チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

夕日の景色

2015年07月31日 06時37分43秒 | 日々のこと

曇り,25度、90%

 22年ほどの間,午后の3時前に家を出て、夜8時過ぎに家に帰るような仕事をしていました。日暮れ時間は香港の人混みの中を移動中か,子供たちに数字の扱い方を教えていました。あの頃は、夕焼けなんて見たことないなあと言っていたものです。仕事を辞めて2年半、やっぱり夕焼けをまじまじと見る事はありません。モモさんの散歩から帰れば,夕飯の支度で大童。私ばかりではありません、家事を預かる女性なら、皆同じような夕方の時間です。ましてや小さな子供のいるお母さん、夕方子供の手をつないで空を見上げる時間もないほどてんやわんやのはずです。

 昨夕,いつものようにお散歩から戻りました。モモさんにご飯をあげて,ふと窓の外を見ると,バットマンが飛び降りたビルが夕日に赤く染まっています。あら、きれい。見出し写真向かって左が西に当たります。昨晩は主人は,深圳泊まり、夕飯の支度に急ぐこともありません。ビルの間から見えるビクトリア湾の対岸の九龍湾辺りのビルも夕日を受けて輝いています。 ビルのガラスの壁面が,ミラーマジックで様々な角度を写し出しています。遠くばかり見ていました。近くに目を移すと,すぐ側のビルの上にぼんやりと虹が出ています。 カメラを手にしていたので即座に撮りました。カメラから目を離すと,淡い空気の中にこの虹はすっと消えて行きました。ほんの僅かな時間の出来事。

 一人の夕飯の仕度を調えるにはそんなに時間もかかりません。ぼんやりと空を見ていました。少しずつ空の色が青みを帯びてきます。僅かにポッカリ浮かんだ雲が, 夕日の色を映しています。

 夕焼けも朝焼けも,短い時間でどんどん変化して行きます。

 夕飯を摂る前にお風呂に入りました。出て来ると,すっかり外は暮れています。散歩から戻って1時間も経ってはいません。件のビルは、 ネオンを灯しました。

 夕暮れも朝日の昇るのも,決して同じ物はありません。毎日毎日違います。そんな空を見上げるほんの数分,この数分を得る事が出来るのは、自分の心の中の余裕かもしれません。忙しいは言い訳、心の余裕が見せてくれた夕日の景色です。

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香港の保存建造物

2015年07月30日 05時47分43秒 | 香港

曇り、26度、88%

 香港の古い建物は,中国様式に西洋様式がアクセントになった様な物があります。建物自体は中華風なのに窓の切り方、ベランダの様子が西洋らしいもの。随分そんな建物を愉しんで見てきました。そうした低層の古い建物の保存が取沙汰されるようになったのは,意外にもごく最近の事です。法制化されていなかったのか,ある古いマンションなどは屋根が半分以上取り壊された段階で、保存建造物に指定されたケースもあります。そうかと思えば,煉瓦作りの古い教会,保存のための工事が始まりました。さあ,出来上がったのは,煉瓦作りではない何やら新しい教会です。私など保存といえば修復を考えますが、香港では「重建」といったこうした保存もあるようです。

 一昨日の「SOUTH CHINA MORNING POST」に香港島ワンチャイにある質屋の建物が取り壊しになると書かれています。しかも,この建物、保存建造物に指定されているというのです。香港の質屋は,裏通りにひっそりではなく表通りにドンと店を構えています。新聞に書かれているその質屋は、2階建てトラムもバスも通るメインストリート沿いに建っています。このひとブロック先の角地にも質屋があるのですが,そちらの建物はあまり見るべき物がありません。

 質屋は「押」と香港では表します。取り壊しが決まった質屋さんの屋号は,「徳同」。4階建てのこの建物今ではビルの合間に埋もれています。質屋はどこも,赤いコウモリとダブルハッピネスの看板を掲げています。

