チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

石板街から和安里へ   香港

2013年07月31日 | 香港

曇り、28度、88%

 我が家から香港島のセントラルに下りるには、いったい何本の道があるのかしら?と時折思う程たくさんの細い坂道があります。しかも、下に行けば行くほどその数は増えます。組み合わせを作ればその数100以上は間違いなしです。

 ハリウッドロードからクイーンズロードに通じる坂道にひとつが、石板街。正式な名前もあって、ポティンガーストリートといいます。でも、見出しの写真を見ての通り、石板が敷き詰められた坂道です。いつごろ作られたか知りませんが、随分古い物に違いありません。石の表面はツルツルテカテカです。道の真ん中の手すりはごく最近作られました。私は、この坂で何回転んだか解りません。私みたいな経験を持った人がたくさんいるはずです。

 右手すぐに、公園があります。 ビルとビルの間の昼間でも陽の注さない公園です。最近きれいに整えられたこの公園ですが、20年前は、野良犬がのんびりと昼寝をしていました。もちろん、野良猫はもっといました。私が、この道を下りるのは、そんな野良犬たちに会うためでした。もうすっかり、犬たちの姿はみえません。

 坂に沿った公園です。中の細い道をずるずると下りると、思いもかけないところに出ます。 下から見上げた、ビルの狭間の公園の様子です。 珍しいピンクの縁取りのフランジパニが咲いていました。

  下り切ったところは、蘭桂坊といわれる夜遅くまでの繁華街の西のはずれ、和安里です。坊や里の字が付く地名は行き止まり、袋小路を意味しています。

 和安里は以前は人通りも少なく、隠れ家のように今は手広くパンを作っているブッラクローズが、フランス料理の店をやっていました。その頃ホテルではないのに、最後にチーズプレートが出てくるような店でした。今はもうありません。

 香港の坊や里の字の付くところには、行き止まりによくこんなお廟があります。 不思議に、香港人は心神深く、いつも線香の煙が上がっています。

 この道沿いも新しく出来る店の工事ばかり、ブラックローズのことを懐かしく思っていると、あれ! 高山民芸が昔のまま、まだお店をやっています。入ってみました。お店の黴臭いにおいも変わりません。私年配の女性が、4人お店にいます。主に中国の民具や布を扱っていますが、東南アジアのタイやインドネシアのものもあります。場所柄、以前からお値段は高めでした。中国の印花の生地を計り売りで買ったのはこの店でした。長くお店が続いていますね、の一言で、またしても長居するはめになりました。

 お店を出ると、すぐ昼下がりのセントラルの雑踏の中です。いくら滑ろうが石板街は残って欲しい。高山民芸もあの4人の女性がしっかり支えているようです。久しぶりに晴れ上がった、高いビルの上の青空を見ました。

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北京ダックの炒飯

2013年07月30日 | 料理

晴れ、25度、91%

 パリパリに焼かれたアヒルの皮を薄いクレープのような生地に、甘味噌、キュウリ、晒しネギを一緒にはさんで食べる北京ダックは中華料理でもご馳走、つまり家庭料理ではありません。お接待などで中華を食べる機会も多く、最近では、フカヒレのスープも生きたまま蒸し上げたエビももうたくさん、そんな私ですが、北京だけはまだまだ大好きです。

 まだ、香港に来た初めの頃、パリパリの皮をテーブルに出された後のアヒルは厳かにトレーに乗って調理場に戻って行きます。アヒルの身は、誰が食べるのかしら?と思っていました。あるとき、お隣のテーブルで香港人が北京ダックを食べていました。彼らの皿には薄く切られたアヒルの皮にちゃんと身が付いています。皮を食べるのが正式なんて決まりはありません。以来、一緒にテーブルを囲む方に伺って、身の付いたアヒルの皮を出してもらいます。

 香港人のスタッフたちとテーブルを囲んだ時のことです。さて、お開きという時に、お店の人が何やら大きな箱を2つ持ってきました。その晩は2羽北京ダックを頼んだのですが、皮と身を削ぎ取った後のアヒルのガラでした。香港では飲茶でおまんじゅうひとつ残っても、包んで持ち帰りできます。アヒルのガラの持ち帰りです。さて、ガラは当然いいだしが出るので、スープに使うと聞きました。ひとつもらって帰ったのですが、スープをとるとアヒルの臭いが家に充満します。しかも脂をとるのに一苦労。

