おはようございます。
12月23日の三井記念美術館が2017年納めの展覧会となった。”国宝雪松図と花鳥”展なのだが、応挙の雪松図屏風は新年にならないとお披露目されない。年末に訪ねた人は、看板に偽りあり、とイカルかもしれない。でも、まさに酉年の年末にはぴったりの展覧会なのである。サブタイトルがなんと、”美術館でバードウオッチング”!酉年のぼくとしては、何ともうれしい展覧会だった。
”バードウォッチング展”の目玉は、何てったって、渡辺始興筆の”鳥類真写図巻”だろう。全長17m余りの図巻がほぼ全部拡げられている。圧巻である。63種もの鳥類が描かれている。まるで鳥類図鑑のような精密さ。応挙が本図巻を模写したほどの傑作。摸本は、東博所蔵なので、また、いつか見られるかも。

そして、お正月、雪松図屏風が飾られる場所に、重要文化財、日月松鶴図屏風(室町時代) が。
応挙の蓬莱山・竹鶴図

仁清の色絵鶏香合

加えて、蓮燕図(伝牧谿筆)、狩野栄信の四季山水図、沈南蘋の花鳥動物図など名品の中でバードウオッチングが楽しめる。
三井家の当主は代々、鳥好きが多く、とくに、三井高遂氏は、東京帝大で動物学を修め、卒業後も、共著で、”家禽図鑑”を著すなど本格的。長く全日本チャボ保存協会の会長を務められたのこと。
バードだけではなく、茶碗の名品も出展され、茶碗好きのぼくを喜ばしてくれた。
重要文化財 赤楽茶碗 銘鵺 (樂道入、ノンコウ)

国宝 志野茶碗 銘卯花墻

重要文化財の玳皮盞(たいひさん)(鸞天目(らんてんもく))も。写真なし。想像上の瑞鳥である鸞(らん)が飛んでいる。
とても楽しい、今年最後の展覧会だった。

三井本館の新年のお飾り


それでは、みなさん、今日も一日、お元気で。