チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「Tell Me Everything 」エリザベス・ストラウト

2024年10月27日 | 

晴、20度、73%

 日本でも数冊翻訳が出ているが出ている「エリザベス・ストラウト」の九月十日刊行の最新刊を読みました。「Tell Me Everything 」誰が誰に全てを話すのかしら?と手に取りました。

 舞台はアメリカ北部の州の街、「オリーブ・キタリッジ」に始まったこの街の人々の話です。もちろん「ルーシー・バートン」も出て来ます。オリーブとルーシーの出会いの橋渡しをしたボブが今回のメイン人物です。オリーブはすでに90歳近く、ルーシーは65歳を過ぎています。ボブはルーシーより数歳年上。私には馴染み深い年齢です。

 話の筋は街に起こった殺人事件の弁護人をボブが引き受けることから始まります。推理小説ではありません。街に起こった殺人事件、オリーブ、ルーシーはそれをどう受け止めたのか。ルーシーの夫ウィリアム、ボブの妻のマーガレットとの夫婦関係も交えての展開です。アメリカの離婚率の高さは広く知られています。離婚再婚を繰り返すと家族関係はより複雑になります。小さな街、大きな街関係なく人が住むところに起きうる事件,人の営み、知られざる人ひとりひとりの人生があることをルーシーは思いを巡らせます。もちろんオリーブは年齢からもそのことを体で知っています。

 「Life is Life」という言葉が随所に出て来ました。人は語らないけれど人生があり、そこには夢や愛があり、落胆や失望や困難が待ち受けている、それを乗り越えるために愛や友情が彩りを添えてくれる、そんなことをこの本は改めて教えてくれます。

 「Tell Me Everything 」はアメリカのブッククラブの推奨を受けています。68歳エリザベス・ストラウトの若い時の作品から一貫して流れる人間愛、間違いも欠点も含めてその人なんだと言っているようです。自分を顧みて励まされます。家族の愛があり、生きて来た思い出があり、これから病に患うことがあっても、老いを迎えても私は私の語らない人生を持っています。エリザベス・ストラウトの本は4冊目です。アメリカの作家の持つ直裁的な表現がスッと入って来ます。この本は和訳が出てくれると思います。

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つるとはな。ミニ?

2024年10月15日 | 

晴、24度、87%

 パンデミックを境にたくさんの雑誌が廃刊しました。この「つるとはな」もその頃書店から姿を消しました。7年ぶりの刊行です。もともと定期出版ではなかったかと思います。

 雑誌「クウネル」の初代編集著「岡戸絹枝」さんと「芸術新潮」「考える人」の前編集長「松家仁之」さんが作った雑誌です。岡戸さんの編集長時代の「クウネル」松家さんが編集長時代の「芸術新潮」は今の「クウネル」「芸術新潮」とは趣が違いました。骨太な雑誌でした。編集長が代わると雑誌そのものの方向性が変わります。編集長を辞められたとき私は大いにがっかりしました。このお二人お歳も私年代です。お二人が創刊した「つるとはな」、楽しみにしていました。確か5巻ほどで休刊されています。

 私は雑誌人間です。ところが最近「ときめく」雑誌に会いません。海外の雑誌は電子版で配信されて来ます。紙の雑誌の方が好きです。本の作り、グラビアの取り方、もちろん内容も.紙の方が作り手の意図がはっきりしています。

 最新号の「つるとはな」は小さく「人生の先輩に聞く」というサブタイトルがついています。私たち年代の馴染み深い方達の今が書かれています。有名な方を初め、お名前も知らない方だけど90歳近くなると歩んできた道の重さを背負っている人たちです。私にとってはこれからの自分の先を照らしてくれます。

 ページをめくりながら以前の「クウネル」を思い出しました。いい雑誌でした。以前の「芸術新潮」も筋の通った記事をたくさん読ませてもらいました。その頃より私も歳をとりました。だからかな?この「つるとはな」少し物足りなさも感じます。雑誌は2時間ぐらいで読み終えます。もらうものが多い時は充実の2時間です。「つるとはな」、扱いがない書店があるそうです。発行数を抑えての出版のようです。Amazonでその日のうちに届けてくれます。

