goo blog サービス終了のお知らせ 

・*・ etoile ・*・

🎬映画 🎨美術展 ⛸フィギュアスケート 🎵ミュージカル 🐈猫

【cinema】『ローマ法王の休日』

2012-08-18 01:52:22 | cinema
'12.07.24 『ローマ法王の休日』@TOHOシネマズシャンテ

実は『ダークナイト ライジング』ジャパン・プレミアの前日に見に行ってた(笑) 仕事があまりに順調に終わって、定時上がりできそうな勢いだったので、ポイントもあるし映画でも見に行こうと思い立つ。シャンテなら歩いて行けるし、ギリギリだけど17:30からの間に合いそう! ってことで、見に行ってきた~★

*ネタバレありです!

「前ローマ法王が亡くなったため、新ローマ法王を選ぶコンクラーヴェが行われているヴァチカン。重責を負いたくない枢機卿達の駆け引きが展開されてく。そんな中、ダークホース的存在のメルヴィルが選ばれる。一度は引き受けたものの、重責に耐えかねローマの街へと逃亡してしまう・・・」というあらすじとタイトルだけ見れば、これはほのぼのしたコメディーなのかと思うけれど、実はとっても深い人間ドラマだった。描き方としても一応コメディー風ではあるけれど、これはやっぱりコメディーではないと思う。とっても人間臭い部分を、ローマ法王選出というテーマで描いてしまうのは大胆。見ている間よりも、見終わってからいろいろ考えさせられた。

公式サイトによると、ローマ法王とは全世界11億人以上と言われるカトリック教徒の最高位聖職者で、前法王の死後15日経ってから、全世界で約200名ほどいる枢機卿の中から選出される。枢機卿(カーディナル)は大司教の中からローマ法王により選出され、80歳以下の120名がコンクラーヴェに参加できる。この各国から集まった枢機卿たちが、無記名投票による選挙で新法王を選出する制度がコンクラーヴェ。3分の2の得票者がローマ法王となるため、票が達するまで何度でも投票が繰り返される。無事、選出されるまでは黒い煙が立ち上り、決定すると白い煙となる。コンクラーヴェの間、信者達は白い煙が上がるのを今か今かと待ちわびる。数年前、現ローマ法王を選出するコンクラーヴェが行われたけれど、実際もこんなに和気藹々とした感じで行っているのかは不明。もちろん、あんなにあからさまに投票結果に一喜一憂したりしていないとは思うけれど、でも自分が選ばれたくないと思う方もいるのかもしれない・・・ 何かで読んだのだけれど、日本、中国、アメリカの学生に「あなたが入社した会社で不正が行われているのを見つけたら、どんな行動を取るか?A:実名で告発する B:匿名で告発する C:何もしない」という選択肢つきのアンケートを行ったところ、アメリカや中国 がAかBを選ぶ人が多いのに対し、日本の学生は圧倒的にCを選ぶのだそう。要するにそれが正しいことだと分かっていても、責任を取るのはイヤだという傾向が強いのが日本人の特徴であるということだった。ただ、東日本大震災以降は、AもしくはBを選択する学生が増えているのだそう。話がそれたけれど、要するに何が言いたいかといえば、Cと答えがちな日本人としては、枢機卿達が自分が選ばれないように祈る姿にとっても共感してしまう。実際どうかは別として、単純に重過ぎる責任を負いたくないという気持ちは、枢機卿にもあるのかと思えば、自分が思うのも当然だと思ったりもする。

メルヴィルは全くのダークホース。事前のオッズも70位くらいだったと思う。どう考えてもしめし合わせて、面倒なことを押し付けられた気がするけれど、そこはさすがに枢機卿。彼としてはこの決定を神が下したものとして受け入れる。受け入れてはみたけれど、法衣を身に着け、いよいよバルコニーに立ち演説というところで、急激な不安に陥ってしまう。このシーンが予告編やチラシなどでおなじみの、号泣シーン。チラシを見たかぎりではコミカルな印象だけど、実際はもう少しパニック的な感じ。コミカルではあるけど、バカ映像ではない。まぁ、どう受け止めるかは人それぞれだけど、少なくともクスっとはなるけど、おもしろい映像とは思わなかった。もう少し深刻・・・ 見る前はこの姿から、イヤだイヤだと逃げる法王を追いかけるコメディーを想像してたのだけど、実際はメルヴィルはこの使命を受け入れようとしている。この選択は神が行ったのだから、間違ってはいないはずと自分に言い聞かせるけど、どう考えても自分が世界中の信者達を導く存在になれると思えない。その気持ちはすごくよく分かる。社会人になれば、ローマ法王になるほどの重責ではないにしても、ある程度の責任を持って仕事をしているわけで、年次が上がれば当然責任も重くなる。だからお給料が上がるわけだからね(笑) それは経験や知識が増えているのだから、その重責に耐えられるハズってことなのだろうけれど、でもねぇ・・・ だから、とっても気持ちが分かる。ただ、ここに陥っちゃうとねぇ・・・

