雨、5度、62%
時折粉雪が舞う日のおやつ、温かい「お汁粉」もいいものです。焼き餅を浮かして「柚」の皮をのせます。小豆、お餅、「柚」の香りが湯気に漂います。
広東料理のコースを締めくくるデザート、よく「お汁粉」が登場しました。冬は温かく、夏は冷たい「お汁粉」です。日本の「お汁粉」のような甘さはありません。さらりとした味わいの奥に微かに香るものがあります。「はて?なにかな?」後になって知ったことですが、みかんの皮を干した「陳皮」を小豆と一緒に炊くのだそうです。甘すぎない「お汁粉」にかすかな柑橘の香り、時には「蓮の実」が入っていました。白い「蓮の実」を見つけると嬉しくなりました。もっちりした「蓮の実」は食感のアクセントです。
コース料理の後のデザートも西洋料理では甘い甘い小さな菓子とビターなコーヒーで締めるものもあれば、甘く強いリキュールをショットでクイット収めるところもあります。広東料理は「お汁粉」のほかには「西瓜」「金木犀のゼリー」などどれも甘味の薄いものばかりでした。料理とのバランスなのか、どこのお国のデザートもそれなりに納得いく甘さです。
家で小豆を炊く時に「陳皮」をひとかけ入れます。みかんの皮を干したものですが古い「陳皮」は高価です。きっと今頃香港では乾燥と寒気の中、緑のみかんの皮が干されている光景が見れるはずです。
この季節「柚」が出回ります。「柚」の皮は一年中使えるように薄くはぎ冷凍します。「柚」の皮を「お汁粉」に浮かべると温かさが増すように感じて必ず浮かべます。「お餅」だけを食べる時には焦げ目がつくほど焼くのですが、「お汁粉」に入れるときは焦がさず白いまま使います。「小豆」「柚」の香りを損ねません。デザートの「お汁粉」は小椀に出てきました。おやつですから量もたっぷりにすすります。
寒い日のおやつは湯気までもお腹を満たしてくれます。