数日前に、腰のあたりの皮膚に赤いぶつぶつがいくつかまとまった発疹を見つけました。源氏山のやぶに入ったときにでも虫に喰われたのかなと思って、そのままにしていましたら、翌日、その発疹が尻やモモのあちこちに、たくさん増えていて、おまけに右足の付け根やももの筋付近にずきずきする痛みを感じるようになりました。医者嫌いの私ですが、さすがに心配になり、近くの皮膚科医院を訪ねました。
先生は、50代のスリムな美人女医さんでした。それにしても、皮膚科の先生は女医さんが多いですね、5年ぐらい前にかかった先生も女医さんでした。先生はぼくの腰の辺りを診るやいなや、これは帯状疱疹です、と断言しました。
ぼくは驚きました。ぼくの周囲で帯状疱疹に罹った人を何人もみていて、みな一様に、痛い痛いと苦しがっていたのを思い出したのです。その大変な病気に、自分が罹るなんて思いもよらなかったのです。
まだ、始まったばかりですから、これからますます痛くなりますよ、と先生は脅かします。でもいい薬があるし、どうしても我慢できなければ、痛み止めの薬を飲んでください、2~3週間で直るでしょう、身体が弱ったときに出る病気で、神経細胞の中で忍者のように潜んでいた子供の頃にかかった、水ぼうそうのウイルスが表に出てくるのです、と説明してくれました。
最近何か無理をしましたかと聞かれましたので、今仕事はしていませんが、遊びごとでも無理してはいけないのですか、と尋ねますと、仕事の鬼だけではなく、遊びの鬼でもよくこの病気に罹ります、と答えてくれました。そういえば、思い当たるふしはあります、桜のシーズンに入って、毎日あちこち出ずっぱりでしたし、おまけに大リーグが始まって、ヤンキースの試合を深夜にみたり、眠る暇がないのです、と答えました。先生はあきれた顔をして、それには答えず、じゃー、しっかり抗ウイルス剤を飲んで、普通の生活をしてもいいですが、お酒はだめですよと釘をさして、ぼくの診察を終えたのでした。
というわけで、今、ぼくは桜の季節だというのに外出もせず、ときどき来る、下半身のずきーんという痛みと闘っているのです。闘うというより楽しんでいると言った方がいいかもしれません。痛み止めは飲まず、めったにないチャンスですので、痛みの三重奏を楽しんでいるのです。
そのうち、ずきーんという痛みに3種類あることに気づきました。ひとつは弱々しい、小さな”ずきーん”です。結構な数、きますが、余り気になりませんし、むしろ可愛いくらいです。で、ぼくはこの”ずきーん”に”赤ずきん”ちゃんというあだ名をつけました。
一番やっかいな”ずきーん”は、突然やってきて、大暴れします。これでもか、これでもかと、ぼくのモモのあたりをえぐってきます。寝返りをうった後などによく、現われる強い痛みの”ずきーん”です。ぼくはこの”ずきーん”に、”怪傑黒ずきん”とあだ名をつけました。でも、この”ずきーん”を尊敬しているから、このあだ名をつけたのですよ。なぜなら、怪傑黒ずきんはいつも危機一髪のとき、突如どこからともなく、現われてぼくを助けてくれるからです。きっと、今もぼくの身体を守ために働いてくれていると思うのです。ですから、ようこそ怪傑黒ずきん、メルシー怪傑黒ずきんです。
もうひとつ、色っぽい”ずきーん”というのがあります。足の付け根あたりにときどきくる中程度の”ずきーん”です。この”ずきーん”は、”紫ずきん”とあだ名をつけました。松嶋菜々子さんの紫頭巾を想像してください。でも、この”紫ずきん”は、みかけはいいのですが、意外と冷たいのです。座っているときとかは、気持ちがいいのですが、問題は歩いている時です。ぼくが歩き始めると、菜々子さんが絶え間なく現われて、”ずきーん””ずきーん”で、長く歩いていられないのです。普段なら10分で行ける医院も、30分もかかってしまいます。
というわけで、ぼくは、今週末行く予定していた吉野山の桜見物のツアーをキャンセルし、しばらく療養し、3人のずきんちゃんと仲良くあそぶことにしたのでした。