なんとかメルヴィルを落ち着かせようと、ローマ一と評判の精神科医がやって来る。詳しい事情も聞かされず連れてこられたので、帰りたくて仕方がない。でも、法王は一向に良くならない。しかも行方不明になってしまう。この精神科医を演じているのが、監督のナンニ・モレッティ。法王決定を宣言するまで枢機卿達はシスティーナ礼拝堂から出ることはできない。実際は散歩くらいはできるようだけど。法王逃走が外部にもれるのはもちろん、枢機卿達の耳に入ることも避けたいということで、精神科医(男)は枢機卿達のストレス対策を担当することに。なにしろ枢機卿達は100人以上いるわけだから個性もそれぞれだけど、セリフありで画面に登場するのは数人。さすがに枢機卿だけあって不平不満を言ったり、自分勝手行動を取る人は少ないけれど、精神科医(男)がイライラする気持ちは分かる。でも、ちょっと冷たいんじゃ?と思う対応もあり。メルヴィルの事前オッズを発表した際、自分のオッズを聞きたがる枢機卿を無視。それでも聞きたがる彼に「ランキング外です! あえて言わなかったのだから察すればいいのに、しつこく聞くからこんな結果を聞くハメになる!」とか言っちゃう。こういう笑わせる要素であると思わせるセリフも、核心を突きすぎてて笑えない部分は多々あった。

うーん。上手く言えないんだけど、例えば前述のしつこい枢機卿にキレてしまうシーン。精神科医(男)としては仕事とはいえ、とんだ騒動に巻き込まれてしまったわけで、枢機卿相手に子守をおおせつかったような状態。実際、枢機卿と言っても教会の中で外界に触れず、純粋培養されてきたわけでもないと思うので、子守状態というのは失礼だけれども、法王逃走を知らないわけだから、精神科医(男)の状況とは違うわけで・・・ せっかく気を使って言わないでいるのに、しつこく自分のオッズを聞いてくる枢機卿にキレてしまうという部分を笑おうということだと思うので、無邪気に聞いてしまう枢機卿に対して冷たくキビシイ言葉を言ってしまうのは、いくつかあるパターンの1つではあると思うんだけど・・・ うーん。例えばこれがハリウッド映画だと、もう少し大げさというか、分かりやすい演技や演出をする気がする。ここだよ笑うとこ!みたいな・・・(笑) そういうのがあまりなく、ホントにイライラして言っちゃってるっぽくて、無邪気に聞いちゃった枢機卿がかわいそうになってしまう。ただ、普段あまりイタリア映画を見ないせいか、こういう感じがイタリア映画なのかなと思ってみたり・・・ 違う? 違っていたとしても、シニカルな感じがイタリア映画であるという目線で見てしまったので、これはこれでアリだなと思った。全くのとんちんかん発言かもしれないけれど。まぁ、ナンニ・モレッティ節ではあるのかも。ナンニ・モレッティの作品も初めて見たのでよく分からない・・・(o´ェ`o)ゞ

そう考えるといろいろシニカル。例えばメルヴィルはほとんど話を聞いてもらえない。法王に選出されるまで、全く目立たない存在だった彼に、祝福を浴びせる枢機卿たち・・・ 彼は何か言いたそうではあるけれど、法王決定を喜ぶ枢機卿たちは耳をかさない。このシーンから彼の声は、誰の耳にも届いていないという演出。精神科医(男)ですら、きちんとメルヴィルの話を聞く時間がない。決まった結果に誘導するように求められるのも違うと思うし、そもそも精神的な問題は数時間カウンセリングしたからといって直るものとも思えないのだけど・・・ 結局、メルヴィルの若い頃の挫折に原因があると思ったんだったかな?結果を出せない精神科医(男)に業を煮やしたんだったか?ちょっと忘れちゃったけど、彼の元妻である精神科医(女)に診てもらうことになる。彼女は事前に精神科医(男)が言っていたとおり、持論である幼児期の問題だったかな?に原因があると決めつけて、メルヴィルの話を聞こうとしていない。街に逃走したメルヴィルは劇団の稽古を見に行き、彼らと食事をする。その席で実は俳優になりたかったと言うけれど、その話もそんなに掘り下げられることもない。メルヴィルが誰かに自分の胸の内を聞いて欲しいと思っているかは別として、誰かが彼の思いを聞いてくれないと見ている側もよく分からない。でも、もしかしたら彼自身よく分かっていないのかも。上手く言えないけど、案外そんなものかもしれない。自分にはできないと思い込んでしまったら、何が原因かということは結局理由付けであって、理屈じゃなく自分にはできないのだから・・・ 無責任といえばそうなのだけど・・・

