晴、12度、69%
昨年の秋、90個のチューリップを植えました。雪が降る寒い冬を越して芽が出てつぼみを持ち、色付いたつぼみがほころびました。数にして70本ほど。帰国して土のある生活を始めて約1年経ちました。去年の今頃はモモさんの闘病生活で庭仕事どころではありませんでした。気持ちが落ち着き庭と向き合うようになったのは夏過ぎです。
香港にいた頃は、チューリップは切り花でしかも希少価値の花でした。オランダからの輸入品が花市にあるときもあればない時も、あまり高くて手が出ないこともありました。日本の家の庭にチューリップを植えたいと思い続けます。
この家は私が育った家です。この家の庭でチューリップが花を咲かせたのは3回目です。初めてのチューリップはかれこれ47、8年前のこと、花作りなどしない母が珍しく畝を作ってチューリップを咲かせました。そのチューリップの球根は中学生の私がオランダの土産で買って帰ってきたものでした。母はどうやって球根を保存したのか、翌年も咲かせてくれました。まだ、1ドルが360円の時代で持ち出し金額も制限があった頃の海外旅行です。中学生の私が持ち帰った球根の数は知れていたと思います。どんな色だったか覚えていません。ただ母が「日本に無い珍しい色だわ。」と言ったことだけを覚えています。
オランダからのチューリップが2年連続で咲いて以来、40年以上が経ってこの庭土に私がチューリップを植えました。昨日の朝です。 まだ開いてはいません。昼過ぎに見ると、 ほころんでいます。一斉に咲いて欲しいのですがまだ硬い蕾のものが数あります。午後も遅くなって、また見に行きます。 日差しと気温で1日で色付き開き始める花があります。 硬いつぼみが午後には黄色く染まっていました。よく見ると蕾のままのチューリップは全部黄色です。
90個の球根は全部日本の球根、ごく普通の球根を選んだつもりでしたが、5個ほど尖った花びらにクリーム色と赤の混ざった珍しいものがあります。
チューリップを切り花にして家に飾りたいのですが、それには数が少なく思います。この秋はもっとチューリップを植えるつもりです。どっさりと切り取ったチューリップを家の中に飾る楽しみは、来年まで待ちます。家ではチューリップを、散歩では桜を、花の季節になりました。
庭仕事などしなかった母が咲かしてくれたチューリップ、花よりも記憶に残るのは無精な母が花を咲かせてくれたということです。