おはようございます。
”画家の王者”とも讃えられるティツィアーノ(1488/90~1576)の名作が、上野の東京都美術館にやって来るというので、ちらしをあちこちで、何枚ももらって(汗)、半年前から楽しみにしていた。まだ、始まって間もないこともあり、比較的空いていて、ゆっくり見ることが出来た。
とにもかくにも、ちらしの表紙を飾り、半年も待たせた美女から入らないとね。作品名はフローラ。これから風呂に入ろうかという図ではなく(笑)、ローマ神話に出てくる花の女神。黄金色の髪、きめ細かな肌の、右手に薔薇の花束をもつ、うっとりするような美人。はやくも、ぼくの2017年美術展の美女ベスト10入りは間違いなしと断言してもよい。本当に、ていねいに描かれているのにはびっくり。円熟期の作だと思っていたが、1515年というから、何と20代の作。イタリアの至宝とも言われている。
そして、もう一つの傑作は、ダナエ。風呂上りの図ではなく(笑)、父によって塔に閉じ込められたダナエに黄金の雨に身を代えたユビテルが訪れるというギリシャ神話の名場面。でも黄金の雨の中に金貨が混じっているというのはちょっと興ざめ(笑)。官能的表情とはいうが、風呂上りの気持ちいい顔くらいかな(爆)。冗談はさておき、これは円熟期(1544/1455)に描かれ、ティツィアーノの代表作の一つ。それも日本初公開という本展の目玉。
そして、マグダラのマリア(1567)も素晴らしい。ティツィアーノはこの主題でいくつも描いているが、これは後期の作で、以前は裸のバージョンだったが、当時の宗教改革の空気から衣装をつけたいう。
さらに、後年の作、教皇パウルス3世の肖像(1543年)もティツィアーノの力量を存分に示した作品であろう。
ヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノ(1488/90~1576)が活躍していた時代、フィレンツェ派のミケランジェロ(1475~1564)は、まだ健在で、結構、ティツィアーノにケチをつけたり、あるいは、褒めたりしている。デッサンが不十分とか、でも色がきれいとか。ヴェネツィア派は豊かな色彩と自由な筆致が特長で、それは近代絵画に影響を及ぼしたという。
ティツィアーノのお師匠さんは、15世紀初期のヴェネツィア派を代表するベッリーニ。聖母子(フリッツォーニの聖母)。
そして、ティツィアーノと同時期に活躍したパルマ・イル・ヴェッキオの作品、ユディト。1525年頃。
ヤコポ・ティントレットのレダと白鳥。1551-55年頃。
パオロ・ヴェロネーゼの聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ。1562年。
素晴らしい作品群でした。会期中にもう一度、行く予定。
今朝は熱海からの投稿です。昨日の河津桜最高の見頃でした。今日は、リニューアルオープンとなったMOA美術館に行く予定です。
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で。