twitterなどでも賛否両論で、どちらかというと否の意見の方が多いような・・・ コメディーなのに笑えないのと、メルヴィルが街をさ迷った結果、何からあの結論に至ったのかが明確ではないという意見が多いように思う。確かにメルヴィルは演劇の稽古を見たり、ぽつぽつと質問に答えたりしているだけで、あまり進展が見られない・・・ ここで退屈と感じてしまった人が多いように思う。タイトルからすると、ここで法王の逃走劇が見れるのかなと思ってしまうので、邦題で若干損したかも・・・ メルヴィルはずっと考えているんだよね。アン王女みたいにロマンスがあるわけでも、束の間の休日を満喫するわけじゃない。バスに乗ってローマ市内の夜景を眺めている間も、おそらく「何故、自分は法王になれないと考えているのか」を考えているんだと思う。ただこれ、自分は鬱なんじゃないかと思うくらい悩んだことがある人なら分かると思うけれど、結論は出なかったりする。理屈じゃなく出来ないので・・・ その辺りの説明的なセリフや描写があまりないので、ちょっと伝わりにくい気もする。そして彼は枢機卿としての自覚もあるし、善き人ではあるけれど、やっぱり法王には向いてないということを表しているのかなとも思う。上手く言えないけど、自分の言葉で話すということが苦手だし・・・ まぁ、枢機卿なのだから聖書などから引用した言葉で、人々を導いてきたのだろうけれど、自分の思いを話そうとしたら上手く話せなかった。結局、自分の気持ちですら人に導き出されているのだということが言いたかったのかなと・・・

以下ネタバレありです!

太目のメルヴィルと体型の良く似た衛兵を替え玉にしたり、枢機卿による地域対抗バレーボール大会を開催したりして、枢機卿や世間の目をごまかしてきたけれど、隠し切れなくなり皆でメルヴィルを迎えに行くことに。赤の礼服の枢機卿達や黒とオレンジの衣装の衛兵達が劇場内に粛々と現れるシーンは圧巻だけど、ちょっととってつけたみたいな印象。まぁ、こうでもしないと連れ戻せないということなのだろうけれど・・・ そして、意を決してメルヴィルはバルコニーに立つ。本来はサン・ピエトロ大聖堂のバルコニーで「ウルビ・エト・オルビ・・・」から始まる演説をする決まりになっているそうだけれど、熱狂する聴衆を前に彼が発した言葉は「私は人を導けない、私が導かれている。私はローマ法王にはなれない」というもの・・・ 確かにそれしかメルヴィルの中で結論はないと思う。そして、これは皮肉でもあり、真理でもあると思う。人を導く立場の人が導いてばかりってわけではないと思う。その人だって"誰か"や"何か"から導かれて生きているハズ。でも、それでも"私には出来ない"ってことなんだよね。それでいいのかという倫理的な是非は別として・・・ ローマ法王という公人中の公人が、個を優先させたということにもなるかと思うけれど、でも公人としての勤めも個があってこそだし・・・

そしてこれは、見捨てられる話だと思った。メルヴィルは出来レース的に法王に選出されたことで、枢機卿たちに見捨てられた気がしたのではないかと思うし、精神科医(男)は苦肉の策で開催したバレーボール大会が思いのほか楽しくなったところで、法王に動きありの知らせで枢機卿たち見捨てられる、枢機卿たちはメルヴィルに見捨てられるし、もちろん信者たちも見捨てられた。そんなことを考えたら、かなりどんよりした気分になったけど、このシニカルさは嫌いではない。

