小雨、25度、81%
我が家は,夫婦2人の時は殆どおうちご飯です。香港のようなところに長く住んでいますし、海外からのお客様もおいでになります。そんな折頂くお外でのご飯は,中華に限らずずいぶん美味しいものを食べさせてもらって来ました。動物保護からフカヒレの輸入が禁止されて数年経ちます。大好きだったフカヒレのスープですら,禁止される前にはもう沢山というほど頂きました。
先日も少しばかり大きな集まりがありました。バンケットほどの規模ではありませんので、暖かなお料理がそれぞれに配られます。久しぶりにお会いする方もいて,ワイワイと話も弾みました。ところが翌日になって,この私、昨晩何を食べたのかあまり記憶にありません。お祝いの席の選ばれたメニューのはずです。きっと、お料理よりも気を取られる事が多かったからかもしれません。
昨日その日に撮った写真の整理をしていました。百数十枚の写真の内、たった一枚だけ料理の写真があります。そうそう,このパパイヤのスープが非常においしかったんだわと思い出しました。人とご一緒の席では食べ物の写真を撮るのは控えています。食べかけて,慌てて撮ったパパイヤのスープです。
青い熟していないパパイヤは,東南アジアではスープの実として使ったり,サラダで頂きます。ところがこのパパイヤ,果物やさんで売っている食べるパパイヤです。青いパパイヤは八百屋さんで売っています。しかも熱々のこのスープ,一人にひとつずつ。宴席のスープでは,大きな冬瓜に彫刻をして取り分けてサーブするものもありますが,このパパイヤのスープは初めていただきました。
澄み切ったスープは微かに雲南ハムの香りがします。傘キノコやカニの身,もちろんパパイヤの実も入っています。ほんのりと甘みのあるこのスープが出て来たのは、丁度コースの半ば頃,口直しの意味があるのだと思います。スープの善し悪しはその店の料理を左右すると言われますが、ほんとにその事が分かって来たのはつい最近です。スープを沢山頂くと,その後の食事が進みません。出来るだけスープは控えめになんて思っていました。スープほど,胃腸を調えてくれ、お腹にも負担が少ないものはないと遅まきに気付いた次第です。
桃、パパイヤをお砂糖と水で煮たデザート「糖水」を思い起こさせるスープです。それにしてもこれだけの人数分の同じ大きさのパパイヤを見つけるのも、一斉に蒸し上げるのも,大きなレストランならではのお料理です。きっとこれはメニューには載っていないスープに違いありません。
高いビルの最上階のこのレストラン、ビクトリアハーバーが東西見渡す事が出来ます。翌日,ご一緒だった方から眺めとお料理が美味しかったとお言葉を頂いた時は,ホッとしたものです。