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【cinema】『ターミネーター4』(試写会)

2009-06-08 00:43:40 | cinema
'09.06.01 『ターミネーター4』(試写会)@中野サンプラザ

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「2018年。<審判の日(Judgment Day)>の後の世界では、スカイネットと僅かに生き残った人類による抵抗軍との壮絶な戦いが繰り広げられていた。後に抵抗軍のリーダーとなるジョン・コナーは1人の少年を探していた。将来、重要な宿命を担うカイル・リース。スカイネットもまた彼を探していた。謎の男マーカスがカイルと行動を共にするが、カイルはスカイネットに捕らえられてしまう。マーカスとは何者なのか? ジョンはカイルを救い出すことが出来るのか?」という話。『ターミネーター』シリーズのファンならカイル・リースと聞いただけでニヤリなのでしょう。『ターミネーター』『ターミネーター2』は見たけど、正直細かな部分は覚えていない。1作目は1984年公開。2作目は1991年・・・。覚えていないのもムリないか(笑) まぁ、1作目はテレビ放送で鑑賞したので、実際は25年までは経っていないけど。しかし、カイル・リースといえば1作目の重要な役なのに・・・。覚えていないとは自分でもビックリ。もちろん役自体は覚えているけど、名前はすっかり忘れていた。

しかし、スゴイ迫力! そしてスピード感。これはおもしろい。戦闘シーンがすごくて常にドキドキ。のんびり考えているヒマとか全くなくて、一気に見てしまったという感じ。カイル・リースの事を覚えていなかったことでも分かるとおり『ターミネーター』シリーズにそんなに思い入れはない。2作目はおもしろかったし、シュワちゃんが親指立てて溶鉱炉に沈んでいくラストでは感動の涙を流したものだけど・・・。3作目では主人公ジョン・コナーの容姿の急降下ぶりにガッカリ。そして女ターミネーターっていうのもねってことで未見。何故、急に見に行く気になったのかといえば、ジョン・コナーがクリスチャン・ベイルになったから。クリスチャン・ベイルは神経質っぽくてタイプではないけど、演技上手いし、彼が選んだ作品なら間違いないと思ったから。まぁ、エドワード・ファーロングがクリスチャン・ベイルにはならないだろうと思うけど、同行したAが言うように"蛇の舌"(LOTRのキャラ)のようになってしまったエドワードくんには、人類は救えないかもしれない。ザリガニなら救えるようだけど(笑) とにかく、ジョン・コナーがクリスチャン・ベイルなのは正解。

冒頭、2003年の刑務所から始まる。死刑囚のマーカスの刑が執行される日、1人の女性が彼を訪ねてくる。以前からマーカスに献体を頼んでいるらしい。マーカスが何の罪で死刑になるのかは不明。ただ、彼のセリフから父と兄が彼のために命を落とした事は分かる。わりと終始そういう感じで、登場人物達の細かな説明はあまりない。背景とかキャラなんかはセリフで拾っていく感じ。その潔さはいいかも。あくまでもスピード感にこだわった作り。でも、ジョン・コナーのことは皆知ってるでしょというスタンスでもないので、知らなくても分かると思うし、もし仮に分からなくても十分楽しめるので大丈夫! 末期ガンに冒されているというこの女性から、マーカスに献体を頼む理由は、人類の未来が心配だからだと言われ、同意するマーカス。彼は薬物による処刑で死を迎える。そして再び目覚めることになる。

しかし・・・。1991年の2作目の時点で、液体窒素のアイツのCGもスゴイと思ったけど、あれから18年。CGの進化はスゴイっす。車から流れる音楽に反応して追ってくるハンターキラー。ターミネーターの足から出てくるバイク状のモノ(名前覚え切れない・・・) どんどん繰り出されるマシンの数がスゴイ。そしてターミネーターでかい! あんまり精度はよくないみたいだけど・・・。とにかく何が怖いって相手は機械であるということ。ターミネーターのようにまだ人に近い形なら、なんとなく意志みたいなものを無理やり感じとることもできるけど、バイク型をしているのに誰も乗っていない。そいつがプログラミングに従ってひたすら追ってくる。こんな相手にはどうすればいいのか分からない。バイク型のは好きだった。