役者さんはメルヴィルのミッシェル・ピコリと、監督兼精神科医(男)のナンニ・モレッティしか知らなかった。メルヴィルのミッシェル・ピコリ良かった! 一生懸命法王になろうとするけど、どうしてもなれない。なれないことがどんどん自分の中で明確になっていく感じが伝わってくる。ローマ法王という自分とはかけ離れた存在なのに、とっても共感できる。そして、かわいい ナンニ・モレッティの精神科医も良かったと思う。バレーボールで自分がノリノリになっちゃうのはおもしろかった! 広報担当の人もよかった。彼が一番コメディーっぽかった(笑)

ヴァチカン市内の建物は撮影不可ということで、バルベリーニ宮殿や、ムッチョリ宮、サケッティ宮が、システィーナ礼拝堂やサン・ピエトロ大聖堂内部として使われているそうで、なんとムッチョリ宮とサケッティ宮は個人宅なのだそう!∑(゚ω゚ノ)ノ すごいぞイタリア! とっても豪華でウットリ・・・ 前法王の葬儀シーンは、前法王ヨハネ・パウロ2世の葬儀の実際の映像だそう。これまたビックリ∑(゚ω゚ノ)ノ

前述のように賛否両論で、どちらかというと否の方が多い印象・・・ でも、法王のとっても人間らしい悩みに共感してしまった。枢機卿達のバレーボールはすごくカワイイので見て欲しいなぁ・・・ まぁ、そのためだけに行くのはどうかと思うけれど(笑)

一生懸命頑張り過ぎている人にオススメ! 法王だって完璧ではないのだから・・・

『ローマ法王の休日』Official site


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【art】「マウリッツハイス美術館展」鑑賞@東京都美術館

2012-08-18 00:00:00 | art
着いた!10分待ち。閉館間際までいるつもりで、耳飾り後にするか、先に見てまた見るか… http://t.co/jKcIfIft Posted at 05:30 PM



マウリッツハイス美術館展は、平日は18:30まで、金曜日は20:00まで開場。土曜日は19:30までだったかな? 違ったかな? 平日も頑張れば17:30頃到着できるとは思うけど、1時間しかないのはねぇ・・・ 他の方のblogなど拝見させていただき、平日、土日問わず夕方は空いているという情報を得たので、金曜日に行ったわけなのだけど、やっぱり甘かったね(笑) 多分、昼間よりは空いていると思うけれど・・・ 夏休み中なので旅行で来ているのか、家族連れが多かった印象。まぁ、でも65歳以上が入場無料になる水曜日には、入場に2時間待ちなんてこともあるみたいだから、10分待ちなら全然OK!

とりあえず耳飾りに並ぶ!最前は30分待ちみたいだけど、もちろん最前で!! Posted at 05:36 PM

事前の情報で"真珠の耳飾りの少女"は最前で見るなら立ち止まれないと聞いていたので、それなら最低2回は見ようと考えて、とりあえずB1はスルー! 1Fの"真珠の耳飾りの少女"の列に並ぶことに。1Fといっても美術館の入口がB1なので、感覚的には2F。エスカレーターを上がって1F入口に着くと、そこが列の最後尾。最前で見たい人は左側の壁に沿って並び、立ち止まって見たい人は右側のスペースへ。でも、立ち止まって見るスペース狭いので、順番待って最前取れるのはかなりの時間待つことになると思う。立ち止まって見れないから常に流れているわけで、30分待ちと言われたけど、このtweetした後、あと2階分見てから下のtweetしてること考えると、15~20分くらいしか待ってないと思う。だったら、数回並んだ方が早いと思う。最前と言っても1mくらい距離があるし、立ち止まって見るのはさらに後ろ。それこそ双眼鏡がなければ、細部は見えないと思う。会場内薄暗し・・・ あくまで個人的な意見ですが・・・

耳飾りの少女見た!!やっぱり本物はスゴイ!!少女の瞳に吸い込まれそう!目があっているようで、あっていないような不思議な感覚… もう一度見る! Posted at 06:04 PM



写真は、先月「フェルメール光の王国展」で撮影したリクリエイト作品


この少女テレビなどでじっくり見るとちょっと目が斜視ぎみなんだよね。それが、そこはかとない色気をもたらしてると思うのだけど、この目がとっても不思議で、遠くからでも目が合っているように思うけれど、近くで見ると目があっているようで、合っていないような・・・ そのとらえどころのない感じも人々の心を捉えるところなのでしょうね・・・

実はこの作品、フェルメール自身はタイトルをつけていなくて、彼の財産目録の中に「トローニー」と記載があるだけなのだそう。トローニーというのは、特定の人物ではなく、自分の理想などを反映させて描いた人物像のことを言うのだそう。なるほど・・・ その清らかな美しさは理想の少女と呼ぶにふさわしいかも。清らかでありながら、ぬれた唇や潤んだ瞳に、ほんの少しエロスを感じる・・・ やっぱり素晴らしい!! ホント会えてよかった!!

