チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

あじさいのリース

2013年11月30日 | 日々のこと

晴れ、12度、49%

 この時期になると、毎年リースを作ります。時期が時期ですから、クリスマスのなんとも華やかな赤、緑、金のリースと思われますが、私のリースはいつも素っ気ないくらいに色がありません。その一年、生けた花をドライにしたものやドングリで作るリースです。2年前はドングリだけのリースを作りました。毎朝毎朝拾って来たドングリです。本棚の上にある大きなかごには、今年のドライフラワーが入っています。今は、かすみ草にアジサイがあります。

 アジサイやユーカリは、生のままリースにしても自然にドライになってくれます。ユーカリは白っぽくなりますが、秋色アジサイは、ほとんど色を残したままです。ドライにするときは、花が終わる少し前に、水からあげます。リースの台も様々です。ドングリのときは、ワイヤーを幾重にもしてドングリを付けました。でも普通、 藤で編んだ、こんな台を使います。直径20㎝ほどです。随分昔、香港の花市でたくさん買い溜めました。リースを作ると、友人にもあげます。今、手元には、この藤のリースの台が3つになってしまいました。最近は、発泡スチロールやオアシスの台の方が流行なのか、見かけなくなった藤のリースです。

 アジサイは、小房に分けて細いワイヤーをかけます。それを、この藤のリースの台に付けるので、いたって簡単。1時間もあれば充分に出来上がります。

 いつも大きな束を抱えて花市から戻ります。ドライにできる花は、出来るだけドライにしてまた楽しみます。枯れ葉のようにカサコソと音のするドライフラワーも生とは違った雰囲気です。

 11月も半ばを過ぎると、毎年同じ事の繰り返しです。クリスマス、お正月の向けての準備、寒さに向けての準備、ワーッと時間が過ぎて行きます。この年末に向けての家仕事、私は決して嫌いではありません。一年一年、私でも要領が良くなります。一年一年、掃除だって上手になります。後何年、こうして自分の手で年末の家仕事が出来るでしょうか。元気でいられることに、感謝します。

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デンマークのクロスステッチ 宿り木 松 クリスマスローズ

2013年11月29日 | クロスステッチ

晴れ、14度、41%

 まだまだ暑かった9月の半ばからさしはじめた3つのクロスステッチ、やっと額装が出来上がってきました。結局今年はこの3つしか刺せませんでした。実は刺しかけがひとつ、初めて自分で図案から興したクロスステッチですが、色決めで少しも前に進みません。何時出来ることやら、自分でも楽しみにしています。今回の、松、宿り木、クリスマスローズは大きさがそれぞれ若干違いますが、額の大きさは揃えて作ってもらいました。

  宿り木です。実際に宿り木を山の中で見かけたことがありません。花屋で売られているものをたった一度だけ。宿り木が寄生しているところを、一度は見たいと思い続けています。ヨーロッパでは、宿り木は、クリスマスのアドベントの頃から飾るそうです。リボンの部分は金糸を使っています。金糸は花糸にないので、DMCの糸です。金糸は麻の布通しが悪く、いつも引きつってしまいます。それでも、出来上がるとやはり華やかです。

  松も様々な種類があります。日本なら、こんな文様の松はあまり価値のない松ですね。松の葉は、クロスではなく、ただのバックステッチですが、一目一目指す楽しさは格別です。

  クリスマスローズ。昨年もひとつクリスマスローズを刺しました。今回のより色も控えめ、サイズも小さいものです。もう永年、クリスマスローズを育ててみたいと思い続けています。そのことをご存知の方が、この夏、種をくださいました。しわしわに乾燥した種でした。2晩水に漬けて、蒔きましたが、発芽しないままです。香港の暑さでは無理なのかもしれません。そんな思いが、いつもクリスマスローズへの憧れを強くします。

 麻の布ですから、とても目が細かく、ここ2年はめがねのお世話なしでは刺せなくなりました。図案の中でも、あら、半目違ってるわ、なんていうのはざらです。でも、絶対に半目ですら違ってはいけないのが、ボーダーです。図案を囲む枠です。半目違っていても、きちんと角が取れません。この大雑把な私が、きちんと目を数えて、数え漏れがないように、待ち針で印を付けながらの作業です。