 一昨日の午后,トンローワンに買い物に出るついでに,バスを2つ手前で降りて建物を見に行きました。あら,もう既に取り壊しが始まっています。1階部分は質屋で,その上は家族の住宅だったそうです。一階部分の道路際には柱が立てられ,その下は人が通れるようにアーケード状になっています。そして何よりこの建物,角の部分が特徴的です。角が「つの」を立てずにカーブになっています。香港に来た当初は,この角がカーブになっている建物があちらこちらに見られました。カーブの部分には円曲されたガラス窓です。天井の高いこうした唐楼は,壁一面窓を取る事で陽の光を一日に受ける事が出来るはずです。窓枠も昔のままの鉄枠です。

 香港市政局は,保存建造物を買い上げるのではなく指定するだけで,実際の土地の権限は持ち主にあるそうです。つまりここでは質屋の「徳同」さん。新聞に因れば,取り壊しの跡地に23階の商業ビルを建てるのだそうです。香港島北のオフィススペースは世界でも4番目に単位面積当たりの家賃がが高いのだとか,まして,ビクトリア湾が見えるとその値段はまだ上がるのだそうです。「徳同」さん一家は,建物を残すより,家賃収入を選んだわけです。

 ワンチャイには、保存建造物に指定され、今ではレストランとして機能している別の質屋の建物があります。建物自体は残りましたが,レストランや路面のインテリアショップは,どうもしっくりときません。建物を残す事,ただ残せばいいものでもないように考えます。

  昨日,この写真を見ながら,急に思い出したことがありました。右横のバニアンの木の下に,昔はリヤカーにバナナを乗せたバナナ売りがいつもいたのです。叩き売りしないでも,いつも人が一杯のバナナ売りでした。バナナ売りの姿が見えなくなって,10年は過ぎたかもしれません。

 この「徳同」さんの前はよく通ります。ある日来てみると,すっかり建物が無くなっていたというのではなく、壊されて行く姿を横目で見なくてはなりません。路面のアーケード状のところを、夏歩く時は,ひんやりと人心地付いた事を思い出します。日に日に変化する香港の町です。

 

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香港 セントラル地下鉄D2出口

2015年07月29日 06時36分59秒 | 香港

曇り、27度、88%

 香港のセントラル,路面には世界中の有名ブランドの店が軒を連ねています。高層ビルがひとつふたつではありません。空を見ようと思えば顎までが上がります。それに,香港の一つの顔である金融,証券の中心地でもあります。 

 セントラルから地下鉄に乗る時は、D2口が我が家から一番近い出入り口です。このD2口、メインのペダーストリートとシアターレーンを結ぶビルとビルの間の路地にあります。高いビルの狭間の路地ですから,昼間でも薄暗い。その路地の長さ200mほどの間に,ふた肩幅の間口の小さな店が20軒並んでいます。 D2口から一歩外に出ると,昼までも明かりを灯した店店が目に飛び込んできます。

 夏になると汗ばんで時計の革ベルトを傷めます。良い時計の革ベルトは色や素材によっては,ベルトを代えるだけで3か月も待たされることがあります。そこで,夏場は普通の電池で動く時計に替えます。見ると電池が切れてます。私が時計の電池を替えてもらうのは,見出し写真の妹記さん。セントラル地下鉄D2出口を出て、向かって右手にあるお店です。おじいさんが修理、おばあさんが引き渡し,仲良く仕事をしています。このふたりがまだおじさんおばさんの頃から,電池はここで替えてもらいます。私が行ったのは朝の10時,丁度お店を開けているところでした。小さな店の中に,時計の修理に必要な物から,様々な機械、ふたりが腰掛ける椅子,常備薬までぎっしり詰まっています。お店を調えるまで、5分以上かかる有様。おじいさんが私の時計を見てくれている間,おばあさんは朝ご飯のパンを買いに行きました。

 この並びには、 印鑑屋さんが2軒。印鑑といっても会社の社判のような物です。 電気の配線の修理もやってくれる電球などを売る店。 4軒ある靴の修理屋さん。 スペアーキーを作ってくれる店が2軒。洋服の穴を塞いでくれる繕い物屋さんが1軒,まだお店が開いていませんでした。

