気ままに

大船での気ままな生活日誌

出光美術館でユートピア

2009-12-11 11:45:46 | Weblog

先日、東慶寺の出光佐三のお墓のことを、書いているうちに、そうだ、出光美術館で楽しそうな、展覧会をやっているはずだ、と翌日出掛けてきました。いつも、行き当たりばったり、の”気まま”な行動です(汗)。

御堀端に近い、帝劇の隣りの美術館、何度か行ったことがあります。今回の特別展示は、”ユートピア/描かれし夢と楽園”。本当に、どの絵も、のんびりとしてしまう”夢と楽園”でしたよ。展示室も、休憩用の椅子があちこちにあったり、桜田門近くの御堀端が展望できる休憩室があったりで、美術館自身もユートピアでした。

うつくしい、桜と紅葉の屏風(吉野瀧田図)の前の椅子に座り、しばらく観賞。外の紅葉はもうほとんど終わりに近いですが、ここのは、永遠。この前、根津美術館で観たものかなとしばらく思っていましたが、うん?、短冊が描かれていないぞ、違うと気付いて立ち上がると、左の壁に説明文が。根津のは、吉野瀧田図屏風(江戸時代)で、これは桃山時代のものだそうだ。二か月くらいの間、両方観られて、ラッキーでした。

酒井抱一の”十二か月花鳥図貼付”もよかったです。花や鳥だけではなく、季節ごとの、昆虫までちょこちょこ出演していました。トンボ、蝶、かまきり、こおろぎまで。一方、伝宗達の”四季草花図屏風”は季節におかまいなく、あちこちに春の花、秋の花をちりばめて、まるでちゃんこ鍋のような、おいしい屏風絵でした。

そうそう、美人観賞図(勝川春章)にもうっとり(汗)。この章は、”美人衆芳/恋と雅”のタイトルで宗達の伊勢物語や源氏物語に出てくる美人も観られます。”美女がいっぱい”も、やっぱりユートピア(汗)。

いねむりもユートピア(汗)。布袋さまが気持ち良さそうにこっくり、こっくりしている、布袋図(室町時代)。お酒もユートピア(汗)。官吏をやめ、田舎に隠遁し、お酒をあびるほど飲み、詩をつくりながら、ゆうゆうと暮らしている陶淵明図(明末期)。ぼくはお酒は好きだけど、田舎の隠遁生活は性に合わないかな。ほどほど田舎で、ほどほど都会の、この辺りが一番。

特別展を出てからもユートピアは続いていました。陶片室です。陶磁器のかけらの蒐集保存室ですが、そこで、最近、ちょっと好きになり始めている古陶のかけらがいっぱいみられました。猿投窯のもの(平安前期)や、その隣りにあった、京都の小塩窯(平安前期)のも緑がかったいい色でした。それと、北京の故宮博物館から寄贈されたという、中国古窯跡からの400点の陶片も引き出しに入っていました。定窯(北宗~金時代)のは、灰白色の輝くような色でした。



次回も、ユートピア気分になれそうな企画でした。来年早々、また来よう。



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