 暑くても寒くても、刺繍をしている間は、モモさんは私の膝の上。気持ちよさそうに眠っています。モモさんの寝息を聞きながら、ひと刺し、ひと刺し。私にとって、心落ち着く時間です。

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そうめんのカルボナーラ風カラスミ和え

2013年11月28日 | 料理

雨、13度、95%

 香港で売られている「揖保の糸」のそうめんがとても高くなりました。頂き物の島原のそうめんは、どうも主人の口に合いません。そこで、帰国のついでに、少しずつ買い求めてきました。日本のスーパーなら、時折安くもなっています。我が家の夕飯は、締めにご飯より麺類を多く食べます。夏場に限らず、「揖保の糸」は活躍します。先日主人が、このそうめんは古い、とおっしゃいます。賞味期限、2015年、古くはないけど高温多湿の香港で一夏越すと、痛みが出ることもあります。そこで、残りの「揖保の糸」、私がお昼に食べ上げることにしました。

 そうめんをおつゆにつけて、ツルツルなんていうのでは、お腹持ちがよくありません。それに少し香港も寒くなってきました。暖かいそうめんを食べたいなと思います。冷蔵庫を見ると、頂き物のカラスミが残っています。私の大好物のカラスミですが、塩分が高いので、主人にはあげません。そこで思いついたのが、このそうめんメニュー。

 いたって簡単ですが、そうめんは2分ほどで湯で上がりますので、時間勝負。湯で上がったら、生卵、カラスミのすりおろしがスタンバイしてなくてはなりません。 なにぶんにも香港ですから、生卵は怖い。少しでも火を通したいのです。湯でたそうめんの水をしっかりときって、鍋に戻し、生卵をあえます。卵に火が通るぐらい、モロモロッとして来たら、摺り下ろしていたカラスミの半分と小ネギのみじん切りを混ぜます。残りのカラスミをふりかけて、おしまい。

 カラスミ半身の半分を使いました。 あー美味しい。こうした残り物、試作品は昼食時に限ります。たとえ、ちょっと変というのが出来上がっても、食べるのは私ひとりです。このカラスミ和え、コレステロール、血圧の高い方にはお勧め出来ません。さあ、今日もお昼はそうめんです。

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熊谷守一美術館

2013年11月27日 | 日々のこと

曇り、19度、84%

 先日の帰京は、ご無沙汰していた方の病気見舞いも兼ねていました。ご自宅に伺うので、時間帯に気を使います。お会いすれば話も長くなりそうです。昼過ぎに伺うことにして、空いた時間でかねてから行きたかった熊谷守一美術館へ向かいました。池袋のひとつ先、要町にある美術館です。東京の南西部しかよく知らない私にとって、池袋から先は、遠くに感じます。副都心線のおかげで、渋谷から20分で着くことが出来ました。

 要町の地下鉄の駅を出ると、目の前に並木道が拡がります。なんの木でしょう?そう高くない幹の太い木を見ていると、同じ都内かしらと思うようなのどかさです。香港の超高層ビルばかり見慣れた私の目には、並木道の向こうに空が見えるのに安心します。

 熊谷守一は、詩人だとばかり思っていました。画家だと知ったのは、10年ほど前のことです。絵を見ると、その人の詩と同じように、暖かさを感じます。飾り気のない、素のままの守一の人柄が伝わってくる気がします。

 美術館は、守一の家族で作られた私設のものを、先頃豊島区に寄贈して、区立の美術館に変わったようです。並木道を横に入り、住宅街の真ん中に普通の家のような作りでありました。 絵や詩ばかりか、彫刻、書も手がけた守一です。 

  眠りる守一と題が付けられています。

 ドアを開けると、コーヒーのいい香りがします。カフェには、5、6人の人がさも自分の家のような感じで声高に話しています。その中に、この美術館の館長の守一の次女の方の姿もありました。次女といっても、もう80を過ぎていらっしゃるはずです。やはり絵と彫刻をなさっています。白髪を薄いピンクに染めたその方にかるく会釈をして、展示室に入りました。

