気ままに

大船での気ままな生活日誌

片岡球子/創造の秘密

2013-04-08 08:52:17 | Weblog
地元で開催される展覧会は、散歩がてらに観るもんだから、ついつい軽く扱って、ブログ記事にしないことが多い。でも今回は、親しき仲にも礼儀あり、記録に残しておこうと書き始めている。

片岡球子展は、ほとんどが神奈川近代美術館所蔵のもので、しばしば、少し離れた鎌倉別館の方で展示されていたから、ほとんどのものは一度は観ている。だから、今日、二ヵ月ぶりに開かれるミニクラス会みたいなもので、やあやあという感じ(笑)。

球子といえば、面構えシリーズ。今回も、ぼくの大好きな”葛飾北斎”を含む10点も一度にみられるのはうれしい。球子の面構えは、この北斎とか”豊太閤と黒田如水”のように、(写楽が描くような)いかにも似顔絵風なタッチのと、一方、まるでお面を被ったようなものと二種類ある。ぼくは前者が好みだが、後者のもなかなか面白い。たとえば、”東洲斎写楽”は、もともと写楽は誰れだ、という正体不明の男だから、まさに仮面がよく似合うし、徳川家康も、まるで狸の仮面を被ったふうで可笑しい。足利氏三部作も、ここでしかみられない傑作で、いずれも”仮面型”だが、尊氏の顔とバックが顔色で、(金閣寺の)義満が赤色で、(銀閣寺の)義政が青色というのも、なんとなく意味ありげで面白い。顔はデフォルメ調でも、衣装の模様は、どれも細密に描かれている。

今回のタイトルが片岡球子/創造の秘密とあるように、創造の秘密を解き明かす、スケッチブックがそれぞれの本画の前に展示されている。とくに、ちょっとみただけではわかりにくい、海シリーズなどは、なるほどと思うし、”カンナ”の前には球子らしからぬ(笑)、写実的な花々のスケッチをみることができる。

球子らしからぬといえば、87歳のとき描いた裸婦が二点ある。高齢になったら、富士山の写生に行かれなくなるから、室内のヌードならばと、モデルさんに相談したら20年間くらい契約してくれたそうだ(笑)。77歳のころから始めた。

ここには、富士山の絵はなかった。ぼくは球子の富士山は、あまり好みではないので、別に残念とは思わなかった(笑)。その代わり、まるでゴッホが描いたような浅間山が、麦畑の向こうで噴煙を上げていた。

片岡球子は、札幌で生まれ、育っているが、1970年 (昭和45年)から 藤沢市辻堂東海岸に住み、名誉市民にもなり、2008年、103歳で当地でお亡くなりになっている。横浜にも縁があるようで、横浜美術館の常設展でも、しばしば球子の作品と出会う。ぼくは若い頃からの院展フアンだから、毎年、球子の新作をみていた。

火山/浅間山


カンナ


海/真鶴


海(鳴門)建礼門院(平徳子)と安徳天皇の入水のシーン


幻想 このとき数十人の旅行団体と出くわせて、あとで説明プレートを読むつもりが忘れてしまったので、何の絵か分からずじまい(汗)。それにしても、騒々しい団体だった。きっと、強風でかまくら見物を急遽、室内の美術展に変えたに違いない。


そして、ぼくの一番好きな”葛飾北斎”。背景に赤富士をつかってくれたのもうれしい。


富士山はやっぱり実物が一番。絵では北斎の富士が一番。
今朝の富士。


夕方から武蔵小杉で開かれるミニクラス会に合わせて、今日の行動を決める。まず、これからダルをみて、午後、月曜日でもやっている新宿御苑の八重の桜と六本木のミュシャ展を見学。楽しい1日になりそう(汗)。
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