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ショーン・ペン、好きな俳優の一人です。アカデミー主演男優賞のノミネート回数はクリント・イーストウッドと並び最多です。出演者2人、ショーン・ペンとダコタ・ジョンソンの「ドライブ・イン・マンハッタン」を観に行きました。
ニューヨークJFK空港から夜中に一人の女性がタクシーに乗るところから話は始ります。マンハッタンの自宅まで途中渋滞に会う中、目的地に着くまで1時間半、タクシーの中での女性とドライバーの会話がこの映画です。
女性は20代後半?プログラマーが仕事。ため息をつきながらスマホを見るその様子にだライバーが声をかけます。ドライバーは彼女が既婚者との恋に悩んでいると見抜き、そこからこの女性の心の闇が一気に流れ出してきます。話をを引き出すドライバーも自分の人生を小出しに振り返ります。女性の幼少期の思い出、それに引きずられるように今を生きている様。タクシードライバーの男としてのアドバイスが実にツボを得ています。
話の内容はごく一般的なのですが、イエローキャブの中で2人だけの会話で成り立っているところにこの映画の面白さを見ました。ハイウェイを下りたタクシーがマンハッタンの街を走ります。そのネオンサイン、路地の暗闇の明暗。女性もドライバーもそれぞれにたくさんのことを抱えて生きている、つまり生きている人は皆多くの思いを抱えて生きていくのだと教えてくれます。
タクシーの中2人だけの映画の構成がこの映画のポイントでしょうか。同じような構成で日本に置き換えても作れそうな映画です。ショーン・ペン、シワがグッと深くなりました。顎の線にも年齢を感じます。でもやはり魅力ある俳優です。彼がアカデミー主演男優賞をとった映画はどれも大作と言える作品ではありません。そんな映画でピカッといい演技を見せてくれる俳優です。