 私設の美術館ですし、守一が最後まで住んだ家の後に立てられたものですから、展示スペースはさほど広くはありません。それでも、守一の簡潔な筆致を直に見ることが出来るのは、なんとも幸せなことです。

 猫や虫を題材にした絵も沢山ありますが、私が一番好きなのは、「ヤキバノカエリ」と題された、3人の人が野道を歩く絵です。一人が、白い骨箱を抱えています。幾人かの子供を早くに亡くした守一です。その絵の余情は、絵を超えて伝わってきます。この絵は、どこか別の美術館の所蔵物です。

 私が知っている守一の絵といえば、簡潔な線、はっきりした色遣いのものばかりでした。今回初めて、若い頃の守一の作品を見ました。なんと、重ね重ね塗るこってりした静物画があります。守一のあの画風に至までには、やはり長い道のり、試行錯誤があったのですね。絵を見ているのは私ひとりです。この空間の空気を、独り占めしています。贅沢なことです。

 小さな美術館です、30分もいたでしょうか。階下に下りて来ると、カフェには人の姿が見えません。幾つかの、シルクスクーリーンが、手頃な値段で売られています。私でも、手が届きそうです。実は、この熊谷守一の美術館は、主人も行きたいと思っている美術館です。次回は二人で行くことにしましょう。

 

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小さなバック

2013年11月26日 | 身の回りのもの

曇り、18度、76%

 これからのシーズン何かと出事も多くなります。久々に、小さなバックを出してきました。着ていく服だってそんなに数あるわけではありません。バックだって、これっぽっち。でも、集まる人たちの顔ぶれを考えながら、組み合わせを考えます。最近は特に私より年配の方の顔ぶれで、服装を考えることが多くなりました。その点お若い方達とご一緒だと、気楽に構えていられます。

 普通のバックと違って、年に何度かしか使わない小さなバックたち、大事に仕舞ってありますから、皆さんお元気です。このバックたち、しかも随分とお年を召しています。全部、12歳以上です。まだ、私が携帯なんて持つ前に買ったバックたちです。このバック、それぞれを初めて見たその時のことを未だに覚えています。

  柔らかな裏革、持ち手のピンクとのコントラストがなんともいえず大好きです。高さは15センチほど。これは、色違いが沢山ありました。どの色の組み合わせも素敵で、これひとつに決めるのに随分時間がかかったものです。イタリアのものです。普段使いも出来ますが、持ち手を汚したくありません。

  写真では解り辛いのですが、黒のコットンの紐で編まれています。持ち手はプラスチック。キャリーフォーブスのものです。あの頃、この紐で編まれたバックが流行していました。ところが、このキャリーフォーブスの紐は、他ところと比べると艶が断然違います。未だに、黒い濡れ羽色。持ち手が、黒白の斑のものもありましたが、迷わずに真っ黒を選びました。

  実物に近い色で写っています。紫です。紺でも黒でもない、微妙な色の紫です。なんと、ルルギネスのバックです。昔はバックも作っていたんですね。このバックは、全く同じものでひと回り大きいサイズがありました。並べて見比べると、大きい方は、普通に見えます。ひと回り小さいだけで、ちょっとシックに見えました。これは、着物の時にも使えます。

  大きな私の手のひらにすっぽり納まるこのバック、クリーム色でエナメルではなく、シャイニーな革です。こちらも、キャリーフォーブスのもの。持ち手は、黒白斑のプラスチックです。

 みんなバックの袋に入れられて、1年に数度の出番を待っています。もう数を増やすつもりはありません。それぞれに出会ったときの、胸のトキトキが忘れられない小さなバックたちです。