 先日のお店では、何やら主人に店の人が話しています。1,500円程かかるけどアヒルのガラを持って帰るか?と聞いているようです。お金をとられるのは初めてです。主人はお構いなく、頷いています。

  ピカピカのアヒルをお見せしたかったのですが、持ち帰った北京ダックです。我が家の、外食はお客様との時が多いので、ブログのために写真なんて撮ることは出来ません。この日のアヒル、皮を削いでくれた人が下手だったのか、ご覧のように身がしっかりと付いています。これをペティナイフできれいに削ぎ取ると、鳥のもも肉、3枚程の身がとれました。アヒルの身は鳥にしてはやや赤みがかっています。パサパサではなくややねっとりした身です。

 私のお昼に炒飯を作りました。 さっぱりと小ネギだけです。アヒルの味は、少しぼやけた味がします。そこで、メリハリを利かせるために、胡椒の代わりに、京都 原了郭の黒七味を使いました。 黒七味は、香り、辛みともにずば抜けています。汁物ならテーブルで一振りですが、炒めながらどっさり使います。寝ぼけた炒飯が一変においしくなるから不思議です。

 炒飯がへたくそな私は、いつもおこげを作ります。ところが、この おこげがまた美味しいのです。炒飯を食べ終わるまで、中華鍋にそのままにしておくと、ペロッとはがれてくれます。身を外す時から私の手は脂だらけ、台所はアヒルの匂い。モモさん、朝寝も出来ず、ウロウロソワソワでした。モモさん、アヒルの身もお好きです。

 北京ダックの正しい食べ方からは、ずっと離れていますが、私は身の付いた皮だけを食べます。薄餅、甘味噌もキュウリも晒しネギも要りません。身の付いた皮と赤ワインだけで満足です。

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ポーランドの紅茶 LOYD

2013年07月29日 | お茶

曇り、24度、93%

 東欧なんていう言い方もう聞かなくなりました。旧ソ連に近い東欧の国々は、私にとって遠くに存在するものでした。ハンガリーのイチゴジャムが、福岡の輸入食料品店に並べられたのは、昭和40年代初めの頃のことです。イギリスのジャムなどは棚に並べられているのに、ハンガリーのジャムは、特売品で積み上げられていました。瓶は分厚いややブルーがかかったもので、蓋にいたっては、コインを使って、カポんと開けるタイプでした。中には、イチゴが丸のまま一杯はいっています。幾つかはちょっとへたまで付いていました。なぜか私には日本のジャムよりずっとおいしかった記憶があります。

 この20年近く、たくさんの国で政変があり、世界情勢も変化しています。ソ連なんてもうありません。それでも、やっぱり遠い東ヨーロッパです。

 ここ香港で、東ヨーロッパのものに出くわすことは本当に稀です。ふらっと入った食糧品屋さんで目についたのが、初めて見る紅茶の銘柄です。LOYD。ポーランドの紅茶です。ナイロンメッシュに入ったアールグレーを買い求めました。

 早速、LOYDを調べてみました。ポーランドでは、人気のある紅茶の銘柄だそうです。ポーランドはロシアの影響を受けて、紅茶をよく飲む民族だそうです。ロシアの紅茶と言えばサモアールで入れる熱い紅茶。ピロシキやボルシチの後に飲んだ、イチゴジャムがたっぷり入った紅茶を思い出します。

  アールグレーとしか書かれていませんが、ブルーのコーンフラワーのペタルが見て取れます。ロシアンアールグレー、レディグレイといわれている紅茶に近いものです。葉っぱはインドネシア産。インドネシアの紅茶の葉は、セイロン同様澄んだきれいな色が特徴です。 香りは、ベルガモットが強くありません。アールグレーの持つ頭の後ろに抜けて行くような爽やかさでなく、口に含むとなんとも懐かしい紅茶の味がします。急に、ハンガリーのイチゴジャムの中のイチゴの粒が頭をよぎりました。なんと表現すればいいのか、強いていえば洗練されていない、けど暖かみのある紅茶です。

