晴、19度、84%
先日送られてきたハーブのブーケは段ボール箱に入っていました。ダンボールを開けると薄紙がふんわりと緩衝材で入れられています。その色も緑を損なわない薄い黄土色です。ブーケを包むのも同じ薄紙、その薄紙を根元で縛るのには黒い紙で出来た紐が使われていました。 しかも細い細い紐です。遠くから送られてきましたので、ハーブの水を切らさないために根元には脱脂綿に水を含ませたものが巻き付けてあります。この脱脂綿を留めるのには細い凧糸が使われていました。
脱脂綿を取りハーブたちの根元を束ねるのにもやはり同じタコ糸です。いつもならこの根元を束ねを解いて花瓶に移しますが、ハーブですから長さがまちまちでかなり短いものも見られます。
そこで束ねたまま花瓶に挿しました。
花束をいただくと普通は紙を留めたり、根元を束ねるのに輪ゴムが使われています。ブーケのリボンの下は輪ゴムです。しゃれたお店ならラフィアが使われています。そんなお店でも根元を束ねるのには輪ゴムです。ましてや水を含ませた脱脂綿にはぐるぐると輪ゴムが巻かれています。
ハーブのブーケは一つ一つが紐でした。「紐解く」という言葉そのままに、紐をかけた人の手順と逆に私は解きました。ブーケに添えられた手書きのハーブの名前、お店の紹介が書かれた紙にまで紙の質を伺わせるものが使われています。
生きたハーブを大事にするお店の方の志を感じます。プチプチのエアーパッキンなどが入っていたら興ざめです。間違いのない「紐仕事」は心ばかりかその人の手の「熟練」を思わせます。
「ハーブのブーケ」の贈り物には、ハーブという驚き、香りにもらった驚き、そして見事なまでのブーケ作りに梱包、隅々にまで心配りを感じました。
紐を使って物を片付けるのが好きです。大事な物を入れる木箱には真田紐がかかっています。新聞を束ねるのにも紐を使います。ビニールの紐は丈夫でしょうがどうも好きになれません。庭仕事や荷造りには麻紐を使います。 日本人は着物を着るので紐の扱いにななれているはずです。「紐仕事」を大事にしていきたいと思います。