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ワイヤーの花留め

2013年11月25日 | 身の回りのもの

曇り、17度、63%

 随分前に日本でも、ワイヤ−で出来た人形やバスケットなどが流行っていたことがあります。その頃、香港にフランスから実に繊細な細工のワイヤーのバスケットやカードホールダー、ろうそく立てが入ってきました。アンティークではありません。パリにあるフローリスとのクリスチャントルチュでも扱っていた、ワイヤー細工です。香港でも、クリスチャントルチュと提携していたジョイスのフラワー売り場に売られていました。小さいものは手のひらの大きさのケーキスタンド、大きいものは私の背ほどもある鳥籠です。ワイヤーといっても随分といい値段のものでした。少しずつ少しずつ買い集めました。

 そんな中のひとつが、 上から見るとこんな格好の花留めです。ワイヤー細工は、置物ではありません。実際に使うことを目的に作られているものです。当時求めてワイヤ−のものたち、しっかりと我が家で仕事をしています。ところが、この花留めはすっぽり入る大きさの花器が我が家にはありません。入っても高さが足りなかったり。

 見てるだけでも、形がいい花留めです。それでも時には仕事を言いつけます。 ドライフラワーを作る時これに刺しておくのです。湿度が高い香港ですから、ほぼ一年中どこかの部屋の除湿器が廻っています。その部屋にこうして置いておくだけで、ドライフラワーが出来上がります。いつかは、この花留めで花を生けてみたいのですが、透明な硝子の大きな花器、外からもこの花留めと花の茎が見えるのも素敵だなと想像します。

 ある時、このワイヤー細工が一斉に香港から姿を消しました。買う人も少なかったし、もっと買っておけばよかったと後悔しています。ワイヤー細工には、もう一つおまけの話が。ちょうど、香港からワイヤー細工が姿を消した頃、パリに行くことになりました。そこで、内心ホコホコの私でした。ところが、時差に非常に弱い主人とクリスチャントルチュの店の硝子ウィンドーの前に立ったのは、まだ外もやや白みはじめた早朝でした。大きな硝子のウィンドーの中、ずらっと並んだワイヤーが見えています。その日の午後ポルトガルに向かうので、結局買えずじまいです。いつかまた、巡り会うことがあると思っています。

 

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おかげさまで、モモさん復調しました

2013年11月24日 | もも

曇り、21度、85%

 水曜日の昼前から、左後ろ足に力が入らなくなったモモさん、その夕方には、座れない、立てないまでになりました。様子を見ようといつも思う私ですが、4年前に後ろ両足を傷めたことがあり、水曜日の夕方には、病院に連れて行きました。痛み止めの注射を受けて、5日間の痛み止めの錠剤をもらい帰宅しました。先生は5日間経っても状態が改善しなければ、レントゲンを撮って、その後を考えましょうとおっしゃいます。とにかく、5日間はサークルに入れて安静にしてください、とのことでした。

 我が家はサークルがありません。そこで、ドアを閉めて、動き回る範囲を狭くしました。一緒に寝ていますので、ベットへの上げ下ろしも私がします。買い物に出るときは、ぐしゃっとベットキルトを床に置き、その上に寝かせて出かけました。

 木曜の朝、雨降りでしたがトイレは外でしかしないモモさんを連れて、外に出ました。あれ?昨日とは打って変わって、しっかり歩きます。マーキングの時も、どちらの後ろ足も軸足に使います。きっと痛み止めが効いているので、いつもと変わらないのだと思っていました。食欲は、パグですから衰えません。今年のはじめに熱を出した時、何も食べなかったことがありました。パグが、食べないということは、一大問題です。

 犬は、ぎりぎりまで痛みを我慢するのだと聞いています。痛みに強いのではなくて、我慢しているのだそうです。それを思うと、痛み止めで少しは楽になっている様子を見ると、こちらの気も楽になります。4年前の後ろ両足の関節を痛めたときは、3ヶ月ほど時間がかかりました。外にも出たがりませんでした、それに健康のバロメーターのシッポが垂れたままでした。地面に付きそうなくらいモモさんのシッポは長く、そのシッポがブラーンと揺れるさまは、痛ましくさえありました。関節注射、軟骨を補修する注射を3回受けて、元気になりました。家の中での上り下りはもちろん、坂に面したところに住んでいます、散歩の上り下りも、足に負担をかけないように抱いてやっていました。まだ、よく太っていて10.5キロもありました。

