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プラハ生まれの「ミロスラフ サセック」という絵本作家の本を3冊持っています。サセックは、1950年代後半から1960年代にかけての世界20都市近くの当時の姿を絵本にしています。その中の一つが、「THIS IS HONG KONG 」出版が1960年ですから、私が3歳の時、今から60年も前の香港です。
私が香港に渡ったのは1980年代の後半、サセックが訪れた時より30年下っています。土曜日の昼下がり、帰国以来初めてこの本を開きました。独特のタッチのわかりやすい文と絵です。この60年前の香港の姿は、実は30年前私が初めて見た時と重なります。私が香港で過ごした30年、香港の町は大きく変化したことに気付きました。
ピークからビクトリア湾を眺めたこの様子、基本的にはちっとも変わっていません。手前の山沿いにある大型マンションは見覚えがあります。もちろん今ではこれ以上の高層ビルの林立です。 「セントラルのスターフェリー乗り場」、同じ駐車場が今でもあります。 セントラル「ペダーストリート」もこのアングルに立てば今も同じように見えるのが不思議です。
すっかりこの光景は見られなくなりました。家々から竹竿が直角に張り出され、洗濯物がぶら下がっています。色とりどりの洗濯物、庶民の街らしい趣です。 セントラルの「ポッティンガーストリート」今でもこのまんまです。一本横道が市場です。毎日通った市場、家に帰るとき見上げた風景です。 30年前までは、 お米屋さんでこんな風にお米を売っていました。今ではパック入り、スーパーで求めます。 市場の卵屋さん、この光景はまだ見られると思います。
一番変わった景色は、この景色です。香港側から中国深圳を見渡した様子です。この景色を30年前に見たときは、その長閑さにホッとした覚えがあります。ところがこの30年、深圳側も香港側も高層ビルが立ち並んでしまいました。
久々に古い香港を楽しみました。もう1年以上香港に戻っていません。懐かしさがこみ上げて来ます。
サセックの「THIS IS」シリーズは松浦弥太郎さんの翻訳で日本でも出ているそうです。60年近く以前の世界の街々、子供達にわかりやすく見せてくれる本です。私が持っているのは2007年初版のアメリカ版です。 アメリカ版は大型で、英語も読みやすいものです。本屋さんで見つけたら一度開いて見てください。