 D2出口の店の並びは,お分かり頂けるように,あれ困った時の救世主ばかりです。簡単な靴の修理、主人の靴の紐,鍵をなくせばちょいともう一つ。この小さな路地のお店には,お世話になっています。いつも見慣れた風景です。お世話になっている事すら忘れるくらい,何かあればここに足が向かいます。

 よく考えると,香港らしいこの路地ですが,香港でもこれだけ店が並んでいる路地はここしかないように思います。初めて,この路地に感謝したいような気持ちに駆られました。

 路地をメインのペーダーストリート側に出ました。 顎をあげて見上げた空。ランドマークのガラスの壁面にも空が映っています。ひょいと視線を下げれば,ルイビトンの字が目に入ります。D2口のこの路地,まるで小さな別世界です。そして思います,やっぱり香港だわって。

 

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胡麻豆腐

2015年07月28日 06時36分35秒 | 料理

曇り,27度、80%

 気温が高くなると,ひんやりした物が欲しくなります。ギンギンに冷えているのではなく、体温よりやや冷たいもの。夏でも暖かな飲み物しか飲まなくなって随分経ちます。暑い夏の夕方の冷えに冷えたビールなんてとんとご無沙汰です。少し冷たくて,喉越しのいいものをちょっと夕飯に一品付けると、夏らしい食卓になるようです。

 いつも冷や奴ばかりではと思い、胡麻豆腐にしましょう。市販の胡麻豆腐はなんであんなに小さいのかしら。二口で食べてしまいます。それでも大好物です。もっといっぱい食べたいなあと自家製です。それに,香港には、まだ胡麻豆腐は売っていません。息子が小さかった頃,お懐石を習っていいる友人が,胡麻豆腐を習ったと言います。胡麻豆腐はなんだか高貴な物に思えました。作るのは難しいに決まっていると思っていました。

 胡麻豆腐、美味しい胡麻と葛があれば出来ます。日本の胡麻は,中国,韓国でも非常に評判がよく,胡麻油、胡麻ペーストにいたるまで日本の物が手に入ります。胡麻を一杯,すり鉢でゴリゴリと当たります。自分で作るのですから,胡麻を一杯使います。このゴリゴリが少し手間がかかりますが,香ばしいので楽しみです。あとはお出汁で溶いた葛を会わせて,火にかけてポテポテになるまで煮詰めます。これを型に入れて冷やせば出来上がり。 これで,たくさん胡麻豆腐がたべれます。胡麻一杯ですから、やや硬めに仕上がりました。先日、胡麻ペーストから作れば簡単にゴリゴリなしで出来ると知りました。胡麻ペーストで作れば、滑らかな胡麻豆腐。すり鉢で当たれば胡麻がはじけるような胡麻豆腐。まるで,絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いのようです。

  いずれにせよ,あの小さな胡麻豆腐では物足りません。

 葛は,冬は暖かな飲み物で,夏には葛寄せでいかにも涼しげな食べ物に,なかなか重宝な食べ物です。

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ジョアンハリス 「The GOSPEL of LOKI」

2015年07月27日 06時34分46秒 | 

降ったり止んだり,28度、85%

 フランス系イギリス人作家ジョアンハリスは日本では「ショコラ」の作家として知られています。しかも,ジュリエットビノッシュ、ジョニーデップ主演の映画の「ショコラ」の方がずっと有名です。私も,あの映画を見て以来,ジョアンハリスの本を読み始めました。イギリスでは高い評判を得ているハリスですが,日本語に翻訳されている本の数は5作。そろそろ20作に近い作品のほんの一部です。

 彼女の作品は,ファンタジー、ややオカルトめいたところもあったり,幻想的です。扱う話の幅も「ショコラ」のようにややロマンチックな物もありますが,サスペンスもあり、また北欧神話にまで及びます。生まれはイギリス、でもフランス語を話す環境で育ち,愛読書は「グリム童話」だったというのですから,なんとも東洋人の私はその発想の奇抜さにいつも驚かされます。

