気ままに

大船での気ままな生活日誌

ターナー展

2013-12-20 11:31:02 | Weblog
東京都美術館のターナー展が終わっターナーという頃、もう2か月も前に観に行ったんで、もうすっかり霞んでしまっターナーという頃に感想文ではちょっとしまっターナーになってしまうけど、やっぱり書いておこうと思う(汗)。我が国でも最初の、英国最高の巨匠、待望の大回顧展なんだから、はずすわけにはいかない。それもターナーのコレクションでは世界一を誇るテートブリテンからきてくれたんだから、すごい展覧会だったのだ。

ぼくは2年ほど前に、ロンドンのテートブリテンに行って、ターナーの作品をいっぱい観てきたつもりだが、”みているけどみていなかった”と、今回のターナー展をみてそう思った。荒れた海の景色だとか、”ノラム城の日の出”のような霞んだような景色ばかりの絵がターナーだと思っていたが、この回顧展をみて認識を新たにした。30点の油彩、そして、水彩画、スケッチなど110点の中に、いろいろなターナーの顔をみることが出来た。

まず、自画像がある。この顔はよく覚えている。ここの展示品は版画だったが、本画をロンドンでみている。24歳のときので、実際は鉤鼻で、こんなハンサムではなかったらしいと辰巳琢郎さんの声がささやく(笑)。ちょうど、テートブリテンでこれを撮っていたので、まずそれを。


テートには、漱石が草枕で”風流な土左衛門”と命名した有名な絵、ジョン・エヴァレット・ミレー作の”オフィーリア”があったが、もうひとつ漱石の作品に出てくる絵がある。坊ちゃんで、”あの松を見給え、幹が素直で、上が傘のように開いてターナーの画にありそうだね、と教頭。これからあの島をターナー島と名付けようじゃありませんか、と赤シャツが言う”。その絵はテートでも観たが、ここでも見られて、嬉しかった。”チャイルド・ハロルドの巡礼/イタリア”で、4章のイタリアでみることができる。


以下、今でもいくつか印象に残っている作品を、各章ごとにいくつかあげて、感想文に代えたいと思う。図録は買っていないので、写真のないものもある。

1章 初期

”月光/ミルバンクより眺めた習作”(写真なし);22歳の作、満月が川面にうつる、小船が浮かぶ。テートはミルバンクにある。
”嵐の近づく海景(写真なし);荒れ狂う海、海、海浜の絵の魁”。
”ノラム城、日の出の習作”これはテートで本画をみてるので、それを。


2章「崇高」の追求

”バターミア湖 カンバーランドのクロマック湖の一部、にわか雨”;英国湖水地方の湿潤な風景。


”グリオン州の雪崩”25人もの命を奪った同地の雪崩(1808年)に取材しているが、人物は描かれていない。自然の”崇高”をきわだたせる。


”デイドとアエネアス”(写真なし)古代ローマの大詩人・ヴェルギリウスの建国叙事詩から。建物と人物の描写力。

3章 戦時下の牧歌的風景

”スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船”;1807年、英国船による降伏したデンマーク軍艦の護送の様子。


”イングランド、リッチモンド・ヒル、プリンス・リージェントの誕生日に”。


4章 イタリア 40歳の頃、イタリア旅行をし、明るい景色に感銘。多くの作品が生まれる。

”ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って回廊装飾のための絵を準備するラファエロ”ラファエロ没後、300年に当たる年。


”レグルス”;17世紀のフランスの風景画の巨匠クロード・ロランに倣いつつも、光の表現を主眼に置いたターナーならではの傑作とのこと。まぶたを切られ、陽光で失明した将軍レグルスが見たであろう、まばゆい光を表現した。


6章 色彩と雰囲気をめぐる実験

”三つの海景”海岸の波の様子を三つ重ねた、おもしろい構図。


”にわか雨”(写真なし)

7章 ヨーロッパ大陸への旅行

”ハイデルベルグ”ぎらつくような黄色、カレーマニアと揶揄された。左下にフリードリヒ5世とエリザベス夫人が。


”ルーアンの帆船”(写真なし)

8章 ヴェネツィア

”ヴェネツィア、嘆きの橋”


9章 後期の風景画
”日の出”(写真なし)

10章:晩年の作品 。

”湖に沈む夕陽”モネの最晩年みたい。もうろうなり。


”平和―水葬”船上のともし火と、幻想的な銀灰色の夜景。晩年の代表作のひとつ。友人の画家ウィルキーの葬儀をもとにしているとのこと。


ターナーはロランをとても尊敬していて、ロランの作品と自分の作品を並べて展示してくれとと生前、要望していた。現在、ロンドンナショナルギャラリーで、その夢がかなっているそうだ。

ロンドンのテートブリテン


何とか、年内にブログ記事をかけターナー

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