晴、26度、91%
昨年の10月ごろに彼岸花の球根をいただきました。花が終わった球根でした。「白い彼岸花ですよ。」とのことで早速庭のもちの木の下に球根を植えました。すると緑の綺麗な葉が真冬になるまでもちの木の下を彩りました。彼岸花は花が先に咲きそれから葉っぱが出て来ます。その綺麗な葉っぱを主人が見て、「これなあに?」「来年が楽しみな白の彼岸花よ。」と応えました。聞いてくれなければ、もしかしたらまた雑草と思って引っこ抜かれていたかもしれません。
8月の終わりにもちの木の下に小さな花芽が出ました。すくすくとまっすぐに伸びます。確かに白い花芽です。2日前から一番背の高いのが開き始めました。すると花弁の縁はややオレンジ色をしています。 開き切るとそのオレンジ色が全体に薄く初めて見る彼岸花の色です。
小さい頃、田んぼの畦道に見た彼岸花はどれも真っ赤でした。しかも群れて咲きますから綺麗でした。30年ぶりに帰国して園芸店に足を運ぶようになって驚いたことがたくさんあります。その一つが「リコリス」です。球根の写真は彼岸花、しかも赤だけでなくオレンジ、黄色、ピンクに白まであります。畦道に咲くとばかり思っていた彼岸花が、「リコリス」なんて呼ばれて園芸品種になっていました。この「リコリス」の球根を見るたびになんだか寂しく思いました。彼岸花は昔のままの赤で、田んぼに生えていればいいと思うからでしょう。
でも、白い球根の彼岸花を頂戴すると期待してこの1年待ちました。素敵な花色です。考えてみればもう田んぼのあぜ道すら少なくなっています。色とりどりの彼岸花がお庭に咲くお家もあります。私が庭仕事を離れていた30年、園芸の世界も素晴らしく発展していたのです。球根は植えてままで来秋もまた花を咲かせてくれると思います。お彼岸には主人の実家の霊園に参ります。山道に向かう時、わずかに広がる稲穂の田んぼに赤い彼岸花を見ることができます。
我が家の庭は友人たちからの贈り物でいっぱいです。みなさん、ありがとう、無事に育っていますよ。