 「The GOSPEL of LOKI」,「ロキの福音」とでも訳しましょうか,北欧神話のロキが語る神の国アスガルズの興亡のお話です。ロキはコミックやスーパーヒーローにも時折モデルとなっているいたずら好きな神です。長い角の付いた兜を被った,人間の姿をしている時はとてもハンサムな神です。北欧神話では、人の姿ばかりでなく時には鳥や蛇などに姿を変えます。お話は北欧神話に基づいていますが,このロキが一人称で語るこのアスガルズの神たちの様子は,やや滑稽です。そして,最後は川の流れのようにロキも死んでしまいます。

 ジョアンヌハリスの作品の多くは,映画「ショコラ」の冒頭のように強い風と霧のかかったような幻想的な作風です。「ショコラ」の女主人公ヴィアンヌは、「ショコラ」以外に2作登場しています。このヴィアンヌこそは,作家ジョアンヌ自身の分身に違いないと私は思います。ヴィアンヌが登場する作品は,私たちには読み易いのですが,古い修道院が舞台の話や北欧神話に基づく話は読み辛い。でも、私よりやや若いこの作家にとても魅かれます。彼女の中に流れている様々な国の血,そして女性である事,ジョアンヌは作品の中で,人種差別や女性を軽んじる風潮をやんわりと非難しているかのようです。

 この本の前には,カズオイシグロの「THE BURIED GIANT」を読みました。イギリスのアーサー王時代の話で,話の主題ではありませんが魔物が出てきました。そして,この本はいろいろに姿を変える神様の登場です。挙げ句に,一昨日は,映画の「ジェラシックワールド」を3Dで観ました。きっと、ここ数日私の夢はこの手の物が次々に出て来る恐ろしげな物になりそうです。

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辻静雄と辻嘉一

2015年07月26日 05時35分16秒 | 

雨,26度、92%

 私の母は家事一般、料理も殆どしない人でした。私は早くに結婚して家庭を持ちますが,料理を人様に習いに行く余裕などありませんでした。テレビもなく始まった結婚生活、料理を教えてくれるのは,図書館の本や新聞の料理欄でした。昭和50年代の後半のことです。

 当時は料理学校などいう物が全盛、花嫁修業の一端でした。図書館に並ぶ本も,おかずの本が多かったように記憶しています。次第に料理研究家などといわれる人たちの走りのホルトハウスさんや入江麻木さんがご本を出されてきました。私の料理は本で学んだ料理です。おかげで、料理界の重鎮から花形料理研究家の方たち,挙げ句は香港に来て以来欧米の料理の本にまで手を伸ばしたので、それはそれは数多くの方を料理の師と仰ぐこととなりました。

 料理の本は写真が多ければ、見るにも楽しいものです。実際に作るには、幾つものハードルを越え無くてはならない物もあります。専門料理、食材がとてつもなくお高い物や家庭の範囲を超える力仕事を要したりする料理です。ちょうど,日本を離れて香港来る少し前から傾倒したのが辻静雄さんと辻嘉一さんの本でした。

 おふたりとも既に他界されていますが,大阪あべのの辻料理学校の辻静雄さん。京都辻留の辻嘉一さんです。専門料理の華やかな世界,そんな中のおふたりが書かれることは料理の基本に根ざした事で,素材の扱い方に始まり,器の扱いにいたるまで余す事なく教えて下さいました。

 先日、友人が店仕舞する古本屋で辻静雄さんの豪華本を手に入れたと書いてきました。私が繰り返し読んで来た両辻さんの本は文庫本です。 しかも,辻静雄さんの本は当時ですら廃本になった物があり,手元の本の数は僅か2冊です。豪華なグラビアの本を手に入れた友人が羨ましく思われます。

