昨日は長野地区でデビューしたばかりのジョイフルトレイン「彩(いろどり)」について取り上げ、この「彩」の種車には国鉄時代から活躍している特急形車両の485系が用いられていますが、「彩」への改造前は快速「くびき野」で使われていた車両で、今日は「彩」への改造前の姿でもある快速「くびき野」について取り上げたいと思います。
快速「くびき野」は以前運行されていた急行「赤倉」→特急「みのり」を快速に格下げした列車で、現在は新潟~(信越本線経由)~新井間を運行し、県都新潟と上越地区を結ぶ足として3往復が運行されていますが、快速格下げの際には一般車両への車両変更は行われず、特急時代同様の485系電車が用いられ、それでいて乗車券・定期券のみで特急券不要・期間限定とはいえ格安な青春18きっぷでも乗車可能な乗り得列車となっています。
そのため快速「くびき野」は運行開始以来かなりの盛況となっている模様で、運行開始以来暫くは普通車のみの4両編成で運行され、北海道向けに製造されたものの冬季の余りの厳しさで北の大地からの撤退を余儀なくされ、前面運転台上のライトが2連になっている事が特徴の希少な1500番台車が先頭に立つ編成だった頃にMAKIKYUも一度だけ乗車した事があり、写真はその時のものです。
近年では盛況に応えて編成が新潟地区で運行されている特急と同じ6両編成に変更され、編成変更後はグリーン車指定席が組み込まれ、普通車にも指定席が設定されているのも特徴で、これも快速列車としては異質の存在で興味深いですが、以前の1500番台を組み込んだ4両編成は編成組換の上で昨日取り上げた「彩」へ改造されていますので、現状では写真の姿を再び見る事は出来ません。
ちなみにこの列車が特急車両を使用しているにも関わらず、快速列車として運行されている理由としては、新潟地区で使用している一般形電車は115系のみで、これでは改造しない限りは設備的に乗車時間2時間以上の列車には適さない(他に新潟周辺では新型車両もありますが、これはワンマン用の通勤型電車で設備的には尚更不適です)状況で他に適当な車両が存在しない事や、新潟~上越(高田・直江津など)間や長岡~上越間で割安な高速バスが運行されており、特急料金を徴収すると運賃が割高になってしまう事(これは企画乗車券発売である程度の対策を講ずる事は可能ですが…)、また一部列車は通勤通学時間帯に運行されるため、この時間帯に別個で普通列車を設定するよりも賢明であることなどが考えられます。
本来であればこの列車には新潟地区で多数が活躍し、編成増結や予備車の確保も容易な115系電車を、現在進行中の更新工事の際に一部を「くびき野」用として岡山や広島地区の同系で最近更新された車両と同レベルの座席に交換して運行するのが最も得策の様にMAKIKYUは感じ、これなら他のローカル運用でも難なく使え、他の新潟地区高速バス競合区間でも有効な対策となる気がしますが、何故か東日本ではこの手の車両はなかなか出てきません。
そのため特急形車両の485系で運行されていますが、この車両は特急用車両で扉が片側1箇所の片開扉、それも幅の狭いタイプで乗降性に問題がありますので、何らかの対策が必要な気もします。
(車両も古いですので、485系が使われる期間もさほど長くない気もしますが…)
ただ特急形車両を使用しているという事は、上記に記した問題点もあるとはいえ、
快速としては非常に乗り得な列車である事には変わりなく、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も新潟地区へ行かれる機会がありましたら是非オススメしたい列車の一つですが、皆様は如何でしょうか?
こちらはくびき野には写真の編成が運行されていた時に一度乗車しただけですが、お二方共かなり乗車されている様ですね。
また特急料金徴収の件ですが、確かにグレードアップされたくびき野の座席はかなり快適でしたので、それより劣る車両を特急で使用、ましてくびき野が走る区間での北越というのはこちらも頂けない気がします。
この様な状況なら北越はせめて急行(快速でも充分ですが…)に格下げするか、くびき野を急行or特急に格上げしつつも九州の2枚きっぷの様な高割引企画乗車券を設定し、往復利用では普通列車程度の運賃負担にするなどした上で、定期券でも料金追加のみでライナー感覚の利用が可能にする施策を行うなど、整合性をとる必要があるかと感じます。
とくに「北越」は新潟~直江津間で併走していますが、「くびき野」より時間が10分程度速いだけで、停車駅も1駅少ないだけ、車両は同じで「くびき野」のほうがグレードが高い場合もあるので、これでは何のために高い特急料金(新潟~直江津間自由席で1770円)を取っているのかわかりません。下手すると簡易リクライニングシートの車両が特急に入る場合もありますし…。