雨、23度、95%
日本のパン用の小麦粉が、なかなか香港のスーパーに戻ってきません。手持ちの日本の強力粉を大切にとっておいて、こんなときによその国のものを試してみます。
香港に来た当初は、つまり、20数年前は、イギリス、アメリカ, アメリカの小麦を中国で製粉したものしかありませんでした。最近、フランス、カナダ、台湾からの小麦粉が入っています。今回、初めて試すタイ製の強力粉です。
粉を手でぎゅっと握るとその感触で、まず、おいしいかどうかがわかるようになってきました。こね始めてドフの温度が上がると香りがします。この香りは粉の持つ香りです。フランスのやイギリスのはこの香りで、うまくできるかな?と心配になります。香りも、おいしさもも個人的なものです。つまり、私の尺度です。
日本の強力粉は、この段階でいい香りです。この、タイ製に強力粉、香りがありません。これもだめかなと心配になる私です。
こね上げた段階でも、かすかにバターが香るだけ。ところが、オーブンに入れると、驚いたことに、入れる前よりぐっと持ち上がって大きくなりました。これはいい粉の証拠です。
焼いていても香りはたちませんが、縦伸びするいい粉です。いいものを見つけました!
縦伸びする粉で焼くと、しっかりと形が決まります。香りがない分、うまみにかけますが、そこはおいしい日本の強力粉と混ぜて使います。
日本にいるときは、日清製粉ばかりでなく、東京製粉、昭和製粉と試してみました。どこの粉も、それなりにおいしく焼き上がります。日本の製粉技術は優れています。
香港で、こうして失敗を重ねながら、自分の家の好みにあったパンを焼くことも、また楽しいものです。何と、このタイ製の強力粉、日本製のものの4分の一の値段です。