 いえいえ,私の料理の本の数はかなりの物,豪華本より寝っころがって気楽に読める文庫本の方がいい,などと自分をなだめたり,一度は見せていただこうなど考えたり。そんなときふとこの本を思い出しました。 辻嘉一さんの「辻留 料理のコツのこつ」です。辻嘉一さんの本はグラビア仕立ての豪華本ではありません。どの本も磯田尚男さんが描かれた挿絵です。実は文庫本でも持っている「料理のコツのこつ」を古本屋で定価より高いお金を払ったのには理由がありました。この本の装幀、題字は佐野繁次郎による物です。佐野繁次郎の書体や装丁の本を1冊手に入れたいという思いから求めました。こちらの本は専ら眺める用,時折読み直すのは,文庫本。

 母親から受け継ぐ料理がなかった代わりに,たくさんの料理の師を得る事が出来ました。料理の本は,料理の作り方ばかりを教えてくれる物ではありません。現に辻嘉一さんの本は,分量が載っていません。料理は命を支えて行く物です。このおふたりの本から料理以上の生きて行く何かを学んだと思っています。

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鰻 それぞれ

2015年07月25日 06時40分28秒 | 日々のこと

降ったり止んだり,28度、87%

 昨日は丑の日,珍しく丑の日に主人が夕飯に帰ってきます。嬉や嬉し,夕飯は鰻にします。香港に鰻の蒲焼きを持ち込んだのは日本人ですが,中華料理にだって鰻料理があります。最近はとんと市場で見かけなくなった鰻ですが、以前は手際よくさばくおじさんの手元に見惚れていました。日本と同じようなさばき方です。頭に釘をポンと刺してまな板に打ち,そのまますっすっと身を割きます。随分以前に食べた四川料理の鰻は硬いやら,味がきついやら,生臭くも感じました。日本の鰻料理には敵わないと思いました。身の柔らかさ,臭みのなさ。そんな鰻の蒲焼きが簡単に香港でも手に入ります。日本人が中国ではじめた鰻の養殖,台湾から入って来る鰻,日本から来る天然鰻と書かれた鰻。鰻の稚魚の減少でどの鰻もここ数年はとてもお高い物になってしまいました。我が家が買うのは普通の中国産と思われる鰻です。

 息子がまだ家にいて,私たち夫婦も若かった頃は,なんと一人で2匹の鰻を食べていました。つまり3人家族で6匹の鰻を食べるわけです。それが,最近では一人1匹になりました。食べ方もこってりした鰻のタレをからめながら食べていた若い頃が懐かしく思い出されます。最近の我が家の鰻の食べ方は,蒲焼きをしっかり水で洗うことからはじめます。回りに付いたタレを全部洗い流して,しっかりキッチンペーパーで水気を拭き取ります。それを蒸し器にかけて温め直します。蒸気が立ち始めたら,たっぷりお酒をふりかけます。

 お土産でレトルトパックの鰻を頂戴することがありますが,これはどんな有名なお店の物でもあまり美味しいと思えません。蒲焼きを電子レンジで温め直すと,これまた,普通の鰻は皮がゴムのようで感心出来ません。蒸し上げると,皮まで柔らかく頂けます。この蒸す鰻は,義父のふるさと柳川の鰻料理です。鰻の蒸籠を一枚,などと言って注文します。私の父は、鰻を食べるといえばこの柳川まで福岡から車を飛ばしました。小さい頃から馴染んだ鰻の蒸籠蒸です。

 もちろん、 山椒は欠かしません。一休堂の山椒の小瓶の中身は,産寧坂の七味家の山椒です。香り高い山椒が,すっきりと甘辛くない鰻に馴染みます。主人、日本酒を一献と思ったようですが、生憎日本酒をきらしています。赤ワインとも鰻の相性はいいようです。

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チャイのシフォンケーキ

2015年07月24日 05時35分19秒 | 菓子

小雨,28度、86%

 本場のチャイを飲んだのは,主人の仕事関係の式典に招かれたインドチャンディガールという町ででした。主人は会社の方と工場を見て回っています。応接室には私とインド人の男性が4人,そこに運ばれて来たのがインドのおもてなしカシューナッツの素揚げとチャイでした。道端のチャイの屋台では、 5センチほどのこんな小さな素焼きのコップでチャイを飲みます。飲み終わると道端にポイ、雨風で土に戻ります。ところが出て来たチャイは立派なティーカップに入っています。スプーンは付いているのですが,お砂糖のポットはありません。勧められるがままにカップを手に持つと,男性方、ダメダメとスプーンでかき回すようにとご自分たちでお手本を見せて下さいます。スプーンが回る度に,カップの底のお砂糖のジャリジャリという音が部屋に響きました。凄い甘さです。でも,スパイスの香りとミルクがホッとさせてくれる美味しさです。以来チャイは、私の大好きな飲み物の一つ。

