気ままに

大船での気ままな生活日誌

新収蔵作品展/小泉淳作デッサン展 近美鎌倉別館

2014-04-22 09:53:03 | Weblog

神奈川近代美術館鎌倉別館は、八幡さまの境内敷地にある本館とは少し離れ、建長寺方面への鎌倉街道沿いにある小さな美術館である。本館とのセット券で行くことが多いが、先日は、北鎌倉からの散歩の途中で寄った。

ここの展覧会で知って、フアンになった画家も多い。二見彰一、小野元衛、野中ゆりなど。先日観てきた西美のカロもクリンガー の”手袋シリーズ”の版画もここで観た。ぼくの乏しい美術の”ため池”に流れてくる小川のような存在かな。

その鎌倉別館が2013年度に新規に所蔵した美術品、約70点、それらが展示されている。加えて、鎌倉にお住まいだった、建仁寺や建長寺の雲龍の天井画等で知られる小泉淳作のデッサンが30点余りも観ることができる。とても、楽しい美術展であった。

新所蔵品の中に、二見彰一や野中ゆりの作品をみつけたのはうれしかった。野中ゆりは17~18歳の頃に瀧口修造に出会い、その後、づっと支援を受けた恩師のような存在。”瀧口修造の祭壇”という作品。50センチ四方ほどの祭壇で、瀧口らしき人物の肖像画が描かれたポストカードが真ん中に飾られている。その廻りに(きっと瀧口が好きだっただろう)小さな天球儀、仏像、猫、筆立て等が置かれている。ほほえましい祭壇だった。ぼくも、いなくなる前にこういうのを作っておこうと思った(爆)。その他、”青と黄のデカルコマニー” の9点組と8点組という”豪華版”も。

二見彰一は詩とのコラボを得意とするところだが、今回は、立原道造、丸山薫、ジョン・キーツ、エミリ・ディキンスンの詩に添えた二見彰一の銅版画が十葉。詩と版画が共鳴して、何ともいえない心持にしてくれる。ジョン・キーツの”耳にきこえるメロディーは美しい/しかし聞こえないメロディーはもっと美しい/それゆえ・・・”の詩には、心模様のようなモノクロの版画が寄り添っていた。

ジゼル・ツェラン=レトランジュの作品。夫である詩人パウル・ツェランの詩とジゼルの版画による”息の結晶”。これはここで特別展示されたことがあり、ミニ図録も買ったのだが。記事にしていない。

村山知義の”ヘルタ・ハインツェ像”。ちょっと憎らしいような顔をした(笑)少女像で、ちらし絵に採用されている。21歳のときの作で、ベルリンで修業していた頃だ。クラナッハやデューラーのドイツルネッサンスに傾倒していたという。葉山館で、回顧展を観ているが、帰国後、”子供の友”に童画を描いたりした。詩人でもある、村山籌子(かずこ)と結婚し、コラボ作品も多い。

加山又造は、”神奈川”。山百合、カモメ、波、銀杏と神奈川ゆかりのモチーフをまとめた、又造風な装飾画。室井東志生の”鏡(坂東玉三郎)”、遠くからみても玉三郎だとわかる。化粧中の場面。

ロートレックのポスターは、”キャバレーのアリステイド・ブリュアン”。この前、ハマ美の版画展にも出ていた斉藤清が5点。中でも、”会津の冬”の雪がとても良かった。鳥海青児のノートルダム”も。そうそう、片岡球子の屏風仕立ての”美術部にて”も良かったデス。

そして、小泉淳作のデッサン。鎌倉や伊豆、箱根の風景が多い。八幡さまの蓮は色鉛筆で。”かさご”は、水彩と鉛筆で、図鑑みたいな精密さ。人物もあったりして多彩な画題。天井画などの大作の合間に手掛けていたのだろう。普段着の小泉さんをみるようだった。

また、散歩の途中に寄ってみようと思っている。

以下は、昨日みてきた、円覚寺、松嶺院の牡丹と春の花です。

おだまき

えんれいそう

いたやかえでの花

しばざくら

あやめ

今日はこれから上野。初日狙い(汗)。つつじ、藤の偵察も。

コメント
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