1作目でシュワちゃんが演じたT-800がこの時代では最新型となっている。それが量産されているのを目にして愕然とするジョン・コナー。このシーンを見ていた時はあんまり理解できなったけど、彼はT-800の事を既に知っていたんだね。こんな感じでファンだったらニヤリなシーンがいろいろあるんだと思う。あるんだけどスピードが速くて着いていけないかも(笑) そのスピード感のおかげで、いろいろ矛盾点に気付かないっていうのもある。なんでスカイネットはカイル・リースを捕らえながら直ぐ殺さないんだろうとか・・・。まぁ、そこは言っちゃダメですが(笑) あと、少し人間ドラマみたいな部分は希薄かなと思ったりするけれど、そこが描きたいわけじゃないなら別にいいと思う。伝わってないわけじゃないし。ただ、その割マーカスがジョンの元に現れるまでが長かったかな・・・。女戦士とのエピソードなんかは不要だったかも。

1984年の1作目を作った時点では、ここまでシリーズ化するとは思っていなかったわけで、よくここまで膨らませたなと思うけれど、これはやっぱり1作目のコンセプトがしっかりしていたってことだと思う。人類を勝利に導いたジョン・コナーを誕生させないために、その母を殺害するため送り込まれたT-800。それを阻止するためジョン・コナーからの指令で未来からやって来たカイル・リース。そしてカイルはジョンの父となる。これは今考えるとスゴイ設定かも。要するにジョンは救世主となるべく、時間を操り自分の父となる男を自ら遣わすわけで、カイルは結果的に過去で命を落としてしまい、サラは未婚の母となる。つまりこれはキリスト教の話なんだと思う。ジョンはジーザスなのかも。Johnってヨハネの英語名なんだっけ? まぁ、キリスト教徒ではないので、よく分からないけど・・・。3作目を見ていないので、どういう流れなのか不明だし、2作目についても細かい部分は忘れてしまったので、全体的にキリスト教で貫かれているのか分からない。でも、この作品がキリスト教ベースで作られているのは間違いないと思う。

英語のタイトルは『TERMINATOR SALVATION』 SALVATIONは調べてみたところ"魂の救済"という意味で、主にキリスト教で使われるのだそう。知らずに見ていたけど、このシリーズを通して一貫しているのは"運命"と"自己犠牲" 1作目カイル・リースはサラ・コナーを守るため自らを犠牲にする。2作目サラは自分の人生全てをジョンを守ることに捧げている。そしてラストT-800の自己犠牲。3作目は未見なので不明だけど、この作品でも・・・。ネタバレになるので書きませんが、ジョン・コナーが自らの運命を知りながら逃げずに戦っていることが、シリーズ最大の自己犠牲なんだと思う。救世主は全てを捧げて人類を救う決意をしなしなくてはならないのかも。2作目でもそうだけど、特定の誰かでなくても、自分の信念に従って、人々を救うため自分を捧げる姿を見るのは切ない。その切なさが、このスピード感ある作品の中にも貫かれているのがいい。そもそも、ジャッジメントされて生き残った人類の必死の抵抗自体が切ない。

1作目を作った1984年の時点では2000年超えってかなり先の未来だから、そりゃ2018年にはスカイネットも自我に目覚めているかもと思ったかもしれない。でも、2009年現在から見れば、せいぜいアナログ放送が終了しているくらいだろうと思うけれど、その辺りはもう押し切って行く感じもいい。これはあくまで<審判の日>があった後の2018年の世界ですっていうのも潔くていいかも。砂漠化した土地や廃墟の感じもいい。そこに突如現れるハンターキラーやターミネーター。この世界観はいいかも。ゲームはビックリするほど下手なので、全くやらないから分からないけど、多分ゲームの世界観ってこうなのかもと思う。

