで良いですね。実際に長時間デッキで海を
眺めるコトが多い私ですが、足の疲労度合いが格段に
違うのを実感できます
さて、丁度同じシーズンに那覇-鹿児島を乗船して
おりますが私はクイーンコーラルプラスを選択。
南海の女王こと(え、誰も呼んでない?)QC+は
終点の鹿児島までの乗客と、離島航路の乗客を
別フロアに分けておりバタバタと騒がしい事がなく
快適でした。
紺碧の与論島には洋上の楽園パシフィックヴィーナス号が
停泊中で益々旅のテンションUP~
大浴場と呼ぶには控えめながら湯船の浴槽で南海の
海原を眺めながら一風呂浴びるのは正に極楽でした。
名古屋-苫小牧の太平洋フェリーにも負けないくらいの
女性アテンダントさんが船旅に花を添える感じで
大変に良かったです
マリックスのテーマソングが素敵でCDも買いました
鹿児島港で下船した後には引退迫るトッピー達の
活躍を眺めました。
トッピー1は東海汽船に、トッピー7は隠岐汽船に
それぞれ売却されますね。末永い御活躍を祈ります
こちらが4月に沖縄へ足を運んだ際には、仕事の公休割+有休確保に加え、奄美→沖縄間を夜行移動(=琉球エキスプレス運航日)でき、土日に沖縄滞在できる事(土休日限定バスフリー乗車券利用+日曜午前の古参車稼動狙い)と、日程を最優先にしたため、鹿児島~沖縄航路はQC8とフェリーあけぼのの乗船になりました。
できる事なら2社の目玉船と言えるQC+かフェリー波之上に乗船できれば…とも思いましたが、これは再び奄美・沖縄方面(韓国よりも遠く行き難い地ですので、再訪の機会があるか否かも怪しいですが…)へ足を運ぶ際のお楽しみにしたいと思います。
この航路の途中で寄港する与論島は、かなり鄙びた雰囲気の島ですが、停泊中などに眺める海の色は、奄美大島や沖縄と比べても別格で、一見の価値ありですね。
またジェットフォイルは売船移籍が多く、同一航路・事業者のみで活躍する船の方が…という状況ですが、BEETLEやセブンアイランドなど幾つかの航路で乗船しているこの船も、国内最大規模で運行している種子島・屋久島航路はまだ未乗→両島も未訪ですので、機会があればこちらも足を運べれば…と思っています。