 小さなティーバックの向こうに、ポーランドの国が拡がって行きます。私はいつも、食べ物を通していろんな国に近づいて行くようです。

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雨降りだから 香港の鳥

2013年07月28日 | 日々のこと

 雨、26度、94%

 広東語に雲蓋という言葉があります。広東語の漢字は、日本語と同じ書体、意味も近いものがありますから、そのまま漢字の意味をとると解ります、日本人にとっては、本当に住み易い街です。雲蓋、雲の蓋ですから、空に雲が覆っていることを意味します。ここ、5日程、香港は雲蓋状態、しかもひっきりなしに雨が降ります。我が家から、対岸の九龍サイドが見えません。雨が強くなると隣のビルだって見えなくなります。そんな中でも、外でトイレをするモモさんは、小雨の中、スタコラとお外に出て行きます。つまり、私は雨の中お相手をするわけです。

 雨降りに関わらず、はモモさんの散歩だけではありません。軒先にやって来る鳥たちです。ハト、スズメはもちろんコウラン、シロガシラがやって来ます。やって来て、置いてあるパン屑を食べてくれるだけではありません。かごにえさがないと、催促されます。コウランは、タイでは捕まえて鳴き声の合戦をさせる程きれいな声をしています。まるで、頭の先から声が出ているような感じです。雨が降っている中を濡れてやってきます。遠くまでえさを探しに行かなくてもいいからでしょうか、雨の日の方が、パンを沢山与えています。

 しかも、みんな小降になったとき、一斉にやって来ます。この鳥たち、もう巣をかけているはずです。早ければ来月、遅くても9月にはひなを連れてやってくるようになります。

  我が家のえさかごの上に3羽のコウランが留って、パンを食べています。緑の影にもう一羽、2組のつがいで来ています。やはり体の大きいハトが一番力を持っていますが、スズメもコウランもシロガシラもうまく調和をとってけんかをしなくなりました。つまり我が家におみえになる鳥は、皆さん顔ぶれが決まっています。巣を抱えている時は、雌がぐっと細くなります。

 食べ方も様々、散らかす方がいれば、後始末をする方も出てきます。見出し写真のシロガシラは、石垣島辺りでなくては見られない鳥だそうです。コウランと同じ種類ですが、香港でもシロガシラの方が少なく思います。

 雨降りです、昼間から電気を付けます。リビングに電気が付くのと、テレビが付くので私の在不在を知っているのだと、最近気が付きました。天気がいい日は、よそでもえさは見つかるでしょうが、こんな天気の日には、私も大盤振る舞いです。

 産毛がボワボワしたひなに、飛び方を教えながら我が家にやって来るまで、後少し。お天気も回復し始めたようです。

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香港國際寵物用品展

2013年07月27日 | 日々のこと

雨、25度、98%

 寵物、寵愛の寵ですから、可愛がられているもの、つまりペットのことを意味します。香港こんなに犬のブームが起きようとは思ってもみませんでした。だって、中国この一帯の方は犬猫を召し上がります。犬に洋服を着せて、バギーに乗せて歩くようになるとは、20年以上前には想像すらしませんでした。

 9回目のペットアクセサリーの展示会に行きました。九龍サイド東側、香港でも一番人口が多い一帯です。昔の空港跡地を見ながら、私には土地勘のない場所です。香港中、地下鉄の駅に直結して大きなモールが出来ています。わざわざ、中心部までいかなくても地元の大きなモールでほとんどの用は足すことが出来ます。しかも、そのモールが大きいので、不慣れな私は、案内を見ながらでも迷子です。駅からのシャトルバスを使って会場に向かいました。

 いろいろな展示会が催されるそのビルもまた大きい。あら!皆さん犬を連れて来ています。よく案内状を読むと犬連れ、OKでした。こうしたビルの中に犬連れは珍しいことです。

 普段こういう催し物には滅多に足を運びませんが、モモさんのリ−シュはずっと同じものを何年も使っています。新しい物でもと思って出かけてみました。普通のペットショップにも、これまた世界中からものが入って来ています。そのうえ、旅行先でもペットのために買い求めてくる程、皆さん熱が入っています。素敵なリーシュや洋服を着た犬に会うと、どこで買ったのと聞きます。ほとんどの人が日本から買って来ています。やはり日本のものはいいのね、と内心満足です。

 会場は初日ウィークデイにも関わらず、犬と人集り。

 バギーにハンドキャリー、薬、シャンプー、スナックから何でも揃っています。即売も兼ねた展示会です。面白いところでは、ワニの生肉の冷凍、カンガルーの生肉の冷凍がオーストラリアから来ていました。犬用です。香港町中でも中秋節の月餅の宣伝が出始めましたが、 犬用の月餅まで売られています。これは予約を受け付けているところです。

