'12.08.25 片岡翔特集上映『翔ぶ映画』@京橋ルクスギャラリー
当blogで何度かご紹介している、片岡翔監督の上映会に行ってきた。詩人・写真家の3人からなるリーディングユニット「サンズイ」が、26時間ずっと何かの活動を行うというイベント「飛ばない本」の一環として、企画された片岡翔監督作品のDVD上映会。ショートフィルム4本のうち、2本が未見だったので、楽しみに行ってきた~♪
京橋ルクスギャラリーは狭い空間。入口から詩など作品が展示されている。ちょっと道に迷って着いた時には既に人がいっぱいで、あまりちゃんと見れなかったのが残念・・・
まだ、1つ前の企画の監督さんのトーク中だったけれど、残念ながらどういう作品なのかは不明・・・
予定の19:30から、少し押して上映会開始! 各映画の上映後に監督のトークがあるという構成。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/9d/fa261023eca32c4d7ce070c669b02cda.jpg)
1.『ぐるぐるまわる』(28:00/2008)
「幼なじみの祈の葬儀に出席した夫婦。彼の隠れ家で不思議な体験をする・・・」
上映後のお話では尺の関係でなかなか上映する機会がなかったとおっしゃっていたけど、確かに監督の作品の中では長い方かな。ちょっと気持ち悪い話を作りたかったとおっしゃっていたとおり、前半の感じと後半では全然イメージが変わってしまう。たしかに気持ち悪い(笑) でも、その気持ち悪さが好き。登場人物は3人だけど、画面に出ているのは2人。しかも屋根裏の狭い空間で展開される不思議な出来事。途中からどんどん怖くなってくる。ピーター・パンになりたいと言っていた祈。ぬいぐるみで溢れる彼の世界が、どんどん怖くなってくる。この感じは好き! 祈の声を担当した川村悠耶くんもよかった。この声が子供っていうのが怖いんだよね・・・(笑) 川村悠耶くんも遊びに来てた。悠耶くんは『愛のむきだし』や翔監督の『ゲルニカ』にも出演。とっても繊細な演技をする役者さん。
監督ご自身も作品を撮るにあたり、どう自分の個性を出して行くかを考えていたとおっしゃっていたけど、その後の作品を通じて人形の使い方とか、小物やセットなども含めて、監督の個性を感じる作品だったと思う。これ好き!
2.『SiRoKuMa』(14:00/2010)
「子供の誕生を心待ちにしている父親。でも、赤ちゃんの生まれたくないという声が聞こえてきて・・・」
『ショートショートフィルムフェスティバル & アジア2011ストップ!温暖化プログラム』に出品された作品。同映画祭で3冠獲得! 3回目の鑑賞。SSFFではドキュメンタリータッチの作品で、温暖化そのものを描いてくる作品が多かった中、あくまで映画として温暖化や自分達に出来る温暖化対策を描いていたのが印象的だった。その完成度はやっぱり群を抜いていたと思う。声高に訴えるより、サラリと語られる方が好みなのもあるけれど・・・ この作品はやっぱり主演の芹澤興人さんの個性によるところが大きいと思う。ほぼ1人芝居の芹澤さんの好演もさることながら、彼の個性を生かしての演出は見事。オチもおもしろかった!
3.『超スーパーギガゴーレムSVプラス超リーサルウエポンⅡアンドギガ』(3:11/2011)
「ダンボールでロボットを作る兄弟。友達に見せに公園に向かうが・・・」
昨年の『仙台短編映画祭』に出品された作品。41名の監督が3:11の作品を作るという企画。東京でも上映されたこの企画、残念ながら見ることは出来なかったのだけど、今回見れてよかった! トークで監督に質問をしていた方はサンズイのメンバーの方で、片岡監督の脚本のチェックなどもされているのだそう。いつもは脚本を読んで思い描いた世界が、いい意味で裏切られることが多いけれど、この作品に関してはそのままだったそうで、その辺りをどう思うかと質問されていた。監督によると3:11という短い尺で描くということはとても大変なことで、1つのメッセージだけを見せる作品も多かった中で、やっぱり物語にこだわりたかったとのこと。なるほど・・・
震災後のある町が舞台。それがどこであるかは明言されないけれど、兄弟が出掛ける前、兄が弟を呼び止めるシーンでハッキリと分かる。無邪気に遊ぶ子供達には何の屈託もないけれど、彼らが自然のままに遊べないのは何故か・・・ そういうことを、その1シーンで見せるのは好き。サンズイの方もおっしゃってたけど、格差社会とかもさり気なく描かかれている。そういうことを声高に描かないところが流石だなと思う。このおもちゃとか、お人形とか、子供の世界の中に残酷さや毒を入れてくる感じは、監督独特のもので、その世界観はやっぱり好きだなぁ。『くらげくん』の虎太郎くんが出てたのがうれしかった![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/22.gif)
