最近、AXNミステリー・チャンネル(560ch)の“ヴェラ--信念の女警部”をよく見る。
この番組は、もう何度か放映されているが、実はぼくはほとんど見ていない。
1、2回は見たのだが、主人公ヴェラ役の女優の声が苦手で、話に入って行けないのである。
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ところが、最近のAXNミステリーは、やたらと日本の旧作を放映したり、コロンボを延々とやっていたりして、見る気が起らなかった。
そこで、しかたなく“ヴェラ”を見るようになったのだが、見ているうちにだんだん気に入るようになった。
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舞台がいい。
イングランド北東部と紹介されているが、実際の場所がどこかは、ぼくには分からない。
しかし、5年前にイギリスを旅行した際に、エディンバラ(ウェーバリー駅)からシェフィールドに向かう鉄道の車窓から、進行左手に見えていた田園風景と、その向こうに時おり見ることができた北海の風景が蘇ってくるのである。
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5年も経つと、こんな風景を見ることができるだけで、ヴェラのあの声や若い刑事に向けて放つ嫌味も許されるようになった。
バーナビー、もう一人のバーナビー、オックスフォード・ミステリーなど、再放映、再々放映は、どれもほとんど既に見たものなので、ストーリーは忘れていても、印象的な人物や殺人現場などが登場すると、「あ、こいつが犯人だったな」と思い出してしまうことが多い。
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それに対して、ヴェラはこれまでほとんど見ていなかったので、いずれも初見のため、素直にストーリーを追うことができるのである。
もっとも、最近は放映されなくなってしまったが、“メグレ警部”(ミスター・ビーンではなく、ブリューノ・クレメールのもの)は何度見ても、その雰囲気を楽しめるので、また放映してほしいものである。
2019/9/30 記