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【cinema】『LIFE!』(試写会)

2014-03-02 02:51:19 | cinema
'14.02.17 『LIFE!』(試写会)@よみうりホール

気になって試写会いくつか応募。 海外ドラマNAVIさんで当選! 『ホビット 竜に奪われた王国』に続いての当選。ありがとうございました! ということで、よろこんで行って来たー

ネタバレありです!

「LIFE誌の写真管理部に勤務するウォルター・ミティは、気になる相手に声もかけられない中年男。彼の唯一の楽しみは空想世界でヒーローになること。ある日、LIFEが休刊となることが決定し、大掛かりなリストラが行われることが発表される。最終刊の表紙を飾る写真のネガを無くしてしまったウォルターは・・・」という話。これは、なかなかおもしろかった。ちょっとやり過ぎかなと思う部分もあったけど、個人的にはギリギリOK。ただ、ちょっとおとぎ話的な部分もあるので、そういう感じが苦手な人はダメかも? 個人的にはこちらもギリギリOK(笑) ってダメなのかというと、そんなことはなく、見ている間は楽しめた。見終わった後にも、何かが残る作品だったと思う。

そもそもはスティーブン・スピルバーグ監督が製作に関わるという話もあったそうだけれど、ベン・スティラーが主演と監督を兼ねている。2013年映画見本市"シネコン"で公開された13分のフッテージが大反響を呼び、10月のNew York映画祭ではスタンディングオベーションを受けたとのこと。うん、試写会後にも拍手が起きてた。まぁ、感動!!って感じではなかったけど、良い作品だと思ったので。拍手しました!←えらそう(笑)

主人公はLIFE誌の写真管理部に長年勤務するウォルター・ミティ。独身。最近、入社してきたシェリルに片思い中。職場では彼女に話しかけられないため、彼女が恋人募集サイト(?)に登録したことを知り、自分も登録したらしい。冒頭、彼女にウィンクを送るか送らないかで散々迷う姿から始まる。ウィンクというのは、気に入りましたっていうサインなのかな? 相手も気に入れば何かしらのアクションがあるとか? 散々迷った挙句、やっと送信するものの、ウィンクは送れないというエラーメッセージが表示されてしまう。送信⇒拒否⇒送信⇒拒否の繰り返しが笑える(笑) 出勤途中の駅のホームで、サイト管理者に問い合わせるウォルター。ウィンクが送れないんだけど・・・ 本人を知っているなら、直接話しかければいいじゃないかと言われると口ごもる。多分、プロフィールの情報が足りないからだと言われ、逆に質問されてしまう。冒頭からここまでのウォルターのDT(童貞)くんぶりが笑える。以前、彼女もいたようなのでDTくんではないと思うけど・・・ 電話中に犬の泣き声を聞いたウォルターは、突然妄想の世界に入ってしまう! 炎に包まれるアパート。逃げ後れた足の悪い犬。スパイダーマンのようにホームから飛び降り、火の中から犬を救出してくるウォルター。飼い主のシェリルに犬を渡す。感謝と憧れの眼差しを向けるシェリル・・・ 現実に戻ると、ホームに居て、乗るはずの電車に乗り遅れてしまっている┐(´-д-`)┌ヤレヤレ・・・

そう、ウォルターは日常では出来ないことを、妄想しているのだった。ウォルターが何歳設定なのかが分からなかったのだけど、白髪も混じった風貌からは確実に40代と思われる。他人に迷惑かけたりしなければ、どんな妄想をしようがその人の自由だと思うけれど、映像で見せられてしまえば、笑える半面ちょっと気持ち悪くもある。その辺りの感じが絶妙。たびたび妄想し、その度固まってしまうウォルターに、ある任務でやってきた上司が目をつける。実は会社が買収されてしまい、雑誌LIFEは休刊となることが決定。事実上の廃刊。エレベーターで一緒になったヒゲ上司は、最終刊刊行と従業員のリストラを行うためにやって来た。自分がリストラ候補であることは間違いないことを自覚するウォルター。このヒゲ上司は、ありがちなバカなくせに地位だけ高く、威張っているヤツというキャラ。どうして、こういうヤツが出世できるのかと思うけど、映画では欠かせないキャラとも言える。社訓も知らない愛社精神などない人物というのは、ダメ上司であるという描写とともに、後の伏線でもある。

写真管理部の仕事が今ひとつ分からないのだけど、カメラマンから預かったネガの管理と現像を行う部署なのかな? 暗い室内にはウォルターと同僚の2人しかいない。有名カメラマンのショーン・オコンネルから、ネガとウォルター宛の手紙、そしてプレゼントの財布が届く。財布にはLIFEの社訓が刻印されていた。手紙にはウォルターの写真管理能力、彼の写真への愛情に対する感謝の言葉とともに、25番の写真は自分の最高傑作なので、最終刊の表紙には是非その写真を使って欲しいと書かれていた。25番のネガは中に入っているとも。でも、送られてきたネガの中からは25番のネガだけが切り取られていた・・・ 必死で探すウォルターと同僚。しかし、見つからない・・・ 正直この時点で25番のネガがどこにあるかは分かってしまったのだけど、映画はこのネガ探しがメインとなっていく。

ヒゲ上司の元にもオコンネルから最終刊の表紙は25番のネガでと連絡が来ており、現像をせかされるウォルター。いくら探しても25番のネガは見つからない。前後のネガから、手がかりを探す。社内で偶然会ったシェリルに、オコンネルの連絡先を知らないかと尋ねることに成功! その後、オコンネルからは一方的に連絡があり、指定の口座に振り込みするだけなので、誰もオコンネルの連絡先を知らないとの回答をシェリルから得る。絶望するウォルター。心配したシェリルに理由を話すと、親身になってくれる。ここから、2人の仲は急接近するのだけど、これが自然でいい。ウォルターのようなタイプは、自分が意識しちゃダメなんだよね(笑) あんなに意識して話せなかったのに、自然に話せるようになる。時々妄想はしているけれど・・・(笑) 自然な流れで彼女の息子と会って、実はウォルターがスケボーが得意だということが分かる。見ている側としては、2人が恋人になるだろうことは分かっているので、いつ、どんなきっかけで始まるのかと思って見ているわけだけど、自然な流れで良かった。何故か急にシェリルと『ベンジャミン・バトン ~数奇な人生~』(感想はコチラ)のパロディをするシーンが出てくる。多分、いろんな映画のオマージュが含まれているんだと思う。冒頭の妄想もスパイダーマンっぽかたったし・・・ 他はあまりよく分からなかったけど・・・(o´ェ`o)ゞ

ウォルターを語る上で大切なのが家族。実はウォルターは学生の頃、バックパッカーとして旅立つ前日に父親を亡くした。それから、ドーナツショップ働いて家計を支えた。今でこそ冒険などとは無縁になってしまったウォルターだけれど、彼の根底には冒険心があったということも、後の伏線になっている。家族は母親と妹。妹は「glee」(だったよね?)のオーディションを受けているので女優さんなのかな? 兄の会社にラップに包んだ誕生日ケーキを持ってきちゃうエキセントリックな性格。この妹のキャラはギリギリ 詳細は忘れてしまったけれど、母親の引越しを手伝わなくてはならず、仕事の合間に打ち合わせをしたりする。父との思い出があるピアノを手放さずに済むよう、少し広めの部屋を契約するなど、母親思いのウォルター。後にこのピアノが良い働きをする。シェリルの息子に会ったり、母親の引越し手続きをしたりと、やけに時間に余裕があるというツッコミはなしで! ここから先はもっと荒唐無稽になっていくので(笑)

さて、いよいよ冒険! でも、ここはあまり詳しく書いてしまうとおもしろくないので、流し気味に・・・ とはいえ、いろいろ書いちゃう気はするけど(o´ェ`o)ゞ オコンネルのネガの1つはグリーンランドの港で撮影されたことが分かる。チラシの姿のままグリーンランドへ向かってしまうウォルター。グリーンランドってそんなに簡単に行けるものなの?というツッコミはなしで! どんどん荒唐無稽になって行くけど、その現実の冒険が、妄想を超えていく感じを楽しむ作品なのだと思うので・・・ 上手く言えないけど・・・ グリーンランドでは、偶然からまれた酔っ払いが、オコンネルを船まで運んだヘリコプターのパイロットで、彼にその船まで運んでもらえることになる。酔っ払いの操縦は怖かったけれど、妄想のシェリルに後押しされヘリに乗り込む。この船の感じも『ベンジャミン・バトン』を彷彿とさせるような気もするけど気のせいかな・・・ ヘリから船に飛び移ることに失敗! サメと戦ってなんとか船に乗り込む。この辺りもコミカルに描かれているので、ギリギリ笑える感じになっている。船員とも仲良くなり、オコンネルはアイスランドへ向かったことを知る。