キャストはクリスチャン・ベイルが出ていることくらいしか知らずに見たけど、チョイ役みたいな冒頭の女博士の役でヘレナ・ボナム・カーター。あまり活躍シーンのないジョンの妻ケイト役でブライス・ダラス・ハワードと意外に豪華。いわゆる"美女"を使っていないところがいい。イヤ2人もキレイだと思うし、いわゆるゴージャス美女が出てもいいですが(笑) この作品は違うかなと。ヘレナは後に重要な役で出てくるので、なるほどなキャスティング。冒頭シーンの得体の知れない感じが、後のシーンに生かされている。これはさすが。ブライス老けた、そして太りましたね。誰だか分からなかったけど、あの切れ長すぎる目は彼女しかいない(笑) そんなに目立った活躍シーンはないけど、ジョン・コナーが選んだ女性としてはいいんじゃないかと思う。人類の救世主となる男が選ぶ女性は、派手ではなくて芯が強く、めったに取り乱したりしない。そしてしっかり自分の意志を持って、夫を支える女性であると思う。

カイル・リースのアントン・イェルチンはマイケル・ビーンに似てる気がする。似てる子を探したのかな? そんなにビックリするほど演技が上手いとは思わないし、好みのタイプでもなかったけれど、まだ少年の彼がこれから果たすことになる役割を思うと、その運命の重さに切なくなる。その切なさを感じさせる部分では良かったと思う。実は全編を通じて重要な役割を担っているマーカスについては、諸事情によりほとんど触れられなかった。ネタバレになってしまうので。多分、献体した彼が再び目を覚ました時点で、なんとなく分かると思うけれど・・・。彼のその切ない存在感は良かった。サム・ワシントンについては知らなかったし、正直好みのタイプではないけれど(いちいち、うるさいか(笑)) でも、この役には合っていると思う。なぜマーカスが選ばれたのかって考えると、生い立ちや、彼が死刑になった理由にあるんだと思うけれど、そこは語られないのに納得させる感じが良かった。彼の存在がエラーを起こす。そして・・・。・・・の部分については見てのお楽しみ。

クリスチャン・ベイルはやっぱり上手い。孤高の救世主っていえば、もう一つのヒットシリーズ『バットマン』のブルース・ウェインを思い出すけど、全然違う。同じ顔、同じ声で同じような役柄を演じているのに、全く別人なのはスゴイ。まぁ、役者なんだから当たり前なんだけど・・・。ブルース・ウェインは自らの意志でバットマンになった。だけど、ジョン・コナーは誕生の瞬間から救世主となる運命を背負っている。新型ターミネーターに追われた少年の日から、きっとその運命を自問自答し、そして受入れてきたんだと思う。この作品の中では既にしっかり運命を自覚している。その感じがいい。でも、時に迷うことがあって、母サラ・コナーが吹き込んだテープ(電源はどうなっているのか? 電池はあるのか?)を聞き、改めて運命と向き合う。そういう部分もわりと無表情で淡々と演じられるのに、きちんと伝わってくる。ブルース・ウェインの抑えた強さよりも、ジョン・コナーの内に秘めた強さの方が個人的に好み。どちらも切ないけれど・・・。この作品ではジョン・コナーは抵抗軍内で重要人物ではあるけれど、人類の指導者にはなっていない。だけど、将来自分がそうなることを自覚している彼が、生き残った人々にラジオを通じて呼びかけ、勇気を与えて、次第にリーダーになっていく姿がいい。CMでも使われているけど、決死の覚悟で敵地に向かう際、妻のケイトに言う「I’ll be back」はニヤリ。この言い方が切ない中にも、強い意志が感じられていい。

とにかく"ダダンダンダダーン"というお馴染みの曲を聴いただけでワクワクする。ダニー・エルフマンの音楽がいい。人類 vs 機械の対決シーンはどのシーンもすごいスピード感。常にドキドキしっぱなし。ラストはちと感動。人間の強さは"自己犠牲"なのかと思うけれど、プログラミングに従い壊れるまで追い続けるターミネーターも自己犠牲といえばそうなのかも。そう考えると、その姿が自爆テロ犯に重なったりもする・・・。彼ら自身は崇高な自己犠牲と思っていると思うけれど、特別信仰のない人間からすれば、ターミネーターの自己犠牲と重なってしまう。なんて、ちょっと考えすぎか。個人的にはこんな世界に生き残るんだったら<審判の日>に、一思いに死にたい(笑)

続編を作る気満々なエンディングだなぁと思っていたら、新シリーズなのだそう(笑)

CGでアノお方も登場!


『ターミネーター4』Official site


こんなのいた!

コメント (9)
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