 チャイのスパイスは,ガーダモンを外さなければ好みで合わせればいいと教えてもらいました。インドの食材屋さんには,「チャイマサラ」というミックススパイスも売られています。 ガーダモンはこの殻を破った中身を、 石臼で挽き潰して使います。

 先日、知人がチャイのシフォンケーキを食べたと言います。いろんなシフォンケーキを作りましたが,チャイは思いつきませんでした。そこで早速。

 21センチの大きさのシフォン型,卵は七つ使います。プレーンなら水を使う所を,チャイに置き換えます。いつもより濃いめに煮出したチャイ,今回は,ガーダモンとオールスパイスです。漉したチャイを生地に混ぜているとどうも香りが弱いと感じます。そこで,写真よりもっと細かく潰したガーダモンを生地に加えました。するとスパイスの香りが強すぎます。ミルクのホンワリした香りが感じられません。最後に1滴落としたのが、 こちらのミルクフレーバー。焼いている間、家中、摩訶不思議な香りに包まれます。いつもはお砂糖を減らすところを紅茶の苦みも考えて、粉130gにお砂糖120gを使いました。ベイキングパウダーを使いません。ですから持ち上がりは少ないのですが,気泡の小さな柔らかなシフォンケーキが焼き上がります。

 お味も香りも上々のチャイのシフォンケーキの出来上がり。薄めの紅茶が合うように思います。

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香港天文台 天気アプリ

2015年07月23日 05時32分15秒 | 香港

雨,28度、85% 

 香港の天文台から出される天気予報をスマフォで受け取るアプリは全部で10週類あります。 どれも無料です。天気を教えてくれる物ですから、どれをとっても簡単明瞭にその時々の天気が画像を見れば分かります。私は,右下の「KIDZTORY」と名前のついたアプリを使っています。時折このアプリの画面をアップすると,皆さんが可愛いと言って下さいます。そこで,天気に因って違うこの画像を撮り溜めました。ほぼ全画面アップできていると思います。ただし,ここ香港です,元々雪の日の画面はないものと思われます。私が香港い住んでいる30年近くの間に,雪ではなく,雹が2回降っただけです。しかも短時間。

 季節に因って,よく見る画面は違いますが,昼バージョンと夜バージョンがあります。 お昼間の一番晴れているときは,このひよこさんが登場します。 夜の一番晴れているときはライオンが寝ています。

 晴れたり曇ったりのお昼間は、 ネズミさんの登場です。一方、 夜間の晴れたり曇ったりは、オオカミと7匹の子やぎ。「KIDZTORY」は。子供のお話からで来ているアプリです。 これは,夜間に出る天気はいいけど,風が強い時。

 亜熱帯性の天気ですから,雨はいろいろな降り方をします。見出し写真は、昨日ほぼ昼間中でていた画面です。雷注意報、大雨注意報も一緒です。三匹の子豚。雨の降り具合に因って,微妙に違う2つです。 少なめの時。 こちらはスコールに近い時。夜の雨のときは、 この画面。なぜか,これが一番好きで,LINEのアイコンに使っています。そして,極めつけが、 こちら。夜間,香港の高層ビルの合間を雷が走るような時に出されます。これはなかなかお目にかかれません。

 あと一つ、香港の気象上、特記するとしたら,「ガス」です。2月ぐらいから5月まで、朝から晩までどんよりとガスっています。ひどい時は湿度が100%です。 この画面が出ている間は気持ちが塞ぎます。

