こんばんわ。
片岡球子の面構(つらがまえ)展が横浜のそごう美術館で開催されているというので、小雨の中、出掛けた。面構展はこれまで何度か見ている。日誌(ブログ)をひもといてみると、2017年に平塚市美術館で、16年に神奈川近代美術館(鎌倉)と二度ある。そのほか、単品では神奈川近美、横浜美、東近美などでも見ている。球子は、1966年(61歳)以来「面構シリーズ」を2004(平成16)年まで38年間つづけ、44点を制作した。本展はこのシリーズの初期から晩年までの作がほぼそろった初の展覧会ということだ。豪華な面構が勢揃い、余も満足じゃ(笑)。

はじめに片岡球子(1905-2008)の来歴を。札幌生まれで、女子美に学び、院展を中心に活動をつづけた。1926年に同校卒業後、横浜市大岡尋常小学校の教諭をつとめ、安田靫彦などに学び、1955年には女子美の専任講師に就任。1966年、新設の愛知県立芸術大学の教授となり、”面構/足利尊氏”を発表。以降、”面構”シリーズをつづける。ほかに”富士シリーズ”も好評だった。2008年、103歳で亡くなるまで藤沢に住んでいたこともあり、神奈川近代美術館に多数の作品を寄贈した。本展でも神奈川近美所蔵のものが多い。
”面構”は歴史上の人物をモデルにしているが、ただ単なる肖像画ではなく、人間の魂を描きたいと球子自身が述べている。木像、自画像、他の絵師による似顔絵などを参考にして、また人物にまつわる話などの史料も綿密な取材をして描いている。
残念ながら会場内は撮影禁止なので、全部は紹介できない。展覧会ちらしやマイコレクションからの10数枚の写真を載せますのでご覧ください。
歴史的人物
面構 足利尊氏 等持院の木彫像ではうびす顔の風格あるお顔だったが、本当はそうでもなかったのではと、たれ目であぐら鼻にした(球子のメモ)。面構シリーズ、最初の作品。

面構 足利尊氏、足利義政、足利義満 三将軍、それぞれの性格が描き込まれ、黄不動、青不動、赤不動と呼ばれる。

面構 徳川家康公 顔に白いハイライトを入れ、意志の強さを示した。等持院の木像を参考にしている。これでいいか、どうする家康(笑)。

面構 豊太閤と黒田如水

あと写真がないが、日蓮と白隠(激しい赤と落ち着きの緑で表現)、上杉謙信と直江山城守、など。
浮世絵師 やはり絵師にもっとも関心があったのか、シリーズ中、この題材が一番多い。浮世絵師とその代表的作品が背景に描かれる。
面構 葛飾北斎 赤富士をバックに老北斎 面構シリーズの代表的作品。ぼくもこれが一番好き。

国貞改め三代豊国 国貞美人と一緒に。

面構 東洲斎写楽 正体不明の写楽を球子は能面をつけさせた。

面構 安藤広重 名作”大はしあたけの夕立”を横に。

歌舞伎南蛮寺門前初所見(一双屏風)登場人物は舞妓、舞妓に恋する男、キリスト教に改宗する僧侶の設定。安土桃山時代、当時のキリスト教の教会、南蛮寺の門前で繰り広げられる歌舞伎に取材。

面構 狂言作者河竹黙阿弥・浮世絵師三代豊国 黙阿弥と三代豊国の間に黙阿弥の”白浪五人男”が登場。

面構 歌川国貞と四世鶴屋南北 ”浮世柄比翼稲妻”の一場面を入れる。

面構 国芳と浮世絵研究家、鈴木重三先生 現代の浮世絵研究の鈴木先生と江戸時代の国芳が鯨見物に出会う時空を超えた場面。

面構 雪舟 自身の作品と共に。雪舟はこのほか3点もある。

ほかに、歌麿、春信、清長、春章、栄泉、北斎と馬琴、北斎とお栄、山東京伝、など50点ほど。
とても楽しい展覧会でした。
。。。。。
大相撲初場所9日目。
貴景勝、勝ち越し、単独トップに。豊昇龍、大栄翔は今日も負け、脱落。

貴景勝、独走態勢。これもちょっと面白くない。豊昇龍は怪我した模様。

十両では朝乃山、9連勝!全勝優勝へひた走る。

一敗で追う金峰山。

ニ敗で追う湘南の海桃太郎。まわしも桃色。

では、おやすみなさい。
いい夢を。

落合(宮城野部屋)5勝0敗(幕下十五枚目格付出)。19歳、2年連続高校横綱の有望株。