晴、5度、73%
私が主婦になったのは47年前、料理も何も知らない新米主婦でした。そして食べるものも、食材も今とは違いもっと質素で多様性がなかった時代でした。世界中のものがプチンと押すだけで手に入る現代とは大違いでした。
何で知ったのか「シチュー」に肉の匂い消しに入れる「ブーケガルニ」というものがあるのを知りました。当時は生のハーブなど、パセリと月桂樹ぐらいしかなかったと記憶しています。「ブーケ」ですから束ねられたハーブがその基本です。フレッシュの方が香りが高いけど、乾燥ハーブの「ブーケガルニ」をデパートの食品売り場で見つけました。ガーゼに乾燥ハーブが包まれてまん丸な形です。当時の我が家にとっては高い買い物でしたが、買いました。「朝岡スパイス」の「ブーケガルニ」でした。 数日前、家のスパイスの年末点検をしました。香りが飛んだり、湿気がきているものは捨てます。補充のためにスーパーのスパイス売り場を見ました。スーパーにより取り揃えられている数の多さが違います。そのスーパーは「ギャバン」「ハウス」「朝岡スパイス」のものが揃っていました。「朝岡スパイス」の棚の隅っこに「ブーケガルニ」の入れ物がありました。47年前の入れ物と全く同じです!
そういえば、「朝岡スパイス」は小瓶も、ラベルもその昔と全く同じです。今では庭のフレッシュなハーブで「ブーケガルニ」を作りますが、懐かしさから「朝岡スパイス」のブーケガルニを買いました。 大きさも昔のままです。ただガーゼではなく不織布に代わっています。煮物から取り出しやすいように鍋ふちに紐をかけるように、結び紐が長くなっていました。
「朝岡スパイス」は「ギャバン」の子会社、続いて「ハウス」の傘下になった現在でも昔と変わらぬものを作り続けています。その「朝岡スパイス」の心根に強く何かを感じます。私が初めて使った「朝岡スパイス」のスパイスたち、変わらぬ姿で売られています。小瓶が増えるのが楽しかった20代の私が蘇ります。スパイスを通して私の原点を見た思いです。