・・・・・
写真は先日撮った、鳴沢村の富士山です。富士山ー登山ー登山靴ー靴擦れー痛いー帯状疱疹 という連想ゲームで、無理矢理この記事と関連づけました。
先生は、50代のスリムな美人女医さんでした。それにしても、皮膚科の先生は女医さんが多いですね、5年ぐらい前にかかった先生も女医さんでした。先生はぼくの腰の辺りを診るやいなや、これは帯状疱疹です、と断言しました。
ぼくは驚きました。ぼくの周囲で帯状疱疹に罹った人を何人もみていて、みな一様に、痛い痛いと苦しがっていたのを思い出したのです。その大変な病気に、自分が罹るなんて思いもよらなかったのです。
まだ、始まったばかりですから、これからますます痛くなりますよ、と先生は脅かします。でもいい薬があるし、どうしても我慢できなければ、痛み止めの薬を飲んでください、2~3週間で直るでしょう、身体が弱ったときに出る病気で、神経細胞の中で忍者のように潜んでいた子供の頃にかかった、水ぼうそうのウイルスが表に出てくるのです、と説明してくれました。
最近何か無理をしましたかと聞かれましたので、今仕事はしていませんが、遊びごとでも無理してはいけないのですか、と尋ねますと、仕事の鬼だけではなく、遊びの鬼でもよくこの病気に罹ります、と答えてくれました。そういえば、思い当たるふしはあります、桜のシーズンに入って、毎日あちこち出ずっぱりでしたし、おまけに大リーグが始まって、ヤンキースの試合を深夜にみたり、眠る暇がないのです、と答えました。先生はあきれた顔をして、それには答えず、じゃー、しっかり抗ウイルス剤を飲んで、普通の生活をしてもいいですが、お酒はだめですよと釘をさして、ぼくの診察を終えたのでした。
というわけで、今、ぼくは桜の季節だというのに外出もせず、ときどき来る、下半身のずきーんという痛みと闘っているのです。闘うというより楽しんでいると言った方がいいかもしれません。痛み止めは飲まず、めったにないチャンスですので、痛みの三重奏を楽しんでいるのです。
そのうち、ずきーんという痛みに3種類あることに気づきました。ひとつは弱々しい、小さな”ずきーん”です。結構な数、きますが、余り気になりませんし、むしろ可愛いくらいです。で、ぼくはこの”ずきーん”に”赤ずきん”ちゃんというあだ名をつけました。
一番やっかいな”ずきーん”は、突然やってきて、大暴れします。これでもか、これでもかと、ぼくのモモのあたりをえぐってきます。寝返りをうった後などによく、現われる強い痛みの”ずきーん”です。ぼくはこの”ずきーん”に、”怪傑黒ずきん”とあだ名をつけました。でも、この”ずきーん”を尊敬しているから、このあだ名をつけたのですよ。なぜなら、怪傑黒ずきんはいつも危機一髪のとき、突如どこからともなく、現われてぼくを助けてくれるからです。きっと、今もぼくの身体を守ために働いてくれていると思うのです。ですから、ようこそ怪傑黒ずきん、メルシー怪傑黒ずきんです。
もうひとつ、色っぽい”ずきーん”というのがあります。足の付け根あたりにときどきくる中程度の”ずきーん”です。この”ずきーん”は、”紫ずきん”とあだ名をつけました。松嶋菜々子さんの紫頭巾を想像してください。でも、この”紫ずきん”は、みかけはいいのですが、意外と冷たいのです。座っているときとかは、気持ちがいいのですが、問題は歩いている時です。ぼくが歩き始めると、菜々子さんが絶え間なく現われて、”ずきーん””ずきーん”で、長く歩いていられないのです。普段なら10分で行ける医院も、30分もかかってしまいます。
というわけで、ぼくは、今週末行く予定していた吉野山の桜見物のツアーをキャンセルし、しばらく療養し、3人のずきんちゃんと仲良くあそぶことにしたのでした。
・・・・・
写真は先日撮った、鳴沢村の富士山です。富士山ー登山ー登山靴ー靴擦れー痛いー帯状疱疹 という連想ゲームで、無理矢理この記事と関連づけました。