奈良国博で開催されている、第59回正倉院展を観てきました。気まま生活に入り、3年連続の参加となります。正倉院の出来た、8世紀(奈良時代)には日本の伝統工芸技術は古今を通じて最高レベルに達し、その後、衰退し、江戸末期から明治時代に一時盛り返しましたが、古代の技術レベルには及ばないかったと、いう専門家の話を聞き、こんなすばらしい宝物は毎年観なくてはと思ったのです。
9000点の正倉院宝物のうち、今回展示されているのは、70点ほどです。目玉として紹介されている品を始め、どれもこれも、素晴らしい宝物ですが、ここでは、ボクの気に入った宝物をいくつか紹介することにします。
刻彫梧桐金銀絵花形合子:戒壇堂(かいだんどう)という文字が裏に墨で書かれていました。戒壇堂は唐から招かれた鑑真和上のためにつくられたお堂ですから、この花形合子も鑑真が唐から持参したものと考えられています。ボクは最近、井上靖の”天平の甍”を読み、その映画も観て、盲目になっても遣唐使との約束を守り、幾多の困難を乗り越えて来日し、”受戒の制度”を伝えた鑑真和上をソンケイしていたのです。ですから、工芸美術品としてカンドーしたのではなく、合子の向こうの鑑真和上の影にカンドーしたのだと思います。
四分律 巻第十五 (唐経):これも鑑真和上が持参したお経(写経)といわれています。一つひとつの文字がとても、ていねいに書かれていました。素人のボクがみても上手な字だと思いました。これも上と同じ理由で心に残りました。
花氈(フェルトの敷物):カシミヤに似た山羊の毛でつくられた敷物です。ボクの好きな緑色、朱色を基調にしていたので気に入ったのかもしれません。大陸の植物の種子が潜り込んでいたそうで、国産ではなく、どうも大陸産のようです。
古裂残欠(こぎれざんけつ):これは、着物や組紐などの布きれを集めたものです。緑、紫、紺、白、紅、と色とりどりの”古裂残欠”が白い長方形のマットの上にのせられ、それ自体が一幅の額縁の絵のようでした。パッチワークが趣味の方はこんな布切れ一度使ってみたいわ、と思うでしょうね。
墨絵弾弓(すみえのだんきゅう):これは目玉出し物のひとつですが、ボクも気に入りました。弓矢ではなく、玉をはじいて飛ばす遊び道具だそうです。ここに漫画のように細かく描かれている墨絵が見所なのです。目を凝らしてみると、唐の都で流行った「散楽」を楽しむ人々の様子があざやかに現われてきました。
ちょっと変わったものでは、ミツバチの巣を加熱して作った蝋、”ろうみつ”が目を引きました。ろうけつ染めや薬用に使用したそうです。現在でも蜜蝋として使用されていますね。それから犀の角で作った”犀角杯”も、飲み助のボクにはドキンちゃんでした。マイぐいのみコレクションに入っていただければ、サイ上位のカドの位置にハイを置かせていただきますが。
・・・
約2時間後、ワイフと会場出口で出会い、外のテント内で特製弁当を頂き、午後は真っ赤なナンキンハゼがきれいな奈良公園(写真)を散策しながら、東大寺三月堂の、色白美人の月光菩薩さんを一年ぶりに訪ねたり、鑑真和上の東大寺戒壇堂にお参りしたりして、京都の宿に戻りました。
9000点の正倉院宝物のうち、今回展示されているのは、70点ほどです。目玉として紹介されている品を始め、どれもこれも、素晴らしい宝物ですが、ここでは、ボクの気に入った宝物をいくつか紹介することにします。
刻彫梧桐金銀絵花形合子:戒壇堂(かいだんどう)という文字が裏に墨で書かれていました。戒壇堂は唐から招かれた鑑真和上のためにつくられたお堂ですから、この花形合子も鑑真が唐から持参したものと考えられています。ボクは最近、井上靖の”天平の甍”を読み、その映画も観て、盲目になっても遣唐使との約束を守り、幾多の困難を乗り越えて来日し、”受戒の制度”を伝えた鑑真和上をソンケイしていたのです。ですから、工芸美術品としてカンドーしたのではなく、合子の向こうの鑑真和上の影にカンドーしたのだと思います。
四分律 巻第十五 (唐経):これも鑑真和上が持参したお経(写経)といわれています。一つひとつの文字がとても、ていねいに書かれていました。素人のボクがみても上手な字だと思いました。これも上と同じ理由で心に残りました。
花氈(フェルトの敷物):カシミヤに似た山羊の毛でつくられた敷物です。ボクの好きな緑色、朱色を基調にしていたので気に入ったのかもしれません。大陸の植物の種子が潜り込んでいたそうで、国産ではなく、どうも大陸産のようです。
古裂残欠(こぎれざんけつ):これは、着物や組紐などの布きれを集めたものです。緑、紫、紺、白、紅、と色とりどりの”古裂残欠”が白い長方形のマットの上にのせられ、それ自体が一幅の額縁の絵のようでした。パッチワークが趣味の方はこんな布切れ一度使ってみたいわ、と思うでしょうね。
墨絵弾弓(すみえのだんきゅう):これは目玉出し物のひとつですが、ボクも気に入りました。弓矢ではなく、玉をはじいて飛ばす遊び道具だそうです。ここに漫画のように細かく描かれている墨絵が見所なのです。目を凝らしてみると、唐の都で流行った「散楽」を楽しむ人々の様子があざやかに現われてきました。
ちょっと変わったものでは、ミツバチの巣を加熱して作った蝋、”ろうみつ”が目を引きました。ろうけつ染めや薬用に使用したそうです。現在でも蜜蝋として使用されていますね。それから犀の角で作った”犀角杯”も、飲み助のボクにはドキンちゃんでした。マイぐいのみコレクションに入っていただければ、サイ上位のカドの位置にハイを置かせていただきますが。
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約2時間後、ワイフと会場出口で出会い、外のテント内で特製弁当を頂き、午後は真っ赤なナンキンハゼがきれいな奈良公園(写真)を散策しながら、東大寺三月堂の、色白美人の月光菩薩さんを一年ぶりに訪ねたり、鑑真和上の東大寺戒壇堂にお参りしたりして、京都の宿に戻りました。