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「満月珈琲店の星詠み」望月麻衣 英語版

2024年10月05日 | 

晴、19度、77%

 毎月送られてくるアメリカの出版社の新刊案内にこの本を見つけました。日本の本の英語訳です。恥ずかしいことにこの作者も本の題名も知りませんでした。現代日本人作家の作品の英訳が増えて来ています。それでも新聞などでよく目にする作家の作品が多いと感じていました。この本を注文したのは「なぜ、外人の訳者が英訳本を出そうと思ったのか?」それを知りたいと思い注文しました。イギリスの初めて目にする出版会社から出ています。

 満月の夜にしか出ない珈琲店は占星術を解く「猫」たちが店をやっています。そこを訪れる人は「猫」の占星術の話を聞いた後、それぞれが新しい自分の道を開くという話です。実はその人たちは遠い昔、同じ一つの体験記憶がありました。日本語での出版が2020年ですから、話の筋を改めて私が書くまでもありません。「猫の恩返し」です。食べ物やクラシック音楽、若い女性が好む背景です。

 訳者はJESS KIRKWOOD 、年齢は分かりませんが女性です。この本の日本語版を読み何に惹かれ、何を伝えたくて英訳したのか?「猫」が喋り、店を営むファンタジックなところでしょうか?占星術の面白さでしょうか?日本の現代女性の嗜好を伝えるためかしら?

 登場人履が一線に並ぶのは以前に「猫」を助けたことです。それぞれの行き詰まりを持った人たちを「猫」は占星術を持って心を未来を開いてくれます。こういう発想は日本的なのかしらとも思います。そしてそこが魅力な本でした。

 現代日本人作家の本が各国語に訳され世界に広まることは喜ばしいことです。

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「WISH YOU WERE HERE」ジュディ・ピコー

2024年09月24日 | 

晴、21度、77%

 ほんの数年前のパンデミック、いったい何だったのでしょう?

 パンデミックが始まったばかりのニューヨークが話の舞台です。自分が罹患したとは知らずに救急車で病院に搬送され、10日間の集中治療後、生死の境から生還する女性の話です。コロナ当初のニューヨークのことはテレビが度々流していました。たくさんの人が亡くなり葬儀もままならぬ状態で、遺体安置は冷蔵トラックが担っていた悲惨な状況でした。日本でも外出禁止、マスク着用と国からのお達しでした。

 医学的なことはわかりませんが、主人公の女性は10日間、集中治療室で手当を受けその間、昏睡状態でした。そして寝ている間、夢を見続けました。目が覚めて、自分がなぜ病院にいるのかすら思い出せません。夢はパンデミックが始まる前、医者のフィアンセとバカンスに行く予定だったガラパコス諸島に彼女一人で出かけて帰る術がなくなり島で過ごした3ヶ月です。夢という言葉は適切ではないと思います。寝ている彼女は実体験のような3ヶ月を目覚めてからも確かに記憶しています。ガラパコスの景色、そこで出会った人、亀やフラミンゴ、イグアナ。初めてのガラパコスです。彼女にとっては夢でなく実体験だと思うのですが、医師たちも取り合ってくれません。そして何より彼女自身が夢ではなく自身の経験として忘れられずにいました。

 コロナの症状以外、集中医療、薬物からの影響で後々までも苦しむ人が多かったことは、日本でも詳らかにされていません。今もなんらかの症状を抱えている人がいるはずです。

 彼女はセラピストを頼り、友人、フィアンセを頼り、心身ともに回復します。でも、彼女な中にはガラパコスで過ごした自分が生きていす。現存の自分を超えて幻想と言われても昏睡状態で経験したガラパコスでの経験が息づいています。フィアンセとは微かなギャップで別れます。パンデミックが終わり、旅が出来るようになって彼女はガラパコスに向かいます。初めてのガラパコスです。夢で見たガラパコスではありません。自分の足元を見る旅です。話はそこで終わります。昏睡状態の中で出会った男性と巡り会うことができるか、読者は胸を躍らせます。

