気ままに

大船での気ままな生活日誌

ガウディとサグラダ・ファミリア展

2023-07-13 10:22:52 | Weblog

おはようございます。

今、竹橋の東近美でガウディとサグラダ・ファミリア展が開催されている。

2014年にスペイン旅行をしたが、そのとき、もっとも印象に残った建造物がバルセロナのサグラダ・ファミリア大聖堂であった。”写真でしか知らなかったサグラダ・ファミリアを目の前にしたとき、これまで、いろいろな大聖堂を観てきたけど、そのどれをも圧倒するような感動を覚えた。言葉では言い表せない、何ていうか、巨大なガウディがそこに立って居る、といったような感じ”、と当時のブログにやや興奮気味に記している。これがその時の写真。

内部のステンドグラスもうつくしく。

本聖堂は1882年に着工されたが、その二年目に、当時まだ無名のガウディ(1852-1926)が二代目建築家を引き受け、設計図を書き直した。その後、1914年、ガウディはすべての仕事を断り、この建築にのみ、身を捧げ、10年後、73歳の生涯を終える。そのあとは設計図(模型とデッサン等)に従い、工事が続けられている。没後100年の2026年に完成の予定とか。

さて、本展では100点を超えるガウディの設計図面、模型、写真、資料などが展示されていて、多くは撮影OKであった。ここでは、それらを載せつつ、以前の旅行の写真も含めて、むかしを懐かしみたい(笑)。このような章立てになっている。

第1章 ガウディとその時代 Gaudí and His Time
第2章 ガウディの創造の源泉 The Sources of Gaudí’s Originality
第3章 サグラダ・ファミリアの軌跡 The Story of the Sagrada Família
第4章 ガウディの遺伝子 The Legacy of Gaud

第1章の「ガウディとその時代」では、ガウディのバルセロナ建築学校在学中の、”大学講堂、横断面 (卒業設計)、県庁パティオなどの設計図面が展示されている。また、ガウディが参考書として使った建築関係の図面や書物も並んでいる。

第2章は、「ガウディの創造の源泉」。「人は創造しない。人は発見し、その発見から出発する」というガウディの言葉通り、「歴史(建築の歴史から学ぶ)」「自然(生物を含む)」「(自然の中に潜む)幾何学」を通して発見したものを建築物に取り込み、ガウディらしいユニークな作品を次々とつくった。展覧会ではガウディの建築作品の写真が並ぶが、ここでは、ぼくの2014年の旅行写真を載せる。

カサ・ミラ(Casa Milà)。ガウディ、54歳の作。実業家ペレ・ミラの邸宅としてつくられたが、現在は集合住宅として使われている。

生物のモチーフが多いが、ここでは、わかめ風のバルコニー

屋上も変わった形の煙突や階段室が立ち並び、どこか別の惑星の世界のよう。

カサ・バトリョ 青いタイルが印象的。動物の骨のような形の柱で構成されている。

集合住宅とは思えない、ユニークな内装。

屋上のアート

「歴史」「自然、生物」「幾何学」に関係したガウディ制作の小品が本展で見られる。

「歴史」:建築のオリエンタリズム グエル公園、破砕タイル被覆ピース(破砕したタイルを装飾に用いた)

自然の利用 コローニア・グエル教会堂、逆さ吊り実験 自然にできる形がいちばん強い、と考え付いたもの。ガウディは紐に砂袋の錘を下げ、あらわれた曲線(懸垂線)によって教会の構造・デザインを構想した。これを上下反転させ、これらの曲線からドームや塔がそびえる姿をデッサンした。実験で釣り合った紐の形をさかさまにすると、引っ張り合っていた力がすべて圧縮に変わり、レンガ積のような組積造では安定した構造体になると考えた。

「自然/生物」カサ・ビセンス、正面のセラミックタイル 植物の絵柄をよく取り入れている。

「自然/生物」カサ・ビセンス、鉄柵の棕櫚(シュロ)の模型

「自然/生物」植物スケッチ(サボテン、スイレン、ヤシの木)実際に目にした動植物をつぶさに観察し、しばしば自然を直接石膏でかたどることで装飾を造形した。

「幾何学」平曲面模型

「幾何学」二重らせん柱 

カサ・バッリョ、椅子 建築だけでなく、家具のデザインにも精通。

3章ではサグラダ・ファミリアの軌跡、4章ではガウディの遺伝子とつづく。サグラダ・ファミリア建築の経緯や現在進行中の写真や模型、彫刻などが並ぶ。

今回は、建物以外にも彫刻も大きな見どころ。1978年から彫刻家として同聖堂に携わっている外尾悦郎の《サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面:歌う天使たち》が展示されている。2000年に石像に置き換わるまで、こちらの石膏像が1990年から「降誕の正面」にあった。

外尾悦郎《サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面:歌う天使たち》

ガウディの塑像断片

《サグラダ・ファミリア聖堂、全体模型》2012-23年

サグラダ・ファミリア聖堂、2023年1月撮影

サグラダ・ファミリア聖堂の建設は、新型コロナウイルスの影響で一時中断していましたが、2020年の秋には再開。翌年の12月には、聖堂の中央に位置する6つの塔のうち、頂点に星を頂くマリアの塔が完成、続く2022年12月には4つの福音書作家の塔のうち、ルカとマルコの塔が完成しました。建設作業は現在も進んでおり、残るマタイとヨハネの塔は2023年11月に、聖堂中央の最も高い塔となるイエスの塔は2026年までの完成を予定しています(サイトより)。

10年前のスペイン旅行での感動を蘇らせてくれた楽しい展覧会でした。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

コメント (4)
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