三井記念館美術館へ!今日はこれから近江路の神と仏展を見ます!!楽しみ♪ Posted at 11:20 AM
「近江路の神と仏」良かった!なぜ神?と思ったら、本地仏というのはそういうことなのか… 三井記念館美術館の重厚な洋風の展示室1で、釈迦誕生仏を見るなんて素敵♪ 快慶の大日如来もスゴイけど、栄快の地蔵菩薩、葛川明王院の千手観音が素晴らしい!! http://t.co/PHjWA599 Posted at 05:46 PM
三井記念美術館は好き。そんなに広くないから見やすいし、何より展示室1と2の内装が素敵! 重厚感のある洋風建築。そんな少し薄暗い室内で、ガラスケースに収められた釈迦誕生仏を見るというのがイイ! 一見ミスマッチだけど、素晴らしいものはどんな空間でもしっかりと存在感を示しつつ、自己主張し過ぎることがなく、しっくりとその場になじむ。
【展示室1】
ちょっぴりふくよかな”誕生釈迦仏立像”がお出迎えする展示室1では、散華の花を盛る皿 金銀鍍透彫華籠、内陣の長押にかける荘厳具 金銅透彫華鬘の装飾が美しい! この重厚は洋室に合う!!
【展示室2、3】
展示室2は展示室1に続く控えの間のような洋室。ここでは金銅経箱1点のみの展示。展示室4と7は逆コの字型にガラス張りの展示スペースが並ぶ普通の展示空間。展示室3と5~6は4と7を結ぶ廊下にあるという感じ。展示室3では広重の近江八景をパネル展示。
【展示室5】
展示室6は神体と近江の神々のパネル展示、展示室7は主に曼荼羅の展示となっている。展示室7の曼荼羅は素晴らしく、見応えもあった。でも、そんなに詳しくないので、ここは割愛。順番は逆になるけど、メインの仏像について語りたいので順番を逆にして【展示室5】から。ここにも平安時代に彫られた男神坐像、女神坐像があるのだけど、ここでは土佐光茂筆による桑実寺縁起と、紺紙金字妙法蓮華経 開結経共が見もの! これは素晴らしかった! 桑実寺縁起は天智天皇の第4皇女 阿閇姫の病気平癒のために描かれたのだそう。それぞれの場面が分かりやすく描かれている。
素晴らしかったのが紺紙金字妙法蓮華経 開結経共! 紺色に染めた紙に銀泥で線を引き、そこにびっしりと金泥で妙法蓮華経を書いていく。その字の美しさといったら! 書かれている字は分かるけれど、お経なので全く読めない。字の持つ力に圧倒される。これ平安時代に書かれたそうだけれど、その保存状態が素晴らしい! これは必見の素晴らしさ!!
【展示室4】
お目当ての仏像たちはここにいらっしゃる。展示スペースが広くないので、点数は多くないけれど見応えあり! 興味深かったのは熊野本地仏像(阿弥陀・千手・十一面・地蔵)、本地仏については下記に記載したけど、日本の神を本来の仏の姿として表したということで、阿弥陀は本宮、千手は那智、十一面は若宮、地蔵は禅師宮にそれぞれ祀られているそう。同じ背丈で体型も同じ、素朴なお姿の仏様たち。こういう昔の人々の信仰に根付いている感じが好き。吉祥天が豊穣神ラクシュミーで毘沙門天の妻だということは知っていたけど、大黒天はシヴァ神の化身マハーカラだというのは知らなかった・・・ 同じ不動明王でも、安然と弘法大師の説では違う形相になるというのも興味深い。勉強になる!円満寺の十一面観音立像は井上靖の「星と祭」に登場するのだそう。

今回のお目当て快慶作大日如来ももちろんここにいらっしゃる! 鎌倉時代の大仏師運慶の父の弟子だった快慶自身も大仏師。運慶が動ならば快慶は静という印象。この大日如来は美しい! 肩に掛かる髪のラインの美しさ、天衣が静かに波打つ美しさ。大日如来特有の智拳印もそっと結んでいらっしゃる印象。6月に奈良円成寺の、運慶の大日如来のエネルギーがみなぎって、今にも天井を破って飛んで行ってしまうのではないかというお姿とは対照的。円成寺の大日如来は運慶20歳の頃の作品、この石山寺の大日如来は快慶初期の作品と言われているのだそう。どちらも若い頃に素晴らしい大日如来を作っていたことは興味深い。まぁ、大仏師集団慶派を代表する大仏師なら当然か・・・ これホントに素晴らしい!

でも実は快慶の大日如来よりも心奪われた仏像が2体。1体目は葛川明王院の千手観音! 平安時代に作られたこの仏様の保存状態が素晴らしい! 金箔が全身きれいに残っているし、左右に伸びる数十本の手には、それぞれ宝珠などを持っていらっしゃる。その1つ1つの細工が美しく、全て素晴らしい状態で残っている。お顔がまたキレイ! 少しふくよかなお顔は男性的ではあるけれど、静かで本当に美しいお顔。頭上のお顔もきれいに残っている。これはホントに素晴らしかった!

今回一番心打たれたのが栄快作 地蔵菩薩立像! なんという美しいお顔! 節目がちな切れ長の目は涼やかで、堅く結んだ口元は意思の強さを感じる。若いお顔をされている。放射型に伸びる光背は本当に光を放っているかのよう! 展示中は下ろして別展示されているけれど、本来は左手に水晶の宝珠をかかげていらっしゃる。そのお姿はお堂で見たらさぞかし神々しいだろうなと思いをはせる・・・ 本当に美しいお姿だった!
というわけで大満足! 三連休の中日、11時半頃着いたけれどそんなに混んでなかった。なので、ゆったり見られてよかった! 大満足!! 近江路のお寺巡りしたい
【備忘φ(・ェ・o)メモ①】用語について
本地仏:日本の神を本来の仏の姿として表す本地垂迹説に基づいた像
垂迹画:日本古来の神の本身は仏教の仏であるという思想に基づいて描かれたもの
【備忘φ(・ェ・o)メモ②】仏画の手法
輪郭は墨・朱・丹・緑青・金泥で描く
端をぼかす手法:墨隈・色隈
濃淡を表す手法:繧繝彩色
光を表す手法:照隈
金箔は仏身・装身具に用いる 截金
金泥:金紛を膠で溶く
★近江路の神と仏 名宝展:2012年9月8日~11月25日
三井記念美術館
http://twitter.com/maru_a_gogo
「近江路の神と仏」良かった!なぜ神?と思ったら、本地仏というのはそういうことなのか… 三井記念館美術館の重厚な洋風の展示室1で、釈迦誕生仏を見るなんて素敵♪ 快慶の大日如来もスゴイけど、栄快の地蔵菩薩、葛川明王院の千手観音が素晴らしい!! http://t.co/PHjWA599 Posted at 05:46 PM

三井記念美術館は好き。そんなに広くないから見やすいし、何より展示室1と2の内装が素敵! 重厚感のある洋風建築。そんな少し薄暗い室内で、ガラスケースに収められた釈迦誕生仏を見るというのがイイ! 一見ミスマッチだけど、素晴らしいものはどんな空間でもしっかりと存在感を示しつつ、自己主張し過ぎることがなく、しっくりとその場になじむ。
【展示室1】
ちょっぴりふくよかな”誕生釈迦仏立像”がお出迎えする展示室1では、散華の花を盛る皿 金銀鍍透彫華籠、内陣の長押にかける荘厳具 金銅透彫華鬘の装飾が美しい! この重厚は洋室に合う!!
【展示室2、3】
展示室2は展示室1に続く控えの間のような洋室。ここでは金銅経箱1点のみの展示。展示室4と7は逆コの字型にガラス張りの展示スペースが並ぶ普通の展示空間。展示室3と5~6は4と7を結ぶ廊下にあるという感じ。展示室3では広重の近江八景をパネル展示。
【展示室5】
展示室6は神体と近江の神々のパネル展示、展示室7は主に曼荼羅の展示となっている。展示室7の曼荼羅は素晴らしく、見応えもあった。でも、そんなに詳しくないので、ここは割愛。順番は逆になるけど、メインの仏像について語りたいので順番を逆にして【展示室5】から。ここにも平安時代に彫られた男神坐像、女神坐像があるのだけど、ここでは土佐光茂筆による桑実寺縁起と、紺紙金字妙法蓮華経 開結経共が見もの! これは素晴らしかった! 桑実寺縁起は天智天皇の第4皇女 阿閇姫の病気平癒のために描かれたのだそう。それぞれの場面が分かりやすく描かれている。
素晴らしかったのが紺紙金字妙法蓮華経 開結経共! 紺色に染めた紙に銀泥で線を引き、そこにびっしりと金泥で妙法蓮華経を書いていく。その字の美しさといったら! 書かれている字は分かるけれど、お経なので全く読めない。字の持つ力に圧倒される。これ平安時代に書かれたそうだけれど、その保存状態が素晴らしい! これは必見の素晴らしさ!!
【展示室4】
お目当ての仏像たちはここにいらっしゃる。展示スペースが広くないので、点数は多くないけれど見応えあり! 興味深かったのは熊野本地仏像(阿弥陀・千手・十一面・地蔵)、本地仏については下記に記載したけど、日本の神を本来の仏の姿として表したということで、阿弥陀は本宮、千手は那智、十一面は若宮、地蔵は禅師宮にそれぞれ祀られているそう。同じ背丈で体型も同じ、素朴なお姿の仏様たち。こういう昔の人々の信仰に根付いている感じが好き。吉祥天が豊穣神ラクシュミーで毘沙門天の妻だということは知っていたけど、大黒天はシヴァ神の化身マハーカラだというのは知らなかった・・・ 同じ不動明王でも、安然と弘法大師の説では違う形相になるというのも興味深い。勉強になる!円満寺の十一面観音立像は井上靖の「星と祭」に登場するのだそう。

