曇り,25度、90%
22年ほどの間,午后の3時前に家を出て、夜8時過ぎに家に帰るような仕事をしていました。日暮れ時間は香港の人混みの中を移動中か,子供たちに数字の扱い方を教えていました。あの頃は、夕焼けなんて見たことないなあと言っていたものです。仕事を辞めて2年半、やっぱり夕焼けをまじまじと見る事はありません。モモさんの散歩から帰れば,夕飯の支度で大童。私ばかりではありません、家事を預かる女性なら、皆同じような夕方の時間です。ましてや小さな子供のいるお母さん、夕方子供の手をつないで空を見上げる時間もないほどてんやわんやのはずです。
昨夕,いつものようにお散歩から戻りました。モモさんにご飯をあげて,ふと窓の外を見ると,バットマンが飛び降りたビルが夕日に赤く染まっています。あら、きれい。見出し写真向かって左が西に当たります。昨晩は主人は,深圳泊まり、夕飯の支度に急ぐこともありません。ビルの間から見えるビクトリア湾の対岸の九龍湾辺りのビルも夕日を受けて輝いています。 ビルのガラスの壁面が,ミラーマジックで様々な角度を写し出しています。遠くばかり見ていました。近くに目を移すと,すぐ側のビルの上にぼんやりと虹が出ています。
カメラを手にしていたので即座に撮りました。カメラから目を離すと,淡い空気の中にこの虹はすっと消えて行きました。ほんの僅かな時間の出来事。
一人の夕飯の仕度を調えるにはそんなに時間もかかりません。ぼんやりと空を見ていました。少しずつ空の色が青みを帯びてきます。僅かにポッカリ浮かんだ雲が, 夕日の色を映しています。
夕焼けも朝焼けも,短い時間でどんどん変化して行きます。
夕飯を摂る前にお風呂に入りました。出て来ると,すっかり外は暮れています。散歩から戻って1時間も経ってはいません。件のビルは、 ネオンを灯しました。
夕暮れも朝日の昇るのも,決して同じ物はありません。毎日毎日違います。そんな空を見上げるほんの数分,この数分を得る事が出来るのは、自分の心の中の余裕かもしれません。忙しいは言い訳、心の余裕が見せてくれた夕日の景色です。