B1スルーしたので、戻って見る!途中の椅子で一休み。そろそろ帰り始めているので、空くまで待とうかな… まだ、結構人来てるけど… 悩むところだわ… Posted at 06:08 PM

順路に従い最上階まで行くと、今度は下り専用のエスカレーターでB1まで戻ることになる。エスカレーター脇にはガラス張りで中庭の見下ろせるスペースが。イスが置かれており休憩できる。ここで空くまで待とうかと悩んでいたわけだけど、雨が降ってきたという情報があり、急いで見て帰ることにした。

今展は見応えたっぷり! B1から充実している。混んでいるので、これは近くで見たいと思った作品は並んで最前で見て、残りは後ろから覗き込むという感じで鑑賞。閉館までいるつもりでいれば、じっくり鑑賞しても十分見れたと思うけれど、なにぶんせっかちなもので・・・(笑)

B1入ると直ぐ"ヨーハン・マウリッツ胸像"が。マウリッツハイスというのは、マウリッツさんの家という意味だそうで、この方のお屋敷が現在のマウリッツハイス美術館になっているのだそう。外観の写真もあったけれど、素敵な美術館。行ってみたい!

B1での個人的なお目当ては、「ぶらぶら美術博物館」で紹介されていた"四季の精から贈り物を受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪"、"聖母被天昇(下絵)"、"シメオンの賛歌"、"ディアナとニンフたち"。"四季の精から贈り物を受け取るケレスと、それを取り巻く果実の花輪"はヤン・ブリューゲル(父)とヘンドリック・ファン・バーレンの合作。ファン・バーレンは人物を描くことを得意とした画家で、ヤン・ブリューゲル(父)は花の画家。ということで、外側の花輪はヤン・ブリューゲル(父)が、その中央のケレスたちをファン・バーレンが描いたのではないかとのこと。ヤン・ブリューゲル(父)の花が素晴らしい! なんと精緻な・・・ 色彩の鮮やかさもスゴイ!

下の方のtweetにもあるけど、ルーベンスの"聖母被天昇(下絵)"も素晴らしかった。「フランダースの犬」でネロが最期を迎える教会にある絵。その下絵。残念ながらネロが最期に見た絵ではない。彼が最期に見たのはいつもは閉ざされて見ることができなかった"キリスト降架" 実は、ルーベンスは特別好きな画家ではない。でも、こうして本物を見るとやはりスゴイ! まずはその色の美しさ。空の青の美しさといったら・・・ そして、人物達が今にも動き出しそうな躍動感がある。この絵を元に描かれた作品は、ルーベンスと弟子たちによるものなので、完全にルーベンスが描いたこの下絵は必見!

順番が逆になるけど先にフェルメールの"ディアナとニンフたち"を・・・ これ、以前見たことがある。なので大好きなフェルメールの作品といえども"真珠の耳飾りの少女"ほど、絶対見なきゃ感はなかったのだけど、そこはやっぱりねぇ(笑) 実はこの作品、長年別の画家の作品とされてきたそうで、修復の課程でサインが発見され、フェルメール作品であることが分かったのだそう。さらに、その時描かれていた背景は青空だったけれど、使われていた絵の具がフェルメールの時代にはなかったもであることが分かり、現在のように暗い色に塗られたけれど、実際にフェルメールがどのような背景を描いていたのかは謎なのだそう・・・ なんてこと・・・ おそらくこの絵に別の画家のサインが書き込まれた時点では、フェルメールの知名度はほとんどなかったのでしょう。現在の人気ぶりを考えると切ない・・・

そして、今回"真珠の耳飾りの少女"以外で一番感動したレンブラントの"シメオンの賛歌" 前にも書いた気がするけど、レンブラントは特別好きな画家ではない。でも、会場内に入ったとたん、目に飛び込んでくる。バーンと目に飛び込んでくるので、近寄って確かめるとやっぱりレンブラントだったっていう経験多い。それは光の使い方とかいろいろあると思うけれど、やっぱり作品の持つ力なのでしょう。で、この"シメオンの賛歌"小さな作品だけど素晴らしい!! 死ぬ前に救世主を見ることになると預言され、死ぬことができなかったシメオン。礼拝にやってきた聖家族。この赤子こそが救世主であることを確信したシメオンはイエスを抱く。傍らに跪く聖母マリアとシメオンに抱かれたイエスに当たる光! それはイエスが発する光にも見える。薄暗いながらしっかりと描き込まれた礼拝堂。にくっきりと浮かび上がる3人。本当に奇跡のよう・・・ シメオンの悦びの表情も素晴らしい! これは素晴らしい!! ホントに見れてよかった! これはポストカード購入!