 私の周りには幸い重症なコロナの人が一人もありませんでした。家族を亡くされた方たち、いまだに後遺症を抱える人たちがたくさんいらっしゃると思います。コロナの原因はなんだったのでしょう?あの外出禁止の期間のことは私には薄雲がかかった思い出です。

 

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「針と糸」 小川糸

2024年09月08日 | 

晴、26度、81%

 何かの書評で「小川糸」さんは母親との確執がありそのことを書いた本が「針と糸」だと知りました。始めて読む作家の本です。新刊ではありません。「小川糸」さんの「食堂カタツムリ」は以前に映画で見た記憶があります。その後、動物の名前を本の題名にした新刊を幾冊か見ましたが、一度も手にしたことがありませんでした。

 母親との確執を題材にした本はたくさんあります。母娘の関係は一言では括り切れないものがあります。本当に仲の良い母娘だと思っていた方から「実は母に苦しんでいました。」とお聞きした時は大層驚いたものです。母親は概して娘を支配したがるように思います。子供の数にもよります。兄弟、姉妹がいるいないかもこうした母娘の確執に違った様を表します。この私もそうした感情を小さい頃から母に持ち続けてきた一人です。11年前に母が逝った後ですら心の底から母を嫌いでした。最近です、その重い心が少し揺らぎ、冷たいものが溶け始めています。そう思うのも束の間、また黒い雲が心を覆います。

 この本を読み始めて初めて「小川糸」さんの写真を開けました。私より16歳お若い方です。年齢、育った環境も知っておくと本を読み進む上で背景が見えてきます。まして、ご自分のことを書かれたものなら尚更です。「小川糸」さんのお母様は7年前にお亡くなりになったそうです。癌を患い認知症も進むお母様を見ながら、「母を愛おしく思いました。」と綴られています。お母様からは亡くなる前に「こんな母親ですまなかった。」と言葉をもらったそうです。お母様が亡くなる前に「小川糸」さんは心の氷が解けた方でした。そのことに安堵しました。いつまでも暗く冷たい感情を抱えているのは辛いものがあります。

 この本は当時お住まいだったベルリンの話、犬の話にもページを割かれています。読みやすい文体、言葉選びも書かれている内容もすんなりと心に落ちる作家です。

 初めて手にしたの本から、一気にその作家の本を読み漁ることがあります。なにぶんにも30年日本を離れていました。若い作家の本を知りません。「小川糸」さんの本はこの1冊で十分です。

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「小さな建築」隈研吾

2024年08月23日 | 

晴、30度、82%

 建築物、大きいもの小さいもの、新しいもの古いものどれも興味深く観ます。公共の建物、商業施設、民家、私はどれもに建てた人の反映を見ます。

 2013年に発行の「小さな建築」、隈研吾の本です。建築の歴史は大きな自然災害を契機に発展、変化を遂げているという視点で書き進められています.そしてご自分の美観でしょうが、大きな建築は醜いと書かれていました。隈研吾の建造物は確かに大きさを誇るものではありません。2013年という年でお分かりかと思いますが、2011年の東北地震がこの本を書くきっかけだったのではないかと想像します。

 昔は大火災で街が焼け野原になりそこに人間は次々に大きな建造物をつくりました。それは東京に限ったことではなく、パリやニューヨークでも同じだそうです。大きさを競う根元には建築素材のコンクリートや鉄材の量産が貢献します。建築家は大きさ、形、外観に奇抜を好むように思います。そこは「小さな建築」という隈研吾も同じです。「大きな建築」の中にある「小さな建築」は目を惹きます。隈研吾の建築の本は素人の私にも読みやすく、いつもたくさんのことを教えてくれ「建築物」への思いが深まります。

 振り返って自分住むこの家を見ました。築100年近く、耐震設計なし。床下に潜れば柱の基盤は「石」です。屋根裏に入れば大小の「梁」が釘を使わずに接続されています。地震が来ればペシャッと潰れそう、火事に遭えばすぐに燃えるでしょう。「小さな小さな建築」です。