今回のお目当て快慶作大日如来ももちろんここにいらっしゃる! 鎌倉時代の大仏師運慶の父の弟子だった快慶自身も大仏師。運慶が動ならば快慶は静という印象。この大日如来は美しい! 肩に掛かる髪のラインの美しさ、天衣が静かに波打つ美しさ。大日如来特有の智拳印もそっと結んでいらっしゃる印象。6月に奈良円成寺の、運慶の大日如来のエネルギーがみなぎって、今にも天井を破って飛んで行ってしまうのではないかというお姿とは対照的。円成寺の大日如来は運慶20歳の頃の作品、この石山寺の大日如来は快慶初期の作品と言われているのだそう。どちらも若い頃に素晴らしい大日如来を作っていたことは興味深い。まぁ、大仏師集団慶派を代表する大仏師なら当然か・・・ これホントに素晴らしい!

でも実は快慶の大日如来よりも心奪われた仏像が2体。1体目は葛川明王院の千手観音! 平安時代に作られたこの仏様の保存状態が素晴らしい! 金箔が全身きれいに残っているし、左右に伸びる数十本の手には、それぞれ宝珠などを持っていらっしゃる。その1つ1つの細工が美しく、全て素晴らしい状態で残っている。お顔がまたキレイ! 少しふくよかなお顔は男性的ではあるけれど、静かで本当に美しいお顔。頭上のお顔もきれいに残っている。これはホントに素晴らしかった!

今回一番心打たれたのが栄快作 地蔵菩薩立像! なんという美しいお顔! 節目がちな切れ長の目は涼やかで、堅く結んだ口元は意思の強さを感じる。若いお顔をされている。放射型に伸びる光背は本当に光を放っているかのよう! 展示中は下ろして別展示されているけれど、本来は左手に水晶の宝珠をかかげていらっしゃる。そのお姿はお堂で見たらさぞかし神々しいだろうなと思いをはせる・・・ 本当に美しいお姿だった!
というわけで大満足! 三連休の中日、11時半頃着いたけれどそんなに混んでなかった。なので、ゆったり見られてよかった! 大満足!! 近江路のお寺巡りしたい

【備忘φ(・ェ・o)メモ①】用語について
本地仏:日本の神を本来の仏の姿として表す本地垂迹説に基づいた像
垂迹画:日本古来の神の本身は仏教の仏であるという思想に基づいて描かれたもの
【備忘φ(・ェ・o)メモ②】仏画の手法
輪郭は墨・朱・丹・緑青・金泥で描く
端をぼかす手法:墨隈・色隈
濃淡を表す手法:繧繝彩色
光を表す手法:照隈
金箔は仏身・装身具に用いる 截金
金泥:金紛を膠で溶く
★近江路の神と仏 名宝展:2012年9月8日~11月25日

