おはようございます。
今年の展覧会納めは、結局、三菱一号館美術館の1894Visions ルドン、ロートレック展となった。今年を締めるに相応しい展覧会だった。ルドン・ロートレック展なのに、山本芳翠の名作2点を見られたのにはびっくり。
1894Visionsとは?丸の内初のオフィスビルとして三菱一号館が竣工した年が1894年。この年をを軸に、当館のコレクションの中核をなす画家である、ルドンとロートレックの時代に焦点を当てたとのこと。
1894年はルドンが黒の時代から、色彩の作品を初めて発表した年であり、ロートレック、ルドン、ゴーギャンが参加した”レスタンプ・オリジナル”の刊行年(1893-95)とも重なるそうだ。一方、同時代の日本では、フランスへ留学し、ルドンと同じ師のもとで学んだ山本芳翠が、代表作”浦島”を制作した時代でもある。ということで、本展はルドン、ロートレックだけではなく、ゴーギャン、モロー、ミレー、ピサロ、ルノワール、モネ、セザンヌ、そして、我が国から山本芳翠、黒田清輝、藤島武二、青木繁、梅原龍三郎も出場という大変な展覧会なのである。次のような章立てになっている。各章の代表作を載せてみました。
第1章 19世紀後半、ルドンとロートレックの周辺
ルノワール 長い髪をした若い娘
モネ 草原の夕暮れ
ピサロ 窓から見たエラニーの通り、ナナカマドの木
第2章 ルドンの黒
ルドン 曲がりくねった樹
ルドン 沼の花
第3章 画家、版画家ロートレック
ロートレック ムーラン・ルージュにて、ラ・グーリュとその姉
ロートレック ムーラン・ルージュのイギリス人
ロートレック メイ・ベルフォール
ロートレック アリスティド・ブリュアン 彼のキャバレーにて
第4章 パリの中のタヒチ、フランスの中の日本
ゴーギャン ノア ノア/マーナ・ノ・ヴァルア・イノ(悪霊の日)
フェリックス・ヴァロットン レスタンプ・オリジナル(入浴)
第5章 東洋の宴
山本芳翠 重文《裸婦》
山本芳翠 浦島
藤島武二 浴室の女
第6章 近代 彼方の白光
ルドン グラン・ブーケ(大きな花束)
とても素晴らしい展覧会でした。年末発表予定のぼくの2020年展覧会ベスト10入りは確実。
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!