 人間でも、関節などの病気は時間がある程度解決してくれるものです。少し、私も、気持ちを大きく持たなくては、と思います。さて、木曜日一日いつもの通りのモモさんです。金曜日も朝、痛み止めを飲ませました。留守にしていると、自分でベットに上っています。閉めてあるドアも勝手に開けてしまっています。痛み止めは一日2回、朝夕のご飯と一緒に飲ませます。金曜日一日、モモさんの様子を見ながら考えました。4年前のように、重症ではないようです。痛み止めを止めようかと考えたのです。薬は月曜日までの5日分もらっています。それを、私の判断で1日半で止めようと考えました。止めて、痛みが戻るかも知れません。

 金曜日の夜、薬をパスしました。土曜の朝の平常です。土曜日も朝晩、薬をパス。今朝も、元気に散歩に行き、今、一緒に朝ご飯です。

 目の艶、シッポの垂れ具合、ひどいときは一気に毛艶まで無くなります。 昨日のお昼、キャベツの千切りを食べています。シッポはクルクル。

 昨日の夕方の散歩時です。向こうから、パグのエルビス君がやって来ているのを、待ち構えています。4年前の重症のときも、散歩を欠かしませんでした。トイレのためだけではありません。犬の友達に会うと、シッポがくるっと上がるのです。また、すぐに垂れても、犬の友達に会うのは、モモさんにとって嬉しいことに違いありません。

 たくさんの方が心配してくださって、感謝しています。見出し写真は、昨日のお昼ご飯の後、私のベットに飛び乗ってお昼寝中のモモさんです。冬の間、午後陽が注し続ける香港島のピークに面したこのベットが、モモさんの定位置になります。

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シンガポールのオンシジュウム

2013年11月23日 | 

曇り、20度、77%

 もう20年ほど前になりますが、キャセイパシフィック航空の日本人初めてのスチュワーデスだったという方と親しくさせてもらっていました。まだ現役で飛んでいるスチュワーデスの方に頼んで、タイからランの切り花を買って来てもらっていました。時々お裾分けにあずかる私に、ランの切り花は香港にはタイから入ってくるのよと、教えてくださいました。不思議なもので、最初にそう覚えてしまうと疑いもなく、香港のランの切り花は全てタイからの輸入物だと思い続けていました。

 とにかく明るい色の花が欲しいと思って、花市に向かいました。モモさんの足の調子が悪くなって、寝不足、寝違い気味の朝です。花市に足を踏み入れると、まあ、本物偽物のモミの木が荷下ろしされています。小さなコニファーなども2週間前に来た時にはありませんでした。クリスマスに向けて、一直線の花市です。

 クリスマス、ニューイヤー、旧正月にヴァレンタイン、これから花市は一年で一番の書入れ時を迎えます。花の値段もぐっと上がり、世界中から入ってくる花の種類も一気に増えます。花市に限らず、香港中、一番街が華やかになるシーズンです。大して買い物もない私ですら、胸がワクワクするほどです。

 明かるい花と思いながら、花市を一巡します。夜来香のいい香りがしてきますが、花は地味そのもの、珍しく、オンシジュームが入荷されています。雀蘭とも言われる黄色い小さなランです。洋名は、ダンシングレディと聞いたことがあります。明かるい黄色といい、軽やかな花の感じに、今日はこれっと決めました。大きなバケツに、12本一束のオンシジュウムが10束ほどあります。2束は、 花の中心にチョコレート色の斑が入っています。後は、ただ黄色いだけのオンシジュームです。この斑の入った方が、なぜかインパクトがあって好きなので、つぼみの多い一束を取り上げて、おじさんに渡しました。くるくると新聞に巻いてくれるおじさんに、タイからの花なの?と尋ねると、シンガポールからだといいます。真っ黄色のオンシジュームは、タイからのものでシンガポールのより安いよ、とも。値段を聞くとシンガポールのものが300円ほど高めです。他の花とのアレンジならまっ黄色でもいいのですが、一種活けですから。斑入りを求めました。

