曇、23度、82%
国産小麦から作られた小麦粉はパン作りには向かないと言われてきました。それがこの10年ほどで国産の小麦から作られた粉でも美味しいパンが焼けるようになりました。日本の農産物の進歩です。小麦の産地北海道ばかりかここ福岡でも地元の小麦でパン用の小麦粉を作っています。
5年ほど前、「日本の小麦で作った強力粉でパンを焼きたい。」とブログに書きました。それを読んだ友人が、当時は高いものだった「ハルヒカリ」をたくさん香港まで送ってくださいました。嬉しかった。私が香港で国産小麦の強力粉でパンを焼くことが出来たのは、この友人のおかげです。国産小麦の粉で焼いた食パンは、もっちりときめ細やかに焼けました。
強力粉には食パンなどを焼くための粉とフランスパンを焼く粉では違います。北海道産小麦で作られた「TYPE ER」という強力粉でフランスパンを焼きました。今まではフランス産小麦から作られた粉を使っていました。まず粉の色からして違います。日本の粉は白。フランスの粉はやや黄味がかった灰い色です。仕込み水はフランスの硬水を使います。日本の粉は水をぐんぐん吸い込みます。フランスの粉の1割近くの多い水で捏ねました。塩もフランス産です。水を多く含むにも関わらず、捏ねていても手にベタつくことがありません。同じ量仕込んだのですが最終発酵では日本の粉の方が大きく膨らんでいます。
焼き時間もスランスの粉と同じにしました。焼き上がりはクープが大きく開いてはいませんが、ふっくらとしたパンが焼けました。持ち上がりがいい日本の小麦粉です。 クラムは十分に気泡を作っています。クラストも薄い。焼き上がりに必ず匂うのですがフランスパン独特の香りが薄いと感じます。お味も淡白です。小麦のしっかりした香りも味も少ないパンが焼けました。あっさりした味なので塩味が立っています。
こちらはフランの粉で焼いたパンです。日本の粉と比べて扁平に焼き上がります。しかし、小麦の香りと味がしっかりと感じられます。 全体を見るとクープはしっかりとエッジが立つのが特徴です。
小麦の産地によって粉の特徴が大きく変わります。アメリカやカナダの小麦の場合も日本の小麦と似通った性質を持っています。
毎朝、自分のためにだけ焼く小さなフランスパン、自分の好みに合わせて粉のブレンドをします。それぞれの粉の特徴を生かした割合、毎日焼き上がりの違う私のパンです。