  ちゃんと、トイレが多数用意されていますが、ご使用なさっているのを見たのは、この方だけ。皆さん通路でお構いなしです。モモさんを連れてこなくてよかった。モモさんは、きっとお店のものにマーキングして、おしっこをかけ回ったことでしょう。

 圧倒的に多いのは小さなプードル、ここかしこで犬の喧嘩も始まっています。とにかく騒々しい。 こんなにおとなしくしてる子はほとんどいません。

  香港には実働している盲導犬はまだ数匹です。養成する人も養成する人を作る場所もまだ完備されていないと聞いています。目の悪い方が、盲導犬を連れているのを見たことがありません。少しですが、寄付してきました。日本からの商品のブースが出ていません。タイや中国、ニュ−ジーランドのものばかり。いいリーシュはないわね。

 小さな会場です、1時間程で出てきました。お会いしたパグは4匹。 皆さんとても興奮して写真など撮れる状態ではありません。しかも、私はモモさんの匂い付きです。突進してくる犬がいる程でした。見出しのパグさん、飼い主のお姉さん同様、すましておめかししています。このスタイルって、香港らしい。 

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IDカードと運転免許証 香港

2013年07月26日 | 香港

 雨、26度、96%

 IDカードとは、簡単にいえば誰々さんですと、その人の証明をするカードです。香港に住み始めると、まずIDカードを政府に発行してもらいます。そして、常に携帯しなくてはなりません。持っていないと、罰金です。

 香港は町中を2人連れのおまわりさんがよく巡回しています。おまわりさんに呼び止められると、まずIDカードを見せなくてはなりません。おまわりさんは、IDカードに書かれている長い番号を電話で問い合わせます。その人の犯罪歴などがすぐに解るそうです。

 主人も私もよほど人相が悪いのかよく呼び止められました。私など、向こうからおまわりさんが歩いて来ると、あっ、きっと留められるわ、と解る程になりました。一度などは、日本人か?と尋ねます。そうだと応えると、じゃあ、ありがとうを日本語で言ってみろ、とまでおっしゃいます。考えてみれば、おまわりさんに声をかけられていた頃は、主人も私も随分色黒でした。

 IDカードは香港の出入国の時にも使います。カードを申請する時に、指紋検査もあります。カードを機械にい入れ、親指の指紋検査で照合すれば、出入りが出来ます。つまり並んで入国、出国の検査を受けません。

 日本では、人間に番号をふることに違和感があるようですが、悪いことさえしていなければ便利なものだと思っています。

 こちらが、、香港の運転免許証です。なんと、お粗末な免許証で、写真なんか貼ってありません。つまり、車を運転する時は、免許証とIDカードを常に持っていないといけないのです。免許証の上には私のID番号が記されています。おまわりさんは免許証なんてほとんど見ずに、IDカードで本人確認です。もちろんどちらを持っていなくても、罰金です。いつだったか、財布を家に置き忘れて車に乗っていました。道の前方は何があったか、おまわりさんが1台1台止めて、検査です。アレー、罰金だわと思ったのですが、忘れてしまって、と言うとあっさり通してくれました。最近少し黒さが薄れて来ています。どうも、香港のおまわりさんは色の黒い方がお嫌いなようです。

 日本に帰ると、留守中の役所の様々な手続きが待っています。2ヶ月に一度戻るのに、必ず区役所に出向きます。日本に帰る時は、まず、はんこ。これがないと、なんにも前に進みません。荷物に必ずはんこを入れます。香港では、全てサインです。役所のカウンターに並んで、はっと気付きました。身分証明も必要です。いつもはパスポートを携帯しているのに、前の晩、トランクに入れたことを思い出しました。受付の人にためらわずに出したのが、IDカードです。受付の方ちょっと不審そうでしたが、写真が付いていますから、何一つ聞かれないまま書類を発行してくれました。実は、以前日本の銀行でお金を送金するとき、このIDカードでは受け付けてもらえませんでした。お金のことですから、そこはしっかりしてもらっている方が、預ける側にはありがたいことです。