2回目見て今帰り!待ち時間的にはあまり変わらずw でも、立ち止まって見れないので、20分も待ってないと思う。絵小さいし、薄暗いし、止まれないけど、頑張って口角の光と真珠ガン見してきた!並んでる間もバッチリ少女と目が合うよっ♪ヾ(*´∀`*)ノ゛キャッキャッ Posted at 07:10 PM

実はフランドル派の絵画は、そんなに好きじゃないんだけど、真珠の耳飾りの少女以外にも、素晴らしい作品たくさんある!フランダースの犬に出てくる、ルーベンスの絵の下絵が素晴らしい!残念ながらネロが最期に見た作品ではありません… Posted at 07:17 PM

フランドル派の絵画は美しいとは思うけれど、色彩が強烈過ぎるというか・・・ 実は特別好きではない。でも、やっぱり見応えある。フランス・ハルス"笑う少年"は、近くで見ると大胆な筆遣いで描かれている。遠くから見ると無邪気な笑顔の少年だけど、近くで見るとT.M.Revolutionみたい・・・

そして、レンブラントはやっぱりスゴイ!!肖像画が多いけど、ホントにモデルそのまま描いてる。全く美化してないw 笑う男の顔ったらw でもシメオンの賛歌は素晴らしい!!コレは感動!ポストカード買った♪ Posted at 07:22 PM

レンブラントは肖像画を数多く描いていて、自画像も多い。自画像を含む3点の肖像画が出展されているけれど、tweetしているとおり全く美化していない。自画像は美化する必要もないようにも思うけれど、以前「ヴィジェ・ルブラン展」を見たときに知ったのだけど、自画像は名刺代わりというか、自分を売り込むために使われたりしたそうなので、リアルでありながらも美化して描いていたらしい。誰だって美しく描いて欲しいからね(笑) でも、これ全く美化してない。だって"自画像"も"笑う男"もおっさんだもの(笑) こんな言い方は失礼だけど"笑う男"の笑い声なんて、絶対ダミ声で品がないと思う(笑) 確かに見ていて楽しくなる部分はあるけれど、決して美しくはない人物を描くのに、ありったけの技術を駆使しているのが興味深い! だから、コレを描きたいってことなんだよね・・・ "真"を描きたい。でも、写真とは違う・・・ "自画像"の額の光の表現といったら・・・ やっぱりレンブラントは素晴らしい

で、こんなのあります!ちょっと着てみたい♪ http://t.co/Qvv55o5h Posted at 07:12 PM







ミュージアムショップを出て、エスカレーター脇を通った奥。ひっそりと展示されている(笑) 誘導がないと見落としちゃいそうだけど、これはカワイイから見て欲しい。耳飾の少女の衣裳を再現しているわけだけど、振り返っている絵だから服の詳細は分からない。なので、当時の衣裳を元に作られたのだと思うけど、これがなかなか素敵 少女が巻いているターバンは当時のオランダで身に付けられていたものではないそうで、異国風のいでたちをさせたいと考えたからではないかと言われているのだそう。でも、スカーレット・ヨハンソン主演の『真珠の耳飾の少女』では、少女は髪を隠す頭巾を被っていた。これは宗教的なことなのかな? いずれにしても素敵! これ着てみたいヽ(・∀・)ノ

で、少女と、 http://t.co/C0WONABT Posted at 07:13 PM



武井咲ちゃん♪ http://t.co/g3lk6YOP Posted at 07:14 PM



武井咲ちゃんカワイイ 「真珠の耳飾の少女」はやっぱり絵なんだよね・・・ 例えば頭の形とか、実際の人間とは違う・・・ これだと少しハチが大きすぎるというか・・・

マウリッツハイス美術館展グッズ!ええ!買いましたわたくしw 真珠の耳飾りミッフィーw http://t.co/iWft5yW8 Posted at 08:07 PM



でも、やっぱりカワイイよ♪ (人´∀`)?ラぶv http://t.co/51Q6rI8t Posted at 08:10 PM



★マウリッツハイス美術館展:6月30~9月17日@東京都美術館
マウリッツハイス美術館展|東京都美術館


http://twitter.com/maru_a_gogo


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする