雨、19度、94%
3年前帰国してすぐの春は、目にするものが何でも珍しく春の保存食を手当たりに作りました。八百屋さんの店先に梅が並ぶと飛びつく、らっきょうが出ると即買う。そうして初めて作ったらっきょう漬けでした。らっきょうを「下漬け」している頃に八百屋さんには大きなしかも私の買ったらっきょうより随分値のいいらっきょうが出ていました。産地が「鳥取砂丘」です。八百屋さんの話では値段通り味、歯応え共に違うと知りました。
翌年から「鳥取砂丘」のらっきょうが出るのをじっと待ちます。歯応えが違うのか味がいいのか実際のところさして比べる材料がないので私ははっきりとは分かりません。わかるのは大きさです。確かに大きい「鳥取砂丘」のらっきょうです。しかも漬けたのは大半主人が召し上がります。
出ました、出ました「鳥取砂丘」のらっきょう。売り出されるとわかっていたスーパーに朝一で行きました。にも関わらず「鳥取砂丘」のらっきょうをお目当てな方と奪い合いのような形でやっと3袋手に入れました。 開店後5分で完売した「鳥取砂丘」のらっきょうです。
ゆっくりと時間をかける「本漬け」で漬け込みます。簡単ならっきょう漬けなら明日からでも食べられるそうですが、時間をかけて発酵を進めたらっきょうの美味しさは違うと思います。根と芽を切り薄皮ををザブザブ洗い流します。 およそ3キロです。これを瓶に入れ塩水で発酵させること2週間。2週間後に塩抜きをして甘酢に漬け込みます。
らっきょうは大好きですが匂いが強くて自分の排泄物も匂うように思い食べなくなりました。根と芽を切っただけの作業なのに台所中、らっきょうの匂いが充満していました。2週間の発酵作業中、時折瓶を振ります。時折、中のガス抜きもします。ぷくぷくと白い泡が出て来て発酵臭がし始めるのは5日ごろからです。
甘酢に漬けて1週間もすれば食べれるのですが、我が家はそれから1年寝かせます。飴色になる一歩手前のらっきょうになるまで待つのです。待つのは私ではありません。主人です。
小さい瓶は2年前のらっきょうがまだ少し、大きい方は昨年漬けて一度も蓋を開けていない今年食べるらっきょうです。
梅仕事は初めの一年で辞めました。私「梅干し」が苦手です。「梅酒」は甘すぎます。次に作るのは「山椒の実」の塩漬けです。この季節待ったなしでやってくる保存食作りです。