 香港でも、銀行でのIDカードの提示は当たり前です。ところが今考えると、最近銀行のカウンターでIDをと言われたことがありません。長い付き合いの銀行の本店です。受付の人もいつも決まった顔、円安の冗談なんかいいながら帰ってきますが、顔を覚えられているのかもしれません。

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Gough Street 香港

2013年07月25日 | 香港

雨、24度、99%

 香港島のセントラルは、香港のひとつの顔である金融機関が集まっているとこです。昨今、オフィスの賃貸料の値上がりで、幾分分散する傾向にあります。世界中から金融関係の仕事の人が集まります。そのうえ観光客も買い物でやって来ます。昼間のセントラル、黙って歩いていると耳に入ってくる言葉の数だけでも、かなりのものです。

 そんなセントラルですが、一昔前までは、ちょっと坂を山向き上れば普通の住宅でした。クイーンズロードからコンダットロードまでの斜面沿いのエスカレーターが出来て、街は変わって行きました。変わらないものといえば、セントラルの市場でしょうか。その市場も古い建物が一部取り壊され、建替えが始まっています。このセントラルの市場は私が長い間、テクテクと坂を下って、毎朝行く市場です。市場に行くのですから、普段着です。市場に行って、真っ直ぐ帰ってくることだけに許されるような格好で出かけます。

 この市場の東は、それこそ、ビックブランドの路面店が立ち並ぶ、セントラルの中心部です。西に向かうとションワンといって、庶民の街でした。市場からそのままの格好でふらふら歩いていても、お構いない街でした。

 セントラル市場から東に隣接したクイーンズロードと平行して走る道が、Gough Streetです。変化が少なかったこの辺りにも、変化が起こり始めたのはここ10年。そのきっかけはなんと、小型のプリンターの普及です。一大オフィス地帯を抱えるセントラル、プリンターが今のように普及する前は、一帯に印刷屋がかなりの数ありました。昼下がりの街は、それこそ印刷機の音だけが響いていました。このGough Streetもそうした道でした。早朝と昼間はオフィスに行く地元の人が軽く食事が出来る屋台が出ました。昼前は、昼食の仕出しの匂いが立ちこめていました。

  坂をおりて来て、Gough Streetに入ると、なんとラルフローレンの子供服の店ができてます。隣は、 アニエスb.のカフェです。香港のアニエスb.のカフェで一番大きいお店だそうです。

  雑貨屋が幾つかあります。イッタラの食器などが入り始めたのはこの5年程。一番古い雑貨屋です。

  こんな明るい看板までかかっています。

 雑貨屋のその奥は、 小さなしゃれたレストランです。この町並みだけを見たら、誰も中国の端の香港だなんて思わないと思います。変わるものですね。以前のこの街の姿を撮った写真を探すのですが、どこに仕舞ったのやら。

 ただひとつ、ずっと変わらずに香港らしい店が残っています。 牛のお腹の肉を煮込んで作る麺屋さんです。昼前からは行列ができる有名な店です。なんだか、ホッとします。

 ひとつ下の道から見上げると、 こんな感じです。この階段はちっとも変わりません。向かって左には、パブリックの病院があるからでしょう。階段脇に、こんなものを見つけました。 便利になって街がきれいになるのもいいけど、昔のGough Streetに流れていたあの空気は、もうどこにも見当たりません。

 

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インドチキンカレー

2013年07月24日 | 料理

小雨、25度、91%

 インドも北と南では食べるものが違います。私が行くインドは北ばかり、市場に行くと道端に並べられた野菜はどれも乾涸びてみえます。トマトだって、真っ赤ではありません。タマネギなんか私の握りこぶしくらいです。北は、小麦がとれます。南は、お米がとれます。南のカレーは、ココナッツを使うのが特徴です。

 私が初めて作ったインドのカレーは、インド北部の出身の方の本でしたから、以来、北の方の汁気の少ないカレーです。香港には、インドから直接来る食材が昔から豊富です。スパイスにしても、豆類もバスマティライスだって、最近では、パンニールチーズの冷凍も手に入ります。挙げ句に、インドのあの小さなタマネギ、トマトだって売っています。どこの国の人も自国の食べ物が一番のようです。

 クミンシードとタマネギ、トマトで作るカレーのベースが基本です。これにマトン、チキン、豆をくわえ、コリアンダーの粉末、ターメリック、レッドペッパーで風味を付けます。 基本の香辛料です。仕上げに、それぞれのマサラを一振り。ミートマサラ、チャナマサラ(豆用)、ブリアニマサラなどインドのマサラを使います。レッドペッパーは、変色防止のため冷凍庫に入れています。

 今回は香港のトマトを多く使ったために、やや汁気が多めになりました。香りのよさは、インドカレーが最高だと思っています。プレーンなプラオライスもいいのですが、ナンを焼きました。 ナンは、ごちそうのパンです。パンといっても、発酵なしのパン。本場ではタンドールの内壁に貼付けて焼き上げます。我が家では鉄鍋で油を引かずに焼きます。ナンはごちそう、普段はチャパティという全粒粉のやはり発酵なしのパンが焼かれます。一昨年、デリーのアルクベーリーさんのお宅に伺った折は、お手伝いさんが食事の間中、温かなチャパティを持って来てくださいました。もちろんナンも焼きたてが一番。形作っておいて、主人が帰ってから焼き始めます。

 インドカレーは、ギーや、生クリーム、ヨーグルトで辛さを押さえます。これは、イギリスの統治下にあったからではなく、昔からのインド料理の秘訣です。そしてどんなに乳製品を使っても、やっぱりインド料理になるから不思議です。

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平野甲賀の装幀

2013年07月23日 | 

曇り、26度、92%

 本のことを書くと、なんだか私という底の浅い人が丸見えになりそうで、書けないでいました。でも、本は装幀も含めて好きです。装幀ならばデザインですから、気楽に書けるというものです。

 今ではブックデザインともいわれますが、装幀という言葉の方がずっと好きです。古くは泉鏡花の本の装幀をした鏑木清方から、最近は木のものを作る三谷龍二の装幀、本の見た目も、手触りも全て含めて本というものが好きです。

 小野二郎ら興した晶文社は、創業以来ほとんどの本の装幀を平野甲賀がしてきました。植草甚一のシリーズ、文学の贈り物のシリーズ。

 独特なイタリックも特徴ですが、紙の選び方、箱の紙まで心憎いばかりの遊びがあります。見出しの写真の本は30年近く前のものです。晶文社の新刊は、あの頃本屋の本棚で際立って目立っていました。私だって、装釘だけでは本は買いません。でも装幀のいい本は、本の内容にプラスαが付きます。おまけではありません。

 実家の荷物整理で、沢山の本を捨てたり売ったりしました。でも、晶文社の本だけは、捨てきれずに倉庫の段ボールの中で出番を待っています。

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モモさん、チラリ

2013年07月22日 | もも

曇り、26度、91%

 暑くなってからというもの、必ずどこかのクーラーを付けて外出します。寒すぎず、暑からず。モモさんは好き勝手に家中を動き回っているのでいいようなものですが、どこの部屋のクーラーを付けようか、どの部屋はドアを閉めて行こうか、出かける前はさんざん考えます。いざ出かける時は、どれくらいで帰って来るからね、と必ず声をかけて出かけます。

 さて、帰ってみると必ず閉めていたはずのドアが開いています。初めは私の閉め忘れぐらいに思っていたのですが、どうも、留守中にモモさんがドアを開けて廻っているようです。我が家のドア、古いのでカチッと閉まりません。モモさんの片手ですぐに開いてしまいます。

 パグと暮らしてる方はよくご存知でしょうが、パグさんはストーカーです。台所はもちろんトイレにいたって、お風呂に入っていても付いてきます。ドアが閉まっていれば、ドンと開けるか、開けるまでガリガリなさるわけです。ゆっくりなんか出来ません。台所仕事の間中、足元にいます。包丁を使っていても、揚げ物をしていても、つまみ食いをしていても、足元から離れません。よく9年間事故がなかったものと思います。

 洗濯物を乾かすのに、除湿器をかけた部屋があります。除湿器を使っているので、ドアを閉めて中で用事をしていました。カチッと音がして見ると、モモさんが半分顔を覗かしています。じーっと中を観察して、向こうに行ってしまうこともありますが、何やってるんだとばかりに入ってお出でになります。

 もう一人パグさんを家に迎えれば、二人で遊んでくれるよね、と主人に話しました。主人は、いや、パグが二人して私を追って来るだろう、と言います。そうか、二人のパグに追い回されたら、確かに私クタクタになりそうです。

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