こんにちわ。ぼくは東御苑の、季節の花々を求めて、よく出掛けるが、そのときは必ず、三の丸尚蔵館も寄っている。こちらも季節の花々同様に、目の保養となり、楽しみにしている。今回の展覧会は”寿ぎの品々を読み解く”展。ちょうど、後期展がはじまったばかりで、これで1月の前期展と合わせ全期、鑑賞することができた。めでたし、めでたし。
明治以降、皇室の御慶事に当たり、各方面からお祝いの品々が贈られてくるが、その中には美術品も多く、今回、それらが展示されている。ただ、お披露目するだけではなく、本展では,これらの品々に示された伝統的な吉祥の主題が,新しい時代の感覚によってどのように表現されたか,その造形美に注目して紹介します、ということだ。むづかしいことは分からないが、展示品の主題ごとに振り返ってみたい。
慶祝と蓬莱図
ここでは、鶴と亀,松の取り合わせの蓬萊図や、もとは古代中国の神仙思想に不老長寿がかなう場所である蓬萊山の図などが、近代の画家がどう描かれたかを知る。鶴寿蓬萊図、青年画帖(池田真哉ほか)、”蓬萊山之図/巌に日之出図・月之出図(観山、大観)、蓬萊山(大観)など。
蓬莱山(大観) 昭和3年(1928)
社頭図とめでたき景観
社頭とは社殿のことで、名社頭が頭を揃える。住吉富士吉野図、石山寺・竹生島図、天壤無窮/内宮・外宮・二見浦旭日図(中村左洲)、神宮図花瓶、刺繍神宮之図屏風など。
天壤無窮/内宮・外宮・二見浦旭日図(中村左洲) 大正14年 (1925)
刺繍神宮之図屏風(大野隆平ほか) 大正13年(1924)頃
神の使い
神の使いといえば、鹿、鶏、鳩など。それらを描いたあるいは彫刻作品がずらり。古柏猴鹿之図、白鹿置物、鶏の図(川村清雄)、神鳩図茶碗(16代永楽善五郎)、旭に烏、金烏玉兎図花瓶、瓦片鳩(山田宗美)など。
瓦片鳩(山田宗美) 明治38年(1905)
不老長寿の願い
霊芝置物(マンネンダケ)、霊芝置物 瑞旭霊 涛(サルノコシカケ)、寿老人置物(10代三輪休雪)、寿老人鶴亀図(橋本雅邦)など。
寿老人置物(10代三輪休雪) 昭和3年(1928)
三の丸尚蔵館の前の紅梅が見事だった。
見事な椿も。
なんという品種だろうと、思っていたら、ヒヨドリが教えてくれた。春さざんかだった。
のどかなひとときだった。