 自生のオンシジュームは木に寄生しているそうです。シンガポールのランの植物園には2度ほど行きました。日本の皇室の方達の名前がついたランを初めて見たのも、そのシンガポールの植物園です。自生させているもの、温室で育てているもの、見事なラン園で、急に久しぶりに行ってみたくなりました。一年中、高い気温と、時折降る雨、ランの栽培にはタイやシンガポールは格好の土地なのかもしれません。

 鉢植えの蘭は一年中売られています。これからの季節、信じられないくらい高い鉢植えのランが出てきます。はい、もちろん日本からの輸入のランです。胡蝶蘭、シンビジュウム。とても手が出ませんが、日本のものが高値で売られていると、なぜか誇らしく思います。

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グローバルの包丁

2013年11月22日 | 身の回りのもの

小雨、19度、79%

 包丁が切れないと、どうも台所仕事がいやになってしまいます。切れる切れない、この差は非常に大きく、切れる包丁だと鼻歌まで飛び出す始末です。そして、切れない包丁だと、自分の腕はさておいて、うまくないのは包丁のせいだと言います。

 包丁は鋼もステンレスも、研ぎながら使うもの、一生ものなんてあり得ません。私のまだ、35年ほどの主婦生活でも、幾度も包丁を新調してきました。研げば、包丁は次第に痩せて行きます。まだ、貧しかった頃に、主人が杉本の包丁に私のフルネームを入れて買ってくれたことがありました。鋼の包丁でした。大事に使いますが、研がないとすぐに切れなくなります。そのうえ、洗ってすぐに拭き上げないと、錆が出て他の食器にしみを付けることもありました。そんな大事な包丁も痩せて来て、始末してしまいました。

 グローバルの包丁を見つけたのは10年ほど前のこと、香港の調理器具屋にずらりと並んだ、刃と持ち手が一体となったなんとも形がきれいな包丁です。全部箱に入って陳列されているので、握ってみることは出来ませんでした。ちょうど、菜切り包丁が欲しかったので1本求めました。次に、やっぱり出刃包丁よねと、また1本。その頃、初めて、このグローバルが日本の会社の製品だと知りました。もちろん、アルミ加工で有名な新潟の燕市の会社です。日本でも、この包丁が次第に有名になってきました。つまり、海外で、評判を得て、日本でも認められるようになったようです。確かに、香港で売られているパッケージでは日本の商品だとは気が付きません。

 3本目に求めたのが、 とても薄刃のこの包丁です。ちょっと見ただけでは解りませんが、フレキシブルと呼ばれていて、刃がしなります。この切れ味をお見せしたいほどです。柔らかめのトマトの皮もお肉の筋もすっと刃が入ります。出来るだけ、用途にあった包丁をと思いながらも、気が付くとこれ1本しか使わないこともあります。このフレキシブルは、種類も少なく、グローバルの直営店か海外でしか買うことができないそうです。

 4本目は、母が施設に入る前に、実家の台所用に求めました。日本のデパートではほんの数種類しか置かれていません。母の手の大きさも考えて、実際に握って求めました。母が施設に入ったので、今は、息子の家にあります。三徳の小振りの方だと思います。先日、息子の家で、この包丁を初めて使いました。握り加減も重さも程よく、私も歳がいったらこの包丁にしようなどと考えます。

 木やアルマイトの柄が付いた包丁が当たり前だった頃に、持ち手が一体となった包丁を考えた方に驚きです。流石、もの作りの日本の細に入った神経を感じます。柄まですっきりと洗えて、継ぎ目に汚れが溜まりません。

 私はまだ、木屋、有次、堺の包丁を使ったことがありません。最近では、これらのお店でも一体化した包丁が作られているそうです。さあ、後数年後、今度はどこの包丁を手にしていることやら。

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モモさんの後ろ足がおかしくなりました

2013年11月21日 | もも

雨、19度、86%

 寒くもなく暑くもなく、こんな時期のモモさんの定位置はソファーの上です。午前中、買い物に出かける前からソファーでぐっすりと寝ていました。帰って来ても、動いた様子もなく同じ位置。私が台所で昼ご飯の用意をはじめると、いつものごとく足元にやって来ます。他のことに気をとられていたのですが、モモさんが座るときの様子がいつもと違います。スルンと滑ったように座った気がします。タイのイエローカレーを片手に、付いてくるモモさんを見ると腰から下がフラフラしています。力が入らない歩き方です。

 モモさん4年ほど前にも、後ろ両足の関節が悪くなって、数ヶ月、痛い思い、不自由な生活をしました。階段の上り下りは厳禁、当然、ソファーやベットの上り下りもさせてはいけません。つまり、お世話係の私が夜中も構わず上げ下ろしをしました。痛みがあるからでしょうか、いつもはクルクルとしっかり巻かれたシッポが、だらんとだらしなく下がっていました。痛み止めと一緒に、関節注射をして3ヶ月目から正常に歩けるようになりました。人間もそうですが、生きているものは病気や調子の悪いときが必ずあるものです。

 昨日は、様子を見るつもりで午後の約束を取り止め、自宅にいました。病院に連れて行くか迷っていたのですが、5時に予約を入れました。いつものように、午後はよく休みます。足の具合を見たいのですが、5時前まで眠り続けていました。散歩の一声で、ガバッと起きるモモさん、一向に動く気配がありません。立つこと座ることすら出来ないようです。心配が胸一杯に拡がります。我が家から歩いて5分ほどで、モモさんの病院です。しっかりと抱いて、坂を下ります。

 病院に入るとアフガンファンドの大きな2匹が、迎えてくれました。入院中の2匹です。するとモモさん、しゃんと立ってアフガンたちの挨拶に応えます。あれ、さっきまで立てなかったのに?でもやはり、腰がしっかりしていません。この病院は香港でも古くからある病院で、香港中に5カ所ほどあり、先生たちがローテーションを組んでそれぞれの病院を廻ります。いつも同じ先生に見てもらうことは出来ません。ほとんどがカナダ、オーストラリア、イギリスからやって来た先生です。今回はまだ若い女性の先生でした。4年前の女医さんは、痛がるモモを走らせて足の様子を見ました。今度の先生は慎重に屈伸させて動きを見ています。診断は、左後ろ足の不具合ということでした。痛み止めで、5日ほど様子を見るとのこと、出来るだけ歩かせないようにと指示が出ました。と言っても、全てトイレは外でするモモさんです。 耳の薬と痛み止めをもらって帰ってきました。帰りがけ、少し歩かせてトイレをしましたが、後ろ足は、心もとなげです。

 モモさんは、自分のベットを持っていません。寝るのは主人のベットか私のベットです。私が見ていないときの上がり下りが心配なので、見出し写真のように私のベットのしたに、キルトをグシャグシャに敷いてみました。案の定、夕飯が済むと、グシャグシャ大好きな人は、この上でうつらうつらはじめました。

 4年前も、今年はじめに熱を出したときも、モモさんの体調のバロメーターはシッポです。しっぽが垂れていれば、不調の印。ところが、 昨晩食後のモモさん、シッポはいつものようにクルクルまきです。私が休む時、よいしょっと、モモさんをベットにあげて休みました。

 いつものように起きると、外は小雨模様です。でも、モモさん昨晩トイレを完了していません。ベットからおろしてやると、いつものようにしっかり歩いて付いてきます。トイレに行く?と聞くと、嫌がる様子もありません。5分ほどで戻るつもりで外に出ました、昨夕と違い、足をあげてのトイレもいつもの通り、トイレの後の後ろ足でのガリガリもいつもの通り。雨が強くなったので帰ろうと言う私を、引っ張ります。いつものコースで帰ってきました。食欲はパグですから、大盛です。痛み止めのおかげかもしれません。

 様子をみることにします。ともあれ、モモさんは尾てい骨から後ろ足にかけてが、ウィークポイントのようです。いよいよ、年が明けると10歳になります。若いときは犬と一緒に生活をしていても感じなかったのに、一緒に歳をとることのありがたさをしみじみ感じます。

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