4.『party』(19:19/2011)
「6人の男女が、森を抜けて海へ向かう・・・」
2回目の鑑賞。今年2月『テンダーシネマ vol.1 Bプログラム』で、今作にも登場している今泉力哉監督の『ハイタイム』と同時上映された。前回見た時はショックだった・・・ 多分、こういうことだろうと思いつつ見ていて、上映後お父様の佐吉さんに感想を聞かれて、自分の見解を話したところ「あぁ、映画好きな人はそういう見方をするんだね!」と言われた覚えがある(笑) 残念ながら、私の見解は遠くはなかったけど当たっていなかった・・・![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/67.gif)
で、今回オチが分かって見たわけだけど、これはオチが分かって見た方がおもしろい! 最初のシーンから伏線が張られている。何故、彼らが急に海を目指したのか・・・ ぬいぐるみを送ってきたのは誰なのか・・・ そういうのが分かって見ると、ホント良く出来ている。海のカメラワークも好き! 途中の自然の美しさもよかったなぁ・・・ この作品も好きだなぁ・・・
監督自身の次回作について語ってはいなかったように思うけれど、何と言っても来年公開になる『きいろいゾウ』! 宮﨑あおいと向井理主演のこの映画の脚本を担当! 監督ご自身、西加奈子さんの原作が大好きだったそうで、その言葉を大切に脚本を書いたのだそう。サンズイの方がビックリしていたのは、この作品の原稿と同時に別の原稿を書いていたそうで、並行して書けることに驚いていらした。監督ご自身としては、その方が頭が切替わって書きやすいとおっしゃっていたけど、何となく分かる・・・ 映画の感想書いてても、別の映画の感想考えてる時あるし・・・ まぁ、こんな拙いblogと一緒にするなと思いますが(笑)
芸術家肌な印象の監督だけど、実は映画祭に出品する際には、リサーチして戦略を練って作品を撮っているのだそう。ご自身では実は商業的だとおっしゃっていた。映画という商業世界で生きていくなら当然必要なことだと思う。その中で、きちんと自分の世界を撮れていければ理想的。そうなるといいなぁと、一ファンとしては思っているわけです♪
片岡翔特集上映「翔ぶ映画」
Nekome Filem
当blogで何度かご紹介している、片岡翔監督の上映会に行ってきた。詩人・写真家の3人からなるリーディングユニット「サンズイ」が、26時間ずっと何かの活動を行うというイベント「飛ばない本」の一環として、企画された片岡翔監督作品のDVD上映会。ショートフィルム4本のうち、2本が未見だったので、楽しみに行ってきた~♪
京橋ルクスギャラリーは狭い空間。入口から詩など作品が展示されている。ちょっと道に迷って着いた時には既に人がいっぱいで、あまりちゃんと見れなかったのが残念・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/67.gif)
予定の19:30から、少し押して上映会開始! 各映画の上映後に監督のトークがあるという構成。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/9d/fa261023eca32c4d7ce070c669b02cda.jpg)
1.『ぐるぐるまわる』(28:00/2008)
「幼なじみの祈の葬儀に出席した夫婦。彼の隠れ家で不思議な体験をする・・・」
上映後のお話では尺の関係でなかなか上映する機会がなかったとおっしゃっていたけど、確かに監督の作品の中では長い方かな。ちょっと気持ち悪い話を作りたかったとおっしゃっていたとおり、前半の感じと後半では全然イメージが変わってしまう。たしかに気持ち悪い(笑) でも、その気持ち悪さが好き。登場人物は3人だけど、画面に出ているのは2人。しかも屋根裏の狭い空間で展開される不思議な出来事。途中からどんどん怖くなってくる。ピーター・パンになりたいと言っていた祈。ぬいぐるみで溢れる彼の世界が、どんどん怖くなってくる。この感じは好き! 祈の声を担当した川村悠耶くんもよかった。この声が子供っていうのが怖いんだよね・・・(笑) 川村悠耶くんも遊びに来てた。悠耶くんは『愛のむきだし』や翔監督の『ゲルニカ』にも出演。とっても繊細な演技をする役者さん。
監督ご自身も作品を撮るにあたり、どう自分の個性を出して行くかを考えていたとおっしゃっていたけど、その後の作品を通じて人形の使い方とか、小物やセットなども含めて、監督の個性を感じる作品だったと思う。これ好き!
2.『SiRoKuMa』(14:00/2010)
「子供の誕生を心待ちにしている父親。でも、赤ちゃんの生まれたくないという声が聞こえてきて・・・」
『ショートショートフィルムフェスティバル & アジア2011ストップ!温暖化プログラム』に出品された作品。同映画祭で3冠獲得! 3回目の鑑賞。SSFFではドキュメンタリータッチの作品で、温暖化そのものを描いてくる作品が多かった中、あくまで映画として温暖化や自分達に出来る温暖化対策を描いていたのが印象的だった。その完成度はやっぱり群を抜いていたと思う。声高に訴えるより、サラリと語られる方が好みなのもあるけれど・・・ この作品はやっぱり主演の芹澤興人さんの個性によるところが大きいと思う。ほぼ1人芝居の芹澤さんの好演もさることながら、彼の個性を生かしての演出は見事。オチもおもしろかった!
3.『超スーパーギガゴーレムSVプラス超リーサルウエポンⅡアンドギガ』(3:11/2011)
「ダンボールでロボットを作る兄弟。友達に見せに公園に向かうが・・・」
昨年の『仙台短編映画祭』に出品された作品。41名の監督が3:11の作品を作るという企画。東京でも上映されたこの企画、残念ながら見ることは出来なかったのだけど、今回見れてよかった! トークで監督に質問をしていた方はサンズイのメンバーの方で、片岡監督の脚本のチェックなどもされているのだそう。いつもは脚本を読んで思い描いた世界が、いい意味で裏切られることが多いけれど、この作品に関してはそのままだったそうで、その辺りをどう思うかと質問されていた。監督によると3:11という短い尺で描くということはとても大変なことで、1つのメッセージだけを見せる作品も多かった中で、やっぱり物語にこだわりたかったとのこと。なるほど・・・
震災後のある町が舞台。それがどこであるかは明言されないけれど、兄弟が出掛ける前、兄が弟を呼び止めるシーンでハッキリと分かる。無邪気に遊ぶ子供達には何の屈託もないけれど、彼らが自然のままに遊べないのは何故か・・・ そういうことを、その1シーンで見せるのは好き。サンズイの方もおっしゃってたけど、格差社会とかもさり気なく描かかれている。そういうことを声高に描かないところが流石だなと思う。このおもちゃとか、お人形とか、子供の世界の中に残酷さや毒を入れてくる感じは、監督独特のもので、その世界観はやっぱり好きだなぁ。『くらげくん』の虎太郎くんが出てたのがうれしかった
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/22.gif)
4.『party』(19:19/2011)
「6人の男女が、森を抜けて海へ向かう・・・」
2回目の鑑賞。今年2月『テンダーシネマ vol.1 Bプログラム』で、今作にも登場している今泉力哉監督の『ハイタイム』と同時上映された。前回見た時はショックだった・・・ 多分、こういうことだろうと思いつつ見ていて、上映後お父様の佐吉さんに感想を聞かれて、自分の見解を話したところ「あぁ、映画好きな人はそういう見方をするんだね!」と言われた覚えがある(笑) 残念ながら、私の見解は遠くはなかったけど当たっていなかった・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/67.gif)
で、今回オチが分かって見たわけだけど、これはオチが分かって見た方がおもしろい! 最初のシーンから伏線が張られている。何故、彼らが急に海を目指したのか・・・ ぬいぐるみを送ってきたのは誰なのか・・・ そういうのが分かって見ると、ホント良く出来ている。海のカメラワークも好き! 途中の自然の美しさもよかったなぁ・・・ この作品も好きだなぁ・・・
監督自身の次回作について語ってはいなかったように思うけれど、何と言っても来年公開になる『きいろいゾウ』! 宮﨑あおいと向井理主演のこの映画の脚本を担当! 監督ご自身、西加奈子さんの原作が大好きだったそうで、その言葉を大切に脚本を書いたのだそう。サンズイの方がビックリしていたのは、この作品の原稿と同時に別の原稿を書いていたそうで、並行して書けることに驚いていらした。監督ご自身としては、その方が頭が切替わって書きやすいとおっしゃっていたけど、何となく分かる・・・ 映画の感想書いてても、別の映画の感想考えてる時あるし・・・ まぁ、こんな拙いblogと一緒にするなと思いますが(笑)
芸術家肌な印象の監督だけど、実は映画祭に出品する際には、リサーチして戦略を練って作品を撮っているのだそう。ご自身では実は商業的だとおっしゃっていた。映画という商業世界で生きていくなら当然必要なことだと思う。その中で、きちんと自分の世界を撮れていければ理想的。そうなるといいなぁと、一ファンとしては思っているわけです♪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/yl/94.gif)
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