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「はじまりの谷」丸橋賢

2024年08月21日 | 

晴、31度、76%

 新聞の新刊の紹介で気になる本がありました。本屋に行かなくなって数年、プチンと押したら翌朝、ポストに入ります。

 作者は80歳で初めての文壇デビュー、昭和の初め頃の上州の山間の話です。小学校に上がる前の少年と村の老人との交流が描かれています。この本を手に取りたいと思ったのは、「昭和」の匂いを嗅ぎたかったからです。「昭和」の山の暮らし、人の営み。AI、ジェンダー、スマホなどが出てこない「昭和」の話を読みたいそんな気持ちでプチんとしました。

 動物の生死、子供から見る大人の穢さ、老人の動かない大きさに支えられ少年が成長して行く七話の短編集です。作者丸橋賢さんは歯科医師だそうです。ご自分の専門分野の本も出していらっしゃいます。文芸作品はこの本が初めて、そんな作者の背景も本には大事な要素です。主人公の少年にご自分を重ねる、いえ、当のご本人の思い出かもしれないと読みました。いい話です。ところが上州の自然も少年の心の動きも何か一つ迫ってくるものがありません。香り、匂いが伝わってこないのです。山を抜ける風の音も動物の小さなうめきも、耳に届かない。全て描かれているのに彷彿とさせるものがありませんでした。失礼ですが、持っているののを表す言葉が素直過ぎるのだと思います。

 本の帯に「映像化」と書かれていました。映画になった「はじまりの谷」を想像します。上州の山の緑、野生の動物、少年、老人。やっと私の中でこの「はじまりの谷」が色付くのを感じました。

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「MAD HONEY 」ジュディ・ピコー

2024年08月17日 | 

晴、28度、82%

 日本でジェンダーというと男女差をなくす、また「同一性結婚」などが取り上げられますが、もっと奥の深いものがあるのを知りました。男の子に生まれながら「男性」であることを受け入れられない、そして「女性」であると信じて「性転換手術」で「性」を変えることがあるのは知識では知っていました。アメリカやタイではそうした「トランス」と呼ばれる人たちが多いそうです。一見、女性に見えても元は男性。男性に見えても元は女性。「性転換手術」は身体を作り変えます。女性に転換した場合は子供が産めないと言うだけの身体を作るそうです。

 女性の身体になった「トランスジェンダー」の女の子が死体で見つかりその交際相手であった男の子が犯人として疑われる話です。殺されたとされる「トランス」のリリー、犯人と疑われるアッシャーの母の二人の追憶形式で話が進みます。「サスペンス」とこの本はカテゴリー分けされていますが、裁判シーンも多く最後に犯人が分かるまで一気にストーリーの展開の面白さを味わえました。

 日本は社会体質から「性」のことは伏せてしましがちです。アメリカも自分から「トランス」だと言う人は少ないそうです。アメリカやタイでは数の多さは日本の比ではないはずです。実際に自分の「性」に悩んでも「性転換手術」にまで及ぶ人が少ないのかもしれません。今後日本も「トランス」と呼ばれる人が表立ってくるような気がします。

 ジュディー・ピコーはずっと気になっていた作家です。彼女の最新作がこの「MAD HONEY 」です。かなりの数の著作があります。日本でも数冊翻訳が出ています。「MAD HONEY」は最新作、和訳が出るかどうかわかりません。昨日のランダムハウスのベストセラーでもこの本が紹介されていました。 

 国が違っても人間であることに変わりはありません。「ジェンダー」「トランス」のことが日本でも取り沙汰される日が近いように感じます。この物語、主人公のアッシャーもリリーもまだ10代です。その設定も「ジェンダー」の悩みを抱えてるからこそだとわかります。サスペンスとして読めば筋立ての良い話でした。

 ジュディ・ピコーの旧作が届くのを待っているところです。

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カズオ イシグロ「THE SUMMER WE CROSSED EUROPE IN TAHE RAIN」

2024年05月22日 | 

曇、19度、89%

 4月30日、カズオイシグロの新刊が出ました。予約注文の時、いつもと表紙の感じが違うなと思い到着を待っていました。

 届いた本をめくると、イラストと詩で構成されています。カズオイシグロがアメリカのジャズシンガー「ステイシー ケント」に作り送った「歌詞」16編が収められています。彼がステイシーに歌詞を書き送ったのは数年前、ステイシーは贈られた詩のいくつかをレコーディングしています。イシグロの本に先立って、「ステイシー」の新しいアルバムが発売されています。 全ての歌詞が「カズオイシグロ」による16曲です。

 「カズオイシグロ」の本を初めて手に取って30年以上経ちました。今でも香港のアイスハウスストリートにあった洋書店で日本人の名前の背表紙を見た時の感動が忘れられません。求めたのは邦題「日の名残り」でした。彼の本は全て読んでいます。ノーベル賞を取ってからは馴染み深い作家になりました。「カズオイシグロ」は音楽家になりたかったと何かで知りました。作品の隅々に「音楽に造詣がある」と感じます。数年前には黒澤明の「生きる」をリメイクした映画も作っています。イギリスに舞台を写したこの映画も素晴らしい出来でした。「カズオイシグロ」は映画にも精通しています。

 この数日、「ステイシー」の歌声を聞きながら、「イシグロ」の書いた歌詞を読み直しました。ステイシーの細い歌声、心地よく響きます。映画「カサブランカ」を下地に書いたと思われる歌詞、フランスの男優「ジャンギャバン」を歌った歌詞、映画「インドシナ」の「カトリーヌドヌーブ」を歌った歌詞。それぞれを彷彿させる歌です。本、レコードの題名は雨のヨーロッパを旅するとなっていますが、日本の「新幹線」を歌い込んだものも入っています。

 翻訳が出るのかどうか?わかりませんが、「ステイシー」の歌声と共に「カズオイシグロ」の歌詞を読んでみてください。珍しく晴れた天気が続きました。雨のヨーロッパではありませんが、余情ある歌の数々でした。

 

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「おさんぽステッチ」エルメスの絵本

2024年03月13日 | 

雨、8度、75%

 ここ半月、久しぶりに針を持ってチクチク。親指の力が若い頃のようにしっかりしていないので歩みの遅いチクチクです。 針を持つのが好き、雨の日が多いので針を持つと尚更落ち着きます。

 刺し掛けの大きな刺繍枠をテーブルに出したまま買い物に出かけました。本屋さんの前を通ると積まれたプロモーションの本の「ステッチ」の文字が目に飛び込んできました。絵本です。パラリとめくりました。改めて表紙を見ると「エルメスの絵本」と書かれています。あのエルメスです。立ち読みしました。

 革職人のおいじさんの元に「犬」が首輪を作って欲しいとやって来ます。その犬と一緒におじさんは散歩に出かけます。そこで出会う動物たちにおじさんはバックや帽子、服を作ってあげる話です。表紙の色は「エルメス」のハウスカラーのオレンジ、作者は「100%ORANGE」フランス人かな?本屋の店先で調べたら、日本人のご夫婦のイラストレーターだとわかりました。「おさんぽステッチ」は日本のエルメスが作った本でした。ちょっと迷いましたが家に持ち帰りました。

 珍しく本屋で本を買いました。本を抱えて家に向かう気持ちは最高です。家に帰って刺繍道具散らかったテーブルで一番好きなシーンを開けました。 おじさんと「犬」は散歩の途中でペンギンに会い、おじさんはペンギンにスカーフを作ってあげます。空を飛ぶためのスカーフです。この絵が好きです。流氷が浮かぶ海の周りにペンギンの模様。「このスカーフが売り出されたら、買いたい!欲しいな、このスカーフ。」このページを開いたまま、チクチクと刺しています。

 「犬」はおじさんのお店を手伝うようになりました。 そしておじさんはこの「犬」に「ステッチ」と名前をつけました。

 何のことないお話ですが「ペンギンのスカーフ」が気に入って買ってしまった「エルメスの絵本」です。裏表紙は布張り、エルメスらしいこだわりです。エルメス好きな友人にこの本の話をしました。この続編でそれぞれの動物の話が出版されているとのことです。友人も探しているけど「エルメス」の直営店でしか売られていず、すでに完売だそうです。ペンギンの話の続きが読みたいと思いますが、思い続けていると手に入るものです。本よりも「ペンギン柄」のスカーフが欲しい。

 

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