おはようございます。
紅葉の季節になると、根津美術館庭園のもみじを思い出す。そして、美術館では名品が展示される。今年は美術館の創立80周年記念ということで、とてつもない展覧会が開催されている。なんと、本美術館が所蔵する国宝7件、重要文化財88件の全作品が展示されるというのだ。これは外すわけにはいかないと、紅葉には少し早いと思ったが、待ちきれず訪ねた。
ここの国宝といえば、まず思い浮かぶのが、光琳の燕子花図屏風と那智瀧図。燕子花は毎年のように庭園のカキツバタの花咲く頃に見ているが、国宝・那智瀧図は2013年1月以来、7年振りの対面だ。できれば、並べて展示してあればと期待していたが、残念ながら、燕子花は中期展示で、前期は鈴木基一の夏秋渓流図屏風だった。
那智瀧図は展示室2で屏風は展示室1にある。でも、那智瀧図を見て、うしろを振り向くと、入り口の向こうに屏風が見える配置になっている。もし、燕子花が飾られてあれば、最高だったのにと少し残念。12月1日から展示があるので、もう一度、来てみよう。紅葉も最高潮だろうし。

国宝・那智瀧図

山の端に月が昇ってくる。おそらく満月で夕方だろう。滝の下の拝殿を突き抜けている”生き杉”があり、その横には、亀山上皇が建てたものらしい卒塔婆がある。月明かりに輝く白い瀧は神々しい。もともと、那智の滝そのものがご神体なのだから。直接拝観したこともあるが、ブログ開始以前だったので写真はない。代わりにこれを載せておこう。
那智の滝と国宝那智瀧図 (白洲正子の旅/別冊太陽より)

そして振り向くと、カキツバタではなく山百合や桜紅葉が。鈴木基一の夏秋渓流図屏風は本年新たに重文指定された。お披露目公開。
この三点が順に各時期に展示される。三番目は、藤花図屏風(円山応挙筆)

国宝・漁村夕照図 牧谿筆 南宋の画僧・牧谿が中国江南の景勝地を描いた「瀟湘八景」のうちの一図。

以下、重文。
色絵山寺図茶壺 野々村仁清作

春日山蒔絵硯箱(室町時代 15世紀)足利義政遺愛品

大日如来像(平安12世紀)

青井戸茶碗 銘柴田(朝鮮16世紀)

五彩宝相華文瓶(明16世紀)

大満足して、庭園の紅葉見物に。思っていたより進んでいた。見頃開始といったところ(11月18日時点)。



池の小舟の周辺




燕子花池の周辺



苑内あちこち








素晴らしい紅葉と国宝・重文を十分、楽しませていただきました。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!