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先日、日本の雑誌を見ていると、東京の有名なのか人気なのか、花屋さんが10数店取り上げられていました。味も素っ気もない、ニコリともしない香港の花市の花屋さん、そんな花屋さんから大束の花を求める私です。日本の花屋さん、ディスプレイも素敵、コックリした色の花束が店先に飾ってあったり、その特集を食いいいるように見ていました。その店のフラワーデザイナーの人まで写真で紹介されています。やはり、素晴らしい花屋です。香港のセントラルの花屋さん、市場とは違いますが、日本の花屋さんのような華やかさはありません。
ふと気付くと、花屋さんの名前がほとんど横文字です。しかも、一時期のような何々フローリストではなく、フランス語。カタカナ表記ではありません。気になって、所在地も確かめると、ほとんどがファッションのメッカといわれる一帯に集中しています。この雑誌、東京のタウン誌ではありません。東京のことを書けば見る人も多く、地方の花屋さんも刺激を受けるかもしれないけれど、何でまた、花屋さんの名前が横文字ばかりなのでしょう?たった1軒、老舗の漢字で屋号のある花屋さんが紹介されていました。
東京は、フランスでも有名な花屋が支店も出しています。横文字の花屋のデザイナーの人も、そういう店やフランス、イギリスで学んだ経歴のある人のようです。その屋号ひとつとっても、思い入れのある言葉のようです。華やかな街の1本裏に入った辺に、フランス語の名前を掲げている花屋を想像します。確かに、なんだかいい感じです。そのいい感じが好きな人は、そうした花屋で、お値段にいろいろな付加価値を付けた花を買って行くのです。
花も生きています。横文字やどこでアレンジを学んだとか、そんなこと関係なく、花を人に届ける、花の命を人に届ける、しかも、手頃な値段で。そんな花屋があるといいなと思います。
花を売り歩くおばあさんがいる日本海に面した街のことを、以前テレビで見たことがあります。若い時からずっと、おばあさんになるまで花を家々に運んで来たおばあさん。このおばあさんが逝ってしまったら、この街の花はどうなるのかな?と思いました。
金銭的に豊かな人は、花ひとつにでも何か付加価値を付けてお金を払うことが出来るでしょうが、ほんとの豊かさって、そんなものかなあ?
私が花屋を始めたら、屋号は、「花屋 下川」です。どうぞ宜しく。