 このほかに、 大きな台風もやって来ますから,台風進路も必要です。左下の薄いブルーの中心が香港です。このブルーに圏内に台風が来ると、台風シグナル1が灯ります。香港より800キロの距離です。その内側の紺の線は香港から300キロ,この圏内に台風が入って来るとシグナル3が灯ります。右上には今日本に向かっている台風「HALOLA」の進路が出ています。

 レーダーで雲の動きも観察できます。 昨日の昼間です。黄緑の下が香港です。この雲のおかげで昨日は一日中雨でした。

 現在の画面は、 カメさんの登場です。雨脚は弱まりましたが,まだ降り続いています。やれやれ,このお天気あと数日続くようです。

 

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飛んで行った「ガロ」たち

2015年07月22日 06時05分20秒 | 旅行

雨,24度、97%  雷注意報、大雨注意報

 ユーラシア大陸の西の果てポルトガルまで旅したのは5月のはじめことでした。2度目のポルトガル,しかも,香港に長く住む私にとっては、お隣マカオがポルトガル領であったこともあり身近な国に感じます。身近なはずのポルトガルですが,飛行機に乗っても20時間近くもかかります。意外に遠かった。

 自由な時間のない旅でしたが,石造りの町を久しぶりに訪れたことは,東洋とは違う様々のことを身に感じるいい機会でした。世界中知らない所ばかり、世界中知らないことばかり、そんな思いがこの年齢になって反ってワクワク感に変わります。

 旅立つ前から,絶対に買いたいものがありました。今までの旅でもこれとこれは絶対に買うと思っていても,それは旅先のこと,思わずお店が閉まっていたり、時間の都合で行けないことも屢々でした。だから,絶対に買いたい物リストは作らないことにしています。でも,これならどうにか手に入ると目星を付けたのが,ボルトガルの国民的マスコット「ガロ」です。雄鶏の形をしたフィギュアです。

 「ガロ」を初めて知ったのは,お隣マカオでのことです。香港よりやや遅れて中国に返還したマカオでは,返還前はこのニワトリのマークや置物がお土産屋さんに並んでいました。当時のことを思い出すと,ブルーばかりだってように思います。でも、「ガロ」は我が家にやって来ませんでした。ポルトガル本土に旅した時にも,ずらりと並んだ「ガロ」を求めないまま戻って来ています。それなのに,今回は,「ガロ」を連れ帰ることを行く前から決めていたのです。そう,空港かお土産物屋さんに行けば必ず手に入るとの心算もありました。

 旅行をしても殆どお土産物屋さんで品物を買いません。ちょいと覗く程度です。その私が,今回はびっくりする主人を横目に,お土産物屋さんに入ります。日も暮れかかった観光客も少なくなった時間です。アフリカ系のお店のお兄さん,大喜びで迎えてくれました。いえいえ,あちらのお勧めには絶対乗りません。目指すは「ガロ」。目の前にずらりと並んでいます。探す必要もありません。色違いを束ねて,私の買い物は終わり。

 旅から戻って,ゆっくりする間もなく日本に戻りました。「ガロ」たちは家の本棚でお留守番。ポルトガルから戻って人心地付いたのは,一月半ほど後のことです。「ガロ」たちも大西洋の見えるポルトガルから南シナ海の香港までの長旅の疲れを癒した頃です。さてと,一つまた一つと友人の元に向けて送り出しました。全部一遍に送り出すのは寂しかったので,一つずつです。北は北海道,南はニュージーランド。最後に送り出したニュージーランドの「ガロ」が着いたと連絡がありました。

 リスボンの下町,石畳の坂の途中のお土産屋で求めた「ガロ」たちも今では居場所を見つけたようです。4センチほどのやや持ち重りのする「ガロ」です。焼き物ではありません。お土産物屋の店先に並んでいた頃は,毎晩ファドを聞いていた「ガロ」たちです。それぞれ,今はどんな歌声を聴いているのかな。「ガロ」がいなくなった本棚を眺めます。

 自分のために買った「ガロ」ではありません。小さな「ガロ」に小さな思いを運んでもらいました。「ガロ」がいなくなったなあと思っていると、 あっ、いました。

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