京都のホテルを早く出て、奈良国立博物館に9時半前には着きました。この時間ですと、並ばずに入れました。去年は失敗しましたので、早起きしたのです。
春の二月堂のお水とりと並んで、秋の正倉院展は奈良の二代行事のひとつになっています。8世紀の中頃の宝物が、同じ倉の中で今日まで保存され続けているのは、世界でも正倉院だけだそうです。9000点にも及ぶ宝物の中の一部を毎年、奈良国立博物館で展示しているのです。今年の第58回展では、68点の宝物が展示されました。1250年も前の宝物はどれも、光り輝いていますが、ここでは全部を紹介することが出来ませんので、私の好みで、数点選んでみました。
七条刺納樹皮色袈裟:
聖武天皇が仏門に入られたときに身につけた袈裟です。まず、緑、茶、紫、赤、青、黄などのいろいろな形の絹の平布を重ね縫いをして7枚の長方形の布をつくります。それらをつなぎ合わせて袈裟にしたものです。全体の色合いが、とても気に入りました。落ち着いた茶色系をベースに、しぶい緑色の布が効果的に配されています。回りの縁取りは茶色の帯状の布でしたが、その布にも細かい模様がていねいに入れてありました。うしろで、これはパッチワークじゃない?、とか、細かいていねいな縫い目だ、とかの声が聞こえました。専門の人がみるとまた違う見方があるでしょう。
緑瑠璃十二曲長杯:
まず色が気にいりました。あざやかな緑色が輝いていました。いつまでも、みとれていたい色です。長径が20cmぐらい、短径が10cm程度の盃で、ふちに12のカーブ(十二曲)がみられます。よくみると、うさぎの模様が彫られています。
磁皿(二彩の皿):
35cmぐらいの大皿で、深緑と白の模様が気に入りました。中央の卍の緑の模様も面白いです。これに、相模湾の地魚お刺身盛り合わせを5人分くらい載せ、これをつまみに、前述の緑瑠璃十二曲長杯に並々ついだ、新潟銘酒、上善如水をいただきたいと不謹慎なことを想像しました。
ここまで書いてきて、私のお気に入りは、どうも特定の色に引き寄せられていることに気づきました。緑色系です。たしかに緑は好きです。うちの絨毯もカーテンも緑系ですし、愛用の座椅子(茶色のソファーには座らず、マンションに移ってからもこれ専門です)の色も緑です。そういえば、元キャスターの鎌倉山にお住まいの宮崎緑さんも好きです。トークショーにも行き、彼女が「私の好きな標語があります。鎌倉の緑を大切にしましょう、です」と言ったので、最近、鎌倉の風致保存にも関心を持ち始めました。
献物を、納める箱、のせる台、包む風呂敷みたいなもの、すべてが、それぞれ、ていねいに、心をこめて、作られているのには驚きました。ひとつひとつが、第一級の芸術品でした。
正倉院には、古文書も1万点ぐらいあるそうです。展示物の中では、日本最古の戸籍というのがありました。大宝2年のもので、なにかの文書の裏に書かれていました。当時は紙が大切だったのですね。名前、年齢、間柄などがきれいな文字で書かれていました。
「初出場」と赤い文字で書かれたカードが前に置いてある、展示品も時々、見ました。そういう宝物は嬉しそうな、恥ずかしそうな顔をしていました。正倉院の1万点近い宝物歌手にとっては、毎年の正倉院展出場は、紅白歌合戦に出場するようなものなのですね。連続何回出場とかいうカードも置いてもらえると面白いですね。正倉院の五木ひろし(連続出場)とか、小林幸子(どはで)とか、沢田研二(人気者のカムバック)とかの、あだ名がつき親しまれるかもしれませんね。
とても楽しい正倉院展でした。
ーーーーーーーーーー
午後は奈良公演を散歩しました。結構赤い紅葉が目立ちました。ナンキンハゼがたくさんあり、それが早々紅葉しているのです。奈良に来ると必ず立ち寄る、三月堂の仏像さんたちも拝観しました。16体もの国宝、重文の仏像がある中でも、月光菩薩が一番好きで、いつも、80%ぐらいの視線をそちらに向けています。
本物の正倉院もこの時期は、近くで見られるので、そこも見学していきました。建物自身もとても風格がありました。来年もまた、来ますね、と言って別れました。
春の二月堂のお水とりと並んで、秋の正倉院展は奈良の二代行事のひとつになっています。8世紀の中頃の宝物が、同じ倉の中で今日まで保存され続けているのは、世界でも正倉院だけだそうです。9000点にも及ぶ宝物の中の一部を毎年、奈良国立博物館で展示しているのです。今年の第58回展では、68点の宝物が展示されました。1250年も前の宝物はどれも、光り輝いていますが、ここでは全部を紹介することが出来ませんので、私の好みで、数点選んでみました。
七条刺納樹皮色袈裟:
聖武天皇が仏門に入られたときに身につけた袈裟です。まず、緑、茶、紫、赤、青、黄などのいろいろな形の絹の平布を重ね縫いをして7枚の長方形の布をつくります。それらをつなぎ合わせて袈裟にしたものです。全体の色合いが、とても気に入りました。落ち着いた茶色系をベースに、しぶい緑色の布が効果的に配されています。回りの縁取りは茶色の帯状の布でしたが、その布にも細かい模様がていねいに入れてありました。うしろで、これはパッチワークじゃない?、とか、細かいていねいな縫い目だ、とかの声が聞こえました。専門の人がみるとまた違う見方があるでしょう。
緑瑠璃十二曲長杯:
まず色が気にいりました。あざやかな緑色が輝いていました。いつまでも、みとれていたい色です。長径が20cmぐらい、短径が10cm程度の盃で、ふちに12のカーブ(十二曲)がみられます。よくみると、うさぎの模様が彫られています。
磁皿(二彩の皿):
35cmぐらいの大皿で、深緑と白の模様が気に入りました。中央の卍の緑の模様も面白いです。これに、相模湾の地魚お刺身盛り合わせを5人分くらい載せ、これをつまみに、前述の緑瑠璃十二曲長杯に並々ついだ、新潟銘酒、上善如水をいただきたいと不謹慎なことを想像しました。
ここまで書いてきて、私のお気に入りは、どうも特定の色に引き寄せられていることに気づきました。緑色系です。たしかに緑は好きです。うちの絨毯もカーテンも緑系ですし、愛用の座椅子(茶色のソファーには座らず、マンションに移ってからもこれ専門です)の色も緑です。そういえば、元キャスターの鎌倉山にお住まいの宮崎緑さんも好きです。トークショーにも行き、彼女が「私の好きな標語があります。鎌倉の緑を大切にしましょう、です」と言ったので、最近、鎌倉の風致保存にも関心を持ち始めました。
献物を、納める箱、のせる台、包む風呂敷みたいなもの、すべてが、それぞれ、ていねいに、心をこめて、作られているのには驚きました。ひとつひとつが、第一級の芸術品でした。
正倉院には、古文書も1万点ぐらいあるそうです。展示物の中では、日本最古の戸籍というのがありました。大宝2年のもので、なにかの文書の裏に書かれていました。当時は紙が大切だったのですね。名前、年齢、間柄などがきれいな文字で書かれていました。
「初出場」と赤い文字で書かれたカードが前に置いてある、展示品も時々、見ました。そういう宝物は嬉しそうな、恥ずかしそうな顔をしていました。正倉院の1万点近い宝物歌手にとっては、毎年の正倉院展出場は、紅白歌合戦に出場するようなものなのですね。連続何回出場とかいうカードも置いてもらえると面白いですね。正倉院の五木ひろし(連続出場)とか、小林幸子(どはで)とか、沢田研二(人気者のカムバック)とかの、あだ名がつき親しまれるかもしれませんね。
とても楽しい正倉院展でした。
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午後は奈良公演を散歩しました。結構赤い紅葉が目立ちました。ナンキンハゼがたくさんあり、それが早々紅葉しているのです。奈良に来ると必ず立ち寄る、三月堂の仏像さんたちも拝観しました。16体もの国宝、重文の仏像がある中でも、月光菩薩が一番好きで、いつも、80%ぐらいの視線をそちらに向けています。
本物の正倉院もこの時期は、近くで見られるので、そこも見学していきました。建物自身もとても風格がありました。来年もまた、来ますね、と言って別れました。