雨、28度、92%
万年筆のインクがきれました。古いスポイドタイプの万年筆です。万年筆のインクは黒、ここ数年はパーカーのものを使っていました。香港島セントラルのいつもの本屋にインクを買いに行きました。随分以前はモンブランのインクの横長のボトルが好きでよく買ったものですが、今ではボトルの形は似たり寄ったり、インクの色も黒なら、青と違ってメーカーによってさして変わりばえしません。インクの棚は、カートリッジも含めて三段、パット目に入ったのが見出し写真の小さな入れ物でした。
見本なんて置いてません、しっかりと封がされています。振るとカラコロ音がするのでカートリッジと思います。花の絵からして、すみれ色かと思います。このすみれ色以外に2色ばかりありました。どうも、こんなものに弱い私です。横を見ると、同じエルバンと書かれたボトルのインクがあります。そうそう、今日は万年筆用のインクを買いに来たのです。忘れないうちに、 ひとつ。その横には、5つの小さなボトルのインクが入った容器があります。エルバンという名前からしても、書かれている説明からしてもフランスのもののようです。その5つのインク、 外から見ると同じ色に見えますが、5色でしかも香りが付いていると書かれています。容器の外から、クンクン。確かに微かにいい香りです。こういうものに、ひじょうに弱い私です。これもひとつ。
家に帰って早速、まずは5色の香り付き、 こちらは付けペン専用のインクのようです。付けペンのインクを万年筆に入れると、万年筆が詰まることがあると聞きました。それで、久々に付けペンを取り出してきました。緑、青、茶に近い赤、薄緑、黄土色のような黄色の5色です。蓋をとる度に、いい香りがします。
カートリッジはカリグラフィー用の万年筆に入れてみました。この小さな容器に小さめのカートリッジが6本はいっています。こちらは匂いはしません。書いてすぐは、薄いすみれ色ですが、しばらくして見るととても落ち着いたいい色に変わっています。白い紙に書いても、茶色がかった紙に書いても、しっくりと収まりの良い色です。
万年筆はパーカーのインクが残らないようにきれいに洗って、補充しました。パーカーの色に比べるとぐっと漆黒に近い色合いが出ています。あー、インクもメーカーによってこんなに違うのかと改めて思い知ります。
カラフルな色は好みではありませんが、このすみれ色のインクがこのひと月、私の毎日の筆記具です。落ち着いた色のせいか、嫌みがありません。流石に、手紙は黒のインクを使います。
エルバンはフランスの古いインクメーカーだそうです。香港では、このエルバンのインクは外のメーカーのものとほぼ同じ値段で売られています。一番好きな筆記具は、鉛筆。二番目がインクを使った筆記具です。インクひとつで、ちょっとした楽しみが増えました。