アイスランドでは1台しかない自転車を、ストリップを見に行く船員たちとの奪い合いで勝ち取り、火山を目指す。途中のホテルで少年たちからスケートボードを手に入れる。このスケートボードは後に重要な働きをするのだけど、こういうアイテムを手に入れていく感じは、冒険といえばのRPG的な要素もあるのかな? ゲームしないからよく分からないけど(笑) オコンネルが泊まったホテルの経営者から、彼が入れ違いで空港に向かったことを聞いたウォルターは、両手に石をくくりつけ、スケートボードに乗って坂を下っていく! ここかっこよかったー! なぜ、石をくくりつけたかと言うと、コーナーを曲がる際に手をついてバランスを取るため。ここの映像がウォルターと一緒に滑っているみたいで楽しい! ウォルター以外誰も通らない道。周りを取り囲む山などの自然! もう最高に気持ちいい!! 空港近くに行くと、前述のホテル経営者が必死で車に乗れと言ってくる。わけも分からず乗り込むと、火山噴火! そして、セスナ機の羽根の上に立って、火山に向かっていくオコンネル・・・

結局、オコンネルには会えず、帰国するウォルター。スケボーをシェリルの息子にあげようと、彼女の家を訪ねる。現れたのは元ダンナ。シェリルのことををハニーと呼ぶ彼に、2人のヨリが戻ったことを察し、スケートボードを置いて去ってしまう。まぁ、これについても何となくオチが分かるので、特にハラハラしたりはしないけど、ウォルターに勇気を出させないといけないので、一山必要ってことかと・・・

自宅に戻ると、全てが終りだとオコンネルから贈られた財布をゴミ箱に捨ててしまう。チラ見する母。もちろん伏線。ふと、母のピアノを見ると、その一部がオコンネルのネガに映っていたことに気づく。母親に彼がここに来たのかと尋ねると、ヒマラヤに向かったと言われる。一瞬戸惑うものの、家族に後押しされてヒマラヤに向かうウォルター!

イヤ・・・ ウォルターが実はスケボーが上手で運動神経が良く、以前は冒険心を持った若者であったとしても、いくらなんでもヒマラヤ登山は無理だろう!と思うし、途中からはシェルパも同行しないで1人で行くとか、アリエナ━━Σ(。・д・ノ)ノ━━イッ と思うけど、それは言っちゃダメ! この映像がスゴイ!そして、とうとうオコンネルを発見!([+]Д・) ユキヒョウを撮影に来ていたのだった。長年、彼のネガを管理し、現像してきたウォルター。彼の仕事を評価し、信頼してきたオコンネル。会うのは初めて。しばし、語り合うシーンがいい。25番のネガはどこにあるのか尋ねるウォルター。分からなかったのか?と聞くオコンネル。ちゃんと書いておいたのに・・・ そう、もう気づいている人も多いかと思うけれど、25番のネガはウォルターに贈った財布の中。灯台下暗しとも言えるけれど、青い鳥ってことだよね。骨折り損のくたびれもうけではなく、冒険してきたことで自分も成長した。そして、2人は幻の動物、ユキヒョウを見る! これは鳥肌モノ!

理由を忘れてしまったのだけど、空港で足止めされてしまう。L.Aで身元確認してもらえる人はいないかと聞かれ思いついたのが恋愛サイトの管理人! 緊迫した場面でも何度も連絡が入り、ウォルターのプロフィール作成作業してくれていた男性。トッド・マハール!これ、パットン・オズワルドが演じてたんだね?ずっと声は聞いていたけど、現れてビックリ!このシーンで重要なのは、トッドのウォルターは思っていたよりカッコイイというセリフ。そう!!さえない中年男だったウォルターがかっこよくなってることに観客も気づく。このシーンは上手いと思った。そして、シェリルが退会したことを知ったウォルターは、自身も退会する。

さて、25番のネガは、こちらも大方の人は気づいているかと思うけれど、母親が拾っておいてくれて無事。会社に戻り最終刊の表紙について会議中のヒゲ上司に25番のネガを突きつけ、大演説! ネガとともに愛社精神を突きつけられる上司。結局、リストラされてしまったウォルターは、同じくリストラされた同僚から、シェリルもまたリストラされたことを知る。冒険により自信をつけたウォルターは、シェリルに会う決心をする。こちらも、大方の予想どおり、シェリルもウォルターに惹かれている。2人並んで歩いていると、最終刊が発売になっているはずだと気づく。実はネガを見ていなかったウォルター。一緒に表紙を見る。こちらも、大方の予想どおり、ネガをチェックするウォルターの姿。表紙には、LIFE誌を愛し、支えた全ての人々に捧げる言葉が・・・ うん!王道だけど感動

原題は『The Secret Life of Walter Mitty』なので、これは完全にウォルター・ミティの物語なんだけど、邦題の『LIFE!』は人生と、雑誌LIFEをかけてるのでしょう。まぁ、LIFE誌の最終刊の表紙のネガを探す冒険が、ウォルターの人生に対する活力を取り戻す過程ともなっているので、この邦題はいいんじゃないかと思う。

キャストは、やっぱりウォルター役のベン・スティラーに尽きるという感じ。ほぼ出ずっぱり。実はベン・スティラーの出演作って『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』しか見たことない。あの映画は好きだけど、それ以外はなんとなく食わず嫌い。大きすぎる演技の俳優が苦手で、なんとなくそんな気がしてたので・・・ この作品でも、最初の方の妄想部分では、ちょっとそいういう部分が見えて、これはダメかもと思ってしまったけれど、所々気になる部分はあるものの、ギリギリのところで抑えていて良かったと思う。なにより、さえない中年男だったウォルターが最終的には素敵に見えてしまったので、これは褒めないわけいはいかない!(笑) シェリルのクリステン・ウィグも良かったと思う。ウォルターの妄想として、グリーンランドの酒場で歌うシーンが出来たりするけど、クスっと笑えるシーンになっていた。そういうのってなかなかさじ加減が難しいと思うので・・・ 美人過ぎない感じもいい。そして、母親役のシャーリー・マクレーンがさすがの存在感! 息子を信じ、彼の背中を押す。そして、いつでも受け入れる。出演シーンはそんなに多くはないけれど、ウォルターが帰る場所として存在していることが伝わってくる。

うーん・・・ 書こうと思って忘れていることがあるような気がするけど、もうだいぶ長いからいいか(笑) とにかく映像がスゴイ! 散々書いてきた大自然の美しさはもちろんだけど、New Yorkの町並みも美しく撮っていて、特に外でシェリルと会う時はとてもいい天気! 暖かそうな日差しで、全てが暖色系なイメージ。逆にグリーンランドやアイスランド、そしてヒマラヤは寒々としていて、寒色系。まぁ、ヒマラヤは寒くて当然だけど(笑) そして、LIFE誌の表紙の特大パネルが素敵! マリリン・モンローの表紙素敵だったー チラシにも映っている宇宙飛行士はベン・スティラー?

人生は冒険であり、時には危険を承知で踏み出さなきゃならない時もある。それは何もグリーンランドでサメと闘うことでも、ヒマラヤ登山することでもない。好きな女性に思いを伝えることや、例え上司であっても正しいと思ったことは主張する勇気だったりする。そういうことを、荒唐無稽な冒険と並行して描くことで、伝えようとしている。そして、それはちゃんと伝わった。ベン・スティラー監督ъ(゚Д゚)グッジョブ!!

ドキドキハラハラしながらも、きちんとオチがつくハッピーエンドが見たい方オススメ! ベン・スティラー好きな方是非!

『LIFE!』Official site



コメント (2)
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