気ままに

大船での気ままな生活日誌

文化の日に

2006-11-03 21:33:10 | Weblog
今日は文化の日です。めったに見られない宝物を拝ませてもらおうと、風入れの円覚寺をふたりで訪ねました。

舎利殿の拝観も出来るということで、まず、そちらから見学です。お寺の人が、分かりやすく説明してくれます。唐様式の特徴が随所にちりばめられているということで、県下では唯一の建造物の国宝に指定されたということです。まず特徴の第一は、屋根の「こけらぶき」です。樹齢300年ぐらいのサワラの木をナタで切って、うすい板をつくり、それを屋根にふくそうです。20~30年は、もつそうです。ところが、今、この条件に合ったサワラの木があまりないそうです。なにしろ樹齢300年の木ですからね。前回も材料が足らず、屋根の半分しか修復できなかったそうです。文化財の維持には、自然環境を含めた総合的な国の力というか、幅広い分野のバックアップが必要なのですね。目先のことばかり考えていると、国の文化は滅びますよと言っているようでした。

下駄箱で靴を預け、宝物風入れをしている方丈に上がります。人人人でいっぱいです。国の重要文化財が目白押し、まさに宝の山です。まず、私の目を引いたのが、足利義満の額筆の三幅です。桂昌、普現、宿龍の文字が、それぞれの額に、太く、大きく書かれています。素朴な、暖かい感じの、武者小路実篤のような字です。高校生のグループが俺にも書けそうな字だと言って通り過ぎていきました。字は人を表わすと言いますから、こういう観点で、歴史の人の書をみていくと面白いです。

この春に近くの大学の生涯学習センターで古文書のお勉強も少ししましたので、その関係の展示品も、興味深く拝見させてもらいました。円覚寺は、各種書状、寄進状など沢山の貴重な古文書を保存していて、そのときの教材にも使われていたのです。

掛け軸の徳川家康像、夢窓国師像、達磨像、西行が富士山を眺めている図、応挙の虎図、雪舟の山水図など人並みに押されるようにして見ていきます。十分理解できないまでも、長い歳月を経た作品に、直に接するというだけで十分満足です。絵の中の人が何か語りかけてくるような気がします。

下駄箱のところで、私の靴が見つかりません。黒いジャガーの運動靴です。どうしたんだろうとよく探すと、すぐ近くに黒いジャガーが見つかりました。ほっとして、取り出すと、ちょっと違います。私のは、昨日買ったばかりの新品です。それに引き替えこちらは、履き古し、それに大きさまで違います。私のは25.5、これは24.5です。この持ち主が間違えて、はいていったに違いありません。少し歩けばわかるはずなのに、と悔しくなりました。5分ほど待っても来ませんでしたので、ぎゅうぎゅうのその靴を履いて円覚寺を出ました。

建長寺の風入れも見学の予定でしたが、これ以上歩くと、足にまめが出来そうだし、人混みも予想以上でしたので、ここで止めて、家に帰ることにしました。帰宅して、靴を履き替え、近くの鎌倉芸術館の鎌倉市民文化祭に行きました。華道展では、いろいろの流派のものが展示され、それぞれの特徴が良く分かり、面白かったです。東山源氏千家古流(ずいぶん長い名前ですね、3つくらいの流派が合併したのでしょうか)の作品がシンプルで気に入りました、とくに冬芽だけのコウリヤナギの作品は、枝の曲線美がすばらしかったです。大ホールでは、鎌倉市民合唱祭をやっていました。最後のアンサンブル・ボウという合唱団の、「叱られて」は心にしみる歌声でした。身近な文化もなかなか良かったです。

ジャガーの黒い運動靴のおかげで、遠い古い文化と身近な文